その反対に、いつも他人の良き所を発見する習慣のある人は、自ずから他人の良い所を自分も身につけ、それに近づかんとしているのであるから、まず何よりも、自分自身がどんどん良くなってゆくし、また、良い所をみつけられた他人も良くなってゆくし、その言葉を聞いた社会全体も良くなってゆくのである。 このように、言葉の実現力というものに着眼した場合、何よりも、社会を良くしてゆく原動力となるものは、良き所を発見し、言葉にしてゆく、いわば光明批評家の存在であり、社会全体を何よりも悪化せしめているのは、悪しき所を発見し、言葉にしてゆく、いわば暗黒批評家の存在なのである。 しかしながら、特に、日本のマスコミの環境を観察…