少女子《おとめご》が あたりと思へば 榊葉の 香《か》を なつかしみ とめてこそ折れ 六条御息所の神垣の歌への返歌🌿 by 源氏の君🪷 〜清き乙女がいらっしゃるあたりだと思うと、 榊の葉が慕わしくて探し求めて参ったのです。 【第10帖 賢木(さかき)】 どうすればよいかと御息所は迷った。 潔斎所《けっさいじょ》についている神官たちに どんな想像をされるかしれないことであるし、 心弱く面会を承諾することによって、 またも源氏の軽蔑を買うのではないかと 躊躇《ちゅうちょ》はされても、 どこまでも冷淡にはできない感情に負けて、 歎息《たんそく》を洩《も》らしながら座敷の端のほうへ 膝行《いざっ》てく…