岡山大の太田仁樹名誉教授の "斎藤幸平著『大洪水の前に』と『人新世の「資本論」』によせて"を読む. 『#マルクス は「ザスーリチへの手紙・草稿」において初めて「定常経済」としての共同体の再生という観点に立つことができたのです.定常性認識の獲得により「進歩史観」の克服が可能になり、「生産力至上主義」と「ヨーロッパ中心主義」からの離脱も可能となったのです.ここで注目すべきは「コミュニズムという歴史を作る力」として、「宣言」から「資本論」まで、マルクス は一貫してプロレタリアートという変革主体を措定していたのですが、斎藤氏はそれに変わって「共同体が」その力を持つと宣言していることです.唯物史観の根幹…