地球外に生命が存在するか、どうすれば確かめられるだろうか。まずは、生命とは何か定義する必要がある。小惑星リュウグウで採取した砂からアミノ酸が見つかったが、もちろんこれは生命の証拠ではない。生命以前に惑星上で生じた化学進化(化学合成)の結果である。 前回、わが国で一般的だとされる生命の定義を書いた。 (1)自己複製 (2)エネルギー代謝 (3)細胞構造 の3つである。 1970年代、アメリカの火星探査で生命の存在が探られた。その方法は大きく分けて二通りある。ひとつは、放射性炭素C14で標識された有機化合物を火星の土に加えて、C14を持つ二酸化炭素が発生するか、逆に二酸化炭素を土に吹きかけて有機化…