『源氏物語』10帖 賢木(さかき)桐壺院の逝去と光源氏の危機光源氏23歳秋-25歳夏 近衛大将時代藤壺28~30歳/紫上15~17歳/六条御息所30~32歳 [光源氏、野宮の六条御息所を訪れる]六条御息所は娘の斎宮とともに伊勢に下ることになります。そのことを聞いた光源氏は、晩秋のある日、嵯峨の野宮(ののみや)に六条御息所を訪ね、別れを惜しみます。光源氏は、榊の枝を御簾の中に入れて「榊(常緑樹)のように変わらぬ我が心を……」と表しました。六条御息所の御心は乱れ、決心は揺らぎましたが、やがて伊勢へ下って行かれました。 巻名は作中で光源氏と六条御息所が交わした和歌にちなむ。「神垣はしるしの杉もなきも…