「こんなこと、普通頼まないよね……」 「さっき断ったばかりなのに、また同じことを言ってきた……」 そんなふうに思ってしまう場面は、介護士として働いていると一度や二度ではありません。入居者様からの無理難題に、心がくたびれてしまう日もあります。 それでも私は、できるかぎり「この人なりに理由があるのかもしれない」と思うようにしています。なぜなら、私自身も何かに不安を抱えているとき、誰かに対して無理なことを言ってしまった経験があるからです。 介護の現場において、「理屈では説明がつかないような言動」をされる方は少なくありません。 たとえば、朝食の直後に「お腹がすいた、まだ何も食べていない」と訴えられる方…