1955~73年の高度成長期に「豊かな電化生活」を実現させた電機産業。続く1970~90年代には、多くの「メイド・イン・ジャパン」の「ハイテク商品」を世界市場に普及させ、日本経済の土台骨となりました。ところが、21世紀に突入する頃から、韓国・中国・台湾といった新興勢力の追い上げを受けて、国際的競争力を弱め、リーディングセクターとしての存在感を低下させつつあります。製品の低価格化、知財管理の甘さに起因する技術の模倣・流出、「垂直統合」による総合電機体制へのこだわり、日本市場優先主義、明確なビジョンの欠如といった点が、そうした日本メーカーの「衰退」をもたらせたと言えるのです。今後の対応策としては、…