Death Wish
街のチンピラに妻を殺され、娘を廃人にされた平凡な男の復讐を描いた、ブロンソン=ウィナー・コンビの佳作アクションで、自衛の論理を説く“ヴィジランテ”物の代表作。妻子が襲われるシーンや、次々とチンピラを撃ち殺していくシーンなどの暴力描写もさることながら、徐々に銃の力に魅せられていく主人公の姿を捉えたアリゾナの荒野のシーンなど、作品に厚みを与えている描写も多く、単なる復讐バイオレンスに終っていないところが良い。主人公が次第に街の英雄と化していく様は、警察組織の無能力ぶりと大衆の曖昧さを痛烈に皮肉っている。作品的にはブロンソンの存在はあまりにも強烈過ぎて、災禍に見舞われた平凡な男という役柄にはミス・キャストの感があるが、アクション映画というワクで見るならば良かったのだろう。それが証拠に、主人公ポール・カージイの戦いは、この作品に端を発した“デス・ウィッシュ”シリーズ、すなわち「ロサンゼルス」「スーパー・マグナム」「バトルガンM-16」「DEATH WISH/キング・オブ・リベンジ」へと続くことに。
(allcinemaより)