● 前書き シニアの自分など想像できなかった。子供の頃は、単にオジイチャン。学生の頃は、年寄り。人生のお釣りで生きている人達。 しかし段々と影が忍び寄る。そして今、僕は会社生活も終えて、まさにお釣りが目の前に転がってしまった。シニアという名の、硬貨。 シニアになっていい事?わからない。ならば振り返ればよい。ほら、ある。歩いてきた長い、ながぁい道のりが。後戻りするわけではない。ただ、道がある。それだけの話。 シニアとは意外に単純なものかもしれない。第一、僕たちは誰も自分をシニアと思っていないのだから。 ● 草に埋まるレール 電車は笹子峠を長いトンネルで抜けて、ゆっくりと下りていく。緑の谷間に入っ…