片山恭一(かたやま・きょういち)小説家
1959年愛媛県生まれ。福岡県在住。九州大学卒業後、 1986年「気配」で『文學界』新人賞を受賞しデビュー。 主な作品に『きみの知らないところで世界は動く』(新潮社刊)、 『ジョン・レノンを信じるな』(角川書店刊)、 『DNAに負けない心』(新潮社刊)、 『世界の中心で、愛をさけぶ』(小学館刊)、 『満月の夜、モビイ・ディックが』(小学館刊)、 最新作として『空のレンズ』(ポプラ社)がある。
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どこへ向かって死ぬか作者:片山 恭一日本放送出版協会Amazon 森有正。どうして、彼の名を知ったのだろう。当時、愛読していた辻邦生の作品からかもしれないし、そうではないかもしれない。ただ、家族と職業を投げうって、故国 日本を捨てて、単身、パリで暮らし始めた男がいた、というのを知った。 当時、私は所沢で初めての一人暮らしをしていたが、睡眠薬が残った醒めきれない頭で、『バビロンの流れのほとりにて』を読んでいた。彼はリルケを愛読していた。ああ、私に似ているな、と一人納得した。唯一、分からなかったのが、その本のタイトルだが、今では『詩篇』137のオマージュであると分かる。 われらバビロンの河のほとり…
『世界の中心で、愛をさけぶ』片山恭一著 (小学館, 2001.4) 14歳の僕にとって、防波堤の突端にある小さな灯台が世界の中心だった。 右手には静かな波を受ける大きなクレーンが並ぶ、左手にはフェリーの波止場。後ろには、遠洋漁業の船がずらりと並んでいた。学生服の僕は防波堤に座り、足をぶらぶらさせながら、外海へ向かう船を見ていた。 その灯台は、地図的には観光地の長崎市の真ん中に位置し、長崎港へ入ってくる船のランドマークになっている。そこから世界遺産であるグラバー邸やジャイアント・カンチレバー・クレーンや稲佐山が見渡せる。すり鉢状の長崎の街の底にある絶景ポイントなのだが、ほとんどの人は知らない。理…
一条真也です。『死を見つめ、生をひらく』片山恭一著(NHK出版新書)を読みました。わたしは、「死」についての本はかなり多く読んできたつもりですが、この本を読んだときは唸りました。著者は1959年、愛媛県生まれ。作家。九州大学農学部卒業。同大学院博士課程中退。86年「気配」で文學界新人賞受賞。2001年『世界の中心で、愛をさけぶ』が300万部を超える大ベストセラーとなりました。小説に『愛について、なお語るべきこと』など多数。評論に『どこへ向かって死ぬか――森有正と生きまどう私たち』など。本書は2013年7月に刊行されていますが、ものすごい名著でした。あの『セカチュー』の作家がこんな凄い思想書を書…
一条真也です。22日の朝、自宅に迎えにきた社用車に乗って北九州空港へ。今年最後の東京出張に、スターフライヤーで行きます。ここのところ、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」感染者の濃厚接触者が急増しています。東京都内では20日現在、1044人が濃厚接触者と認定され、宿泊施設や自宅で待機しているとのことで、少し心配です。 北九州空港の前で 今日の北九州空港 メーテルが待っていてくれる💛 いつも、見送り、ありがとう💛 今回の東京出張は、副理事長を務める一般財団法人 冠婚葬祭文化振興財団の儀礼儀式文化振興事業の検討会議および忘年会、出版関係者および映画関係者との打ち合わせおよび忘年会などが目的で…
kindleで無料出版ができることをご存じですか? 皆さんはkindleをご存知ですか? Amazonがやってる電子書籍ですね。 昔はkindleという機械そのものを買ってそこから電子書籍を読んでましたが 今ではアプリのダウンロードで PC、ipad、スマホからでも利用することができます。 さて kindleは既存の書籍を電子化して読むだけではありません。 ここが肝心な話ですが kindleで誰でも自由に出版ができるのです それも無料で。 ご存知だったでしょうか。 まだまだ本は紙が主流というか本物は紙であるという感じがありますが、 電子書籍も立派なコンテンツです。 ところであなたは自分の本を出…
「作品」と「作者」と「批評」についての思い出 長いエッセー ぼくは10年ほど 福岡の文学同人誌「文芸誌らむぷ」で小説を書いてました。 らむぷ はセカチューの片山恭一さんや高樹のぶ子さんも所属していましたが、 高樹のぶ子さんはまさにらんぷに発表した「光抱く友よ」で芥川賞を受賞されたと記憶してます。 ぼくがいたころはもう二人ともプロでしたが、その他にもあらゆる本を読んだような古の文人のような人たちがごろごろいました。 さてらむぷは半年に一度発刊され、合評会が年に二回ありました。それ以外の月は勉強会です(笑) 合評会は修羅場でしたねえ( ´∀` )(大笑) 議論は白熱して、しかも酒を飲みながらやると…
★★★☆☆ あらすじ 引っ越しの準備をしていた女が一本のカセットテープを見つける。 www.youtube.com 感想 カセットテープとかウォークマンとか懐かしい。互いの声を録音してウォークマンで聴いていたカセットを20年後に見つけてしまったら、普通は火のつくほど恥ずかしい思いをしそうだ。しかしカセットが廃れた以降は、一般人が気軽に自分の声だけを録音して聞くことは無くなってしまった。今その役割を果たしている身近なものは無いかもしれない。スマホで動画として映像と共に、というのが一般的になった。 TOMASHI ポータブルカセットプレーヤー テープレコーダー ウォークマン スピーカー内蔵 マイク…
【プロフィール】 【本文】 【プロフィール】 プロライターの海燕です。書評や映画評などを掲載しています。 現在、マルハン東日本さまのウェブサイト「ヲトナ基地」で定期的に記事を掲載中。 お仕事の依頼、個人的な連絡などは以下のページからどうぞ。 それでは、記事をお読みください。 【本文】 しばらくまえの話になるが、「最近のラノベ界隈が気持ち悪い」と題する匿名ダイアリーの記事が話題になった。 タイトルでは「ラノベ(ライトノベル)」と書かれているが、じっさいに読んでみると、いわゆる「なろう小説」の話であることがわかる。 異世界に転生して冒険したりハーレムを作ったり、あるいは「聖女」になったり「悪役令嬢…
「セカチュー」と一緒に買った 片山恭一の本の1冊。 ストーリーは 家庭崩壊で失われた自分の居場所を求めて モーツァルトとバス釣りが好きな大学生・鯉沼。 謎めいた同級生・香澄に恋をする。 香澄の言動に、いまいち彼女を理解できないっすw そんな中、ぶらっと釣りに行った時 知り合った若い画家・タケルと時間を過ごし ひょんなことから タケルの車で、香澄と3人で 旅に出かけることになる。 旅の途中、香澄が刃物で 自殺未遂をして倒れていた・・・ そのまま、香澄は入院する。 香澄が、入院して 鯉沼は、お見舞いに行くんだけど 「待ってるから」 香澄の返事は、ない。 「いつまでも、待ってるから」 その後、香澄か…
はじめに 「愛」という言葉が、これほど心に響く作品があったでしょうか。片山恭一の『世界の中心で、愛をさけぶ』は、2001年の発表以来、多くの読者の心を揺さぶり続けています。この作品は単なる青春恋愛小説ではありません。純愛、喪失、後悔、そして人生の儚さを鮮烈に描き出し、読者に深い洞察と感動を与えてくれるのです。 本作は、主人公・朔太郎と彼の恋人・アキの切ない恋愛物語を軸に、人間の心の機微や人生の真理を探求しています。白血病という過酷な運命に直面しながらも、互いを思いやり、懸命に生きようとする二人の姿は、読者の胸に深く刻まれることでしょう。 この記事では、『世界の中心で、愛をさけぶ』から学べる人生…
「セカチュー」 こんなに、大ヒットして 超人気だけど 原作の本は、どんなんなの? と、思ったのがキッカケで 片山恭一の本を3冊同時に購入した。 3冊だったのは、ちょうど 本屋にあったからと 他の話も、読んでみたいと思ったからw まぁ、まだ、1冊も、読んでない作家のを よく3冊も買ったよねって思うwww オーストラリアに向かう旅の途中 サクは、死んだ恋人・アキのことを思い出していた。 中学校で、たまたま同じクラスになったサクとアキは 高校生になり、つき合うようになる。 でも、アキは白血病にかかり、日ごと衰弱していく。 サクは、入院中のアキが行けなかった 修学旅行のオーストラリアに アキを連れて行…
大切な友達や恋人へのプレゼントとして小説を贈るのはいかがでしょうか。言葉の力で心を動かす小説は、読んだ後も長く心に残り、特別な思い出を共有できます。今回は、友達や恋人にプレゼントしたい10冊の小説を紹介します。心温まる感動的なストーリーをはじめ、手に汗握るサスペンスや仕事に向きあう情熱的なストーリーまで紹介しているので、贈る相手に合わせて選んでみてください。 ※このサイトはアフィリエイトプログラムを利用しています 1. 『ノルウェイの森』 村上春樹 画像:Amazon 村上春樹の代表作『ノルウェイの森』は、青春時代の恋愛と喪失を描いた作品です。共感できる感情や美しい描写が多く、恋人に贈ると同じ…
片山恭一の原作の小説は大昔に読んだことがあるが、2004年公開の映画を20年の時を経て観た。 森山未來と長澤まさみが演じる2人の高校生の恋愛があまりにもピュアで眩い。ウォークマンとカセットテープを介した交換日記、バイクの二人乗り、無人島での一夜…。女子高生のアキを演じた長澤は、まるで森の中の子鹿のように躍動感があり、若々しく、清らかだ。病に犯されても恋人の朔太郎に懸命に思いを伝えようとする姿は痛ましく、切ない。 エンディングに流れた平井堅の「瞳を閉じて」が胸に沁みた。
ネタがやっぱり多い、崩壊スターレイル。
今週のお題「名作」 こんにちは! 今回のブログではママウマの中の名作をご紹介! どっぷりハマりました! ママウマの中での名作は、ずばり、 『世界の中心で、愛をさけぶ』です。 『世界の中心で、愛をさけぶ』とは・・・ 日本の小説家・片山恭一の青春恋愛小説。 小学館より2001年4月に刊行。通称「セカチュー」 マンガ化・映画化・テレビドラマ化・ラジオドラマ化・舞台化されています。 ママウマはこの作品を見て、初めて感動することを知りました。 原作本も読んで、映画も何十回も見て、あと、ラジオドラマも見ました。 でも、ママウマの中ではドラマ版が一番好きでした! www.tbs.co.jp 観たことある方は…
片山恭一作品。片山といえば「世界の中心で愛を叫ぶ」なのだろう。大ヒットで稼いだのかそれ以降ヒットはないと。愛媛県出身・65歳・九州大卒。それにしてもこの本を読むのに何度断念しようかと・・。世界を救うみたいな大上段でリズムもなく。最後まで読み切った自分を褒めてやりたい。 『新しい鳥たち』 物書きのキクの所に純真なヤシが寄ってきて、ヤシについてきたのがフユ。キクのかって船乗りとして世界を回っていた祖父が片足を切断し入院。その間に祖父の家で3人で暮らす。キクは死のうとして生き続けている。「ヒットラーとローマ教皇は兄弟」原理を提唱して世界は優しくなれると説く。自分以外の者を自分以上に好きになるというプ…
毎月200冊の本を読んできたのですが、外国語の本を読むために、読むスピードを意図して少し早めました。 そうすると、なんだか月に250冊ぐらいの本が読めるような気がしてきました。 外国語の本を読み出すのは、もう少しあとでもいいのではないかという気持ちもあり、そのまま続行して日本語の本を読み続けました。 その結果、先月から「今月の読破リスト」の冊数が250冊となっています。 月に250冊だと、年間3,000冊になります。 年3,000冊読めば「一流の読書家」だと以前から感じていたのですが、「一応、仕事もしているし、自分にはムリだ」と思い込んでいたわけです。 「ついに一流読書家の仲間入りをした!」と…
一条真也です。22日の夜、この日から公開された日本映画「四月になれば彼女は」をシネプレックス小倉で観ました。なんとなく甘ったるい高校生向けの恋愛映画の予感がして興味はなかったのですが、出演しているのが佐藤健、長澤まさみ、森七菜の実力派トリオなので、観ることにしました。結果は轟沈。1ミリも感動できないというか、「変な家」じゃなくて変な話だと思いました。「原作を読みたい!」とは、まったく思いませんでしたね。 ヤフーの「解説」には、こう書かれています。「映画プロデューサーや小説家など多彩に活動する川村元気の恋愛小説を映画化。結婚直前に婚約者が謎の失踪を遂げた精神科医が、ある手紙をきっかけに初恋の記憶…
高校生の時、作家になりたいと思った。 昔から読書が好きで作家になりたいと思ったわけでもなく、急に天啓が降りてきて作家になりなさいというお告げがあったわけでもなく、本を読んでいるうちに「小説を書いてみたい」と思うようになったのだ。 そのきっかけとなった本がある。片山恭一の『世界の中心で、愛をさけぶ』だ。 高校生の頃、母親が何を思ったのか、ふいに買ってきて、「あんた、小説でも書いてみたら」と渡してきたのだ。ちょくちょく本は読んでいたけれど、「小説を書いてみる」なんてことは思ってもみなかった。たぶん、勉強もしないでいつも寝てばかりいたぼくを見かねてのことだったのだろう。 さすがにベストセラーになるだ…
本記事は各収録作品に関するネタバレ(?)を含む「零合 百合総合文芸誌 第2号」の感想記事です。 未読の方は気を付けてください。 前置き 序文『百合、並びに物語に対する切実な試論』 佐藤友哉『大火』 青島もうじき『標のない』 片山恭一『死が消える場所』(コメント) 綾加奈『腐り落ちてなお』 伊藤なむあひ『Axe to Fall』≪前≫ 燈河佑『この曲は現在ご利用になれません』(漫画) 伊島系雨『霧曵く繭のパスティーシュ』 波木銅『国境沿いのピンボール・リザード』 前仲パ須田『トレイル・トゥ・スターライト』≪前≫ 汐都れむ『グッバイスタンダー』≪長篇一挙掲載≫ 総括 前置き 本作が「ゼロ年代」をサ…
う3月になってるんですけど…怖すぎる…小学生の時の5分はあんなに長かったのに、いまやあの頃の5分と現在の2ヶ月が同じくらいの時間の長さに感じる…どうなってるの…? じゃあ、するね…?告知…じゃなくて、なんだ、振り返り…?と告知も。よろしくお願いします。好きなパンはしっとりしたパンです。 2024年2月14日発売の『零合 第二号』(零合舎)に、発表作としては初の長編小説(の前編)となる「Axe to Fall」を掲載していただきました。 零合: 百合総合文芸誌 作者:高橋 しん,佐藤 友哉,青島 もうじき,片山恭一,綾加奈,伊藤なむあひ,燈河 佑,伊島 糸雨,波木 銅,前仲パ須田,汐都 れむ,れ…
読書日記 2024年2月7-13日 ・ヴィクトル・ユーゴー(豊島与志雄訳)『レ・ミゼラブル(完全版)』(後半) ・龍門諒、恵広史『BLOODY MONDAY』6-11巻 ・ダンテ・アリギエーリ(平川祐弘訳)『神曲 地獄篇』 ・ダンテ・アリギエーリ(平川祐弘訳)『神曲 煉獄篇』 ・ダンテ・アリギエーリ(平川祐弘訳)『神曲 天国篇』 ・岡野宏文、豊崎由美『百年の誤読』 ・岡野宏文、豊崎由美『百年の誤読 海外文学篇』 ・滝沢秀一『やっぱり、このゴミは収集できません~ゴミ清掃員がやばい現場で考えたこと~』 ・伊坂幸太郎『チルドレン』 ・萩原朔太郎『詩の翻訳について』 ・中島敦『山月記』 以下コメント・…