金沢文庫・称名寺の黄色の花菖蒲 立夏が過ぎて夏至があと1カ月余に迫り、夜明けが次第に早くなりつつある。夏の早朝は気持ちがいい。子どもたちは朝が苦手かもしれないが、逆に高齢者は朝が友だちといっていい。散歩やラジオ体操で交わされる「おはよう」という言葉も、すがすがしさを感じる。山村暮鳥(1884~1924)は、この言葉を「一日のはじめに於て」という詩で歌った。詩の後半にこの言葉はある。5月も中旬、今日は雨模様の一日だ。 みろ太陽はいま世界のはてから上るところだ此の朝霧の街と家家此の朝あけの鋭い光線まづ木木の梢のてつぺんからして新鮮な意識をあたへるみづみづしい空よからすがなきすずめがなきひとびとはか…