1967年、東京生まれ。北海道大学大学院経済学部教員。専門は社会哲学。 東京都生まれ。横浜国立大学経済学部卒業後、東京大学大学院総合文化研究科で博士(学術)取得。現在、北海道大学経済学部准教授。
著書
自由に生きるとはどういうことか―戦後日本社会編 (ちくま新書)
帝国の条件 自由を育む秩序の原理
経済思想〈第8巻〉20世紀の経済学の諸潮流
マックス・ヴェーバーの新世紀―変容する日本社会と認識の転回
社会科学の人間学―自由主義のプロジェクト
自由の論法―ポパー・ミーゼス・ハイエク (現代自由学芸叢書)
現代ビジネスを読んでいたらこの記事を見かけて興味を持ったので読んでみた。 内容としてはウェーバーの「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」を原著より分かりやすく説明したものである。ただそれでも自分の読解力では理解できなかった面は多かったものの、それなりに面白い本だった。 そもそも「資本主義の精神」というのがどういうものかと言うと、「信仰のために労働と節制に励み、余った利益を運用して資産を増やす」というまさに今話題のFIREに近いような事をしていると感じた。より俗っぽい事を言えば「コスパの良い生活」というべきか。 ウェーバーが資本主義の精神の体現者と評しているベンジャミン・フランクリンの経…
nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 1. 松岡正剛『資本主義問題』角川ソフィア文庫 (2021) 2. 松岡正剛『感ビジネス』角川ソフィア文庫 (2019) 3. 仲正昌樹『ドゥルーズ+ガタリ<アンチ・オイディプス>入門講義』作品社 (2018) 4. 松岡正剛『感ビジネス』角川ソフィア文庫 (2019) 5. 松岡正剛『感ビジネス』角川ソフィア文庫 (2019) 6. 中沢新一『新版 はじまりのレーニン』岩波現代文庫 (2017) 7. 小坂井敏晶『格差という虚構』ちくま新書 (2021) 8.…
www.youtube.com SHERBETS「知らない道」Music VideoMidnight Chocolate - EPSHERBETSロック 足袋 暑い... デブで超汗かきの私にはこれからが地獄。 最近心療内科の待合室が劇混みで毎回瀕死。 明日から数日旅に出ます探さないでください(追いかけてきてくれる人はいませんが。笑) つ―事なので次は月曜辺りに更新します(^o^)ノ おやすみー 聴いてたのとか dave phillips / tapes Alamire,フレットワーク,David Skinner / Byrd 1588: Psalmes, Sonets & Songs of …
期待していた『女性セブン』(4月27日号)の広告には「才」が見当たらない。同誌には珍しく年齢表記の見出しがない。異変が起こったのではないかと心配している。 同誌の広告の直ぐ下に,「無理せず流れに身を任せて——90歳の自叙伝」の惹起文のもと,同じ出版社からの高木ブー著『アロハ 90歳の僕——ゆっくり,のんびり生きましょう——』(小学館,2023年4月刊,[isbn:9784093891028])の広告が出ていた。 どうやら小学館は,『女性セブン』では「才」,書籍では「歳」と年齢表記二刀流のようだ。 -関連エントリー--新聞広告の漢字事件または「「歳」と「才」」四十三論→https://akama…
書誌情報:未來社,329+ix頁,本体価格4,200円,2022年10月14日発行マックス・ヴェーバー研究総括作者:折原 浩未来社Amazon「姉妹篇『東大闘争総括』[未來社,2019年1月刊;[isbn:9784624400682]]ともども,後続世代の批判的な乗り越えに一素材は提供し,戦後の一時期を生きてきた責任は果たしたい」(「プロローグ」13ページ)との思いから,「自分個人の状況的企投とヴェーバー研究との関連」を問うた一書である。マルクス主義の「二項対立図式」の克服を実践しようとしてきた著者のヴェーバー研究総括である。一文に13行あるいは29行を費やしたり,引用あるいはゴチック強調など…
はじめに 本書は2012年にAmazonにてオリジナルの電子書籍として刊行し、2015年に同人誌『検証・格差論』に収録したものですが、近年の言論状況を鑑み、本稿を同書の無料サンプルとして公開いたします。「ロスジェネ」がいかに上下の世代を叩き、持ち上げてきたかの記録です。 なお、『検証・格差論』は下記のサイトで電子書籍として配信しております。 BOOTH kazugoto.booth.pm BOOK☆WALKER bookwalker.jp はじめに 1. 問題意識 2. ロスジェネ・メディアとしての『AERA』 3. 「AERA」団塊ジュニア世代記事の傾向 4. 持ち上げられるロスジェネ 5.…
原題:A Little History of Economics (Yale University Press Little Histories) 著者:Niall Kishtainy 経済学史。 訳者:月沢 李歌子[つきさわ・りかこ] 翻訳。 若い読者のための経済学史 - 株式会社 すばる舎 学び・成長・成功をあなたに 若い読者のための経済学史 (Yale University Press Little Histories)作者:ナイアル・キシテイニーすばる舎Amazon若い読者のための経済学史 【イェール大学出版局 リトル・ヒストリー】作者:ナイアル・キシテイニーすばる舎Amazon 【目…
今回は富永健一の標題著書を中心にして、『ヴェーバーの動機問題』について考えてみたい。 富永の近代化論については、パーソンズの系統として、つまりアメリカ社会学の系譜として語られるのが普通であろうし、私自身もこのことには賛同する。例えば、矢野善郎はヴェーバー読解において4つの類型を提示する。この類型のうち、西洋文明・文化特有のものとして「合理化」「合理主義」をみなし、他の文明文化は非合理的なものとするベンディクス・大塚久雄を挙げ、これに加え、進化論的な変動法則を伴ったものとして捉えたのがパーソンズ・富永健一の立場であるとする(矢野善郎「方法論的合理主義の可能性」橋本努等編『マックス・ヴェーバーの新…
書誌情報:文春新書(1394),227頁,本体価格850円,2022年11月20日発行統一教会 何が問題なのか (文春新書 1394)作者:文藝春秋編文藝春秋Amazon『文藝春秋』2022年9月号,10月号の特集記事を中心に新書として編集された一書は,統一教会の違法性と反社会性からはたして宗教組織なのかという問いに繋がっている。「もはや宗教ではなく,宗教の皮をかぶった集金マシーン」(小川寛大,183ページ)であるからだ。 山上容疑者を駆り立てた深層,自民党派閥工作の教団内部文書,献金極秘文書,宗教二世問題,合同結婚式,教会教義,文鮮明一族の闇を論じ,宮崎哲也,島田裕巳,仲正昌樹,小川寛大の討…
8月8日(月) 早朝、研究分担者に参加依頼のメールを送り始める。並行して、研究部の業務についてオンラインでミーティング。 天気が良いからか、昨日までの4日間の湖水地方旅行の効果か、科研費の申請が少し進み始めたからか、それらの複合でかはよく分からないが、意外なほど気分が軽い。 申請書の作成は、研究の目的や内容、研究組織の輪郭が見えてくると、計画の細部で詰めるべき部分や、それらをどう表現するかについて、山ほど考えるべきことがあることがわかってくる。特に今回は、自分自身が代表として応募するものとしては、初めて挑戦するサイズの研究組織、予算規模なので、全てのことが手探りだ。 17:00頃、大半のメンバ…
以上の文章でウェーバーは、しばしば「鉄の檻」と訳される有名な修飾表現(メタファー)を用いている。筆者はこの「鉄の檻」を「鉄のようにかたい網(ネット)」と訳した。いまの資本主義のシステムが「鉄の檻」だと表現しても、なかなかそのようには感じられないかもしれないからである。むしろ現代の資本主義システムは、鉄のようにかたい網と表現したほうがよいのではないか。原語の「ゲホイゼ」は、枠(外枠)、住まい、殻、ケース(箱)、カプセルなどと訳すこともできる(橋本努『解読ウェーバー「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」』講談社選書メチエ、2019年、p265)。 *なるほど、と思います。
国葬が行なわれることになっているのが、安倍元首相だ。 国葬には、しっかりとした根拠があると言えるのだろうか。 こういう条件が当てはまるときには、だれであっても国葬が行なわれるといったようには、はっきりとした法の決まりが定められていない。 特別な例外のようなかたちで、安倍晋三元首相の国葬が行なわれようとしているのがあるから、独断によっている。独断によるのは、根拠が弱かったりうすかったりするものだ。 独断によるもよおしになっているところがあるのが、国葬だろう。 すごくしっかりとした根拠があるのが、国葬なのだとはいえそうにない。 あらためて見てみると、根拠に不たしかさがあるのが、国葬だ。その根拠の不…
禅とともに人生を歩んだジョブズは、ミニマリストでもあった。ジョブズは1983年に、ペプシコーラ社の社長、ジョン・スカリーをアップル社のCEOにスカウトしたが、そのスカリーは、カリフォルニア州のジョブズの家に招かれたとき、「人が住んでいるという気配はまるで感じられなかった」と述懐している。ジョブズの生活は、大金持ちのイメージとは程遠いもので、家には家具すらほとんどなかった。その前年に撮られた有名な写真がある。ジョブズが自宅で瞑想する姿である。室内は、禅寺の僧堂のように簡素で静寂に満ちている。ジョブズによれば、「お金で買いたいものなんて、すぐ尽きてしまう」という。これは禅の考え方であると同時に、ミ…
7月25日(月) 朝7時に研究室へ。8時(日本時間16時)からのオンラインセミナー「欧州の気候市民会議の最新動向と日本の学び」(主催:環境政策対話研究所、共催:地球環境戦略研究機関)に向けてスタンバイ。セミナーでは「気候民主主義とは何か? 欧州におけるその展開」と題して15分の講演をした。私、甲斐沼さん、森さんの講演の後、3人のコメンテーターからのコメントがあり、その後、柳下さんの進行でディスカッション。参加者は時間帯によって増減があったが、150人ぐらいの参加があったようで、質疑応答も非常に活発だった。気候市民会議に対する関心が続いていることを感じた。 当日の資料や録画は以下のリンク(環境政…
啓蒙思想2.0〔新版〕 政治・経済・生活を正気に戻すために (ハヤカワ文庫NF)作者:ジョセフ ヒース早川書房Amazon 第12章 精神的環境を守る 選択アーキテクチャ再考 学校教育を終えた人に新しいものごとを学ばせるのは難しい(p376-380) 社会制度はユーザーフレンドリーであるべき(p398) 第13章 正気の世界への小さな一歩 スロー・ポリティクス宣言 扇動政治がはびこっていても近代の民主主義が生きながらえている理由(p410-411) 専門家に委ねてしまうよりも合理的な討議の前提条件を調える方が良い。(p412-421) この本読んでひとりで頑張ったってラチあかないから集団行動を…