はなはだお見苦しいものを、お眼にかけます。お食事中のおかたは、どうか他へお移りくださいますよう。 右上腕、ほとんど肩というあたりに、一円玉ほどのうっすらとしたケロイドがある。母から聴かされたところによれば、生後初の種痘を受けたさいに、痕をしきりと痒がって、いくら制しても引掻いてやまず、ついに皮膚が破れてひどく化膿し、長くてこずったという。幼少期には、かすかに盛上って表面がつるつるした、目立つケロイドだった。 小学校中学年の頃からか、健康診断やプール授業のさいなどに、なんでボクの注射痕だけミンナと違うんだろうとの疑問が湧いた。恥かしかったのかもしれないが、さほど記憶にないところをみると、たいした…