だいぶ前の事であるが、オートバランス式のドライバー回路による6EM7プッシュプルアンプを全段差動式に改造したことがある。当初のオートバランス式はラジオ技術誌の那須好男氏の記事を参考にしたもので、出力トランスとチョークを記事の物より安価な品に変更してコストを抑えている。 6EM7pp アンプは、そのまま今でもマルチの方に使用しているものの、なんか物足りなさを感じるのである。周波数特性を測ってみると、下図のように僅かに負帰還を掛けた差動式の方に分がある。だが、オートバランス式の方が、自然なパワーの伸びを感じることが出来るのだけれど、全段差動式は全体に縮こまって窮屈になって、つまらない音となってしま…