作家。1955年東京都生まれ。東京学芸大学卒業。八王子市役所に勤務。福祉事務所、教育委員会、 図書館などの業務を経て、1990年『絹の変容』で小説すばる新人賞受賞し、作家デビュー。 代表作は『女たちのジハード』(第117回直木賞受賞)、『ゴサインタン−神の座−』(第10回山本周五郎賞受賞)など。 2004年9月から、朝日新聞朝刊で「讃歌」連載中。
2024/11/3〜11/8 1997年第117回直木賞受賞作。ドラマ化もされた。 保険会社で働くOL五人組のそれぞれの人生観、仕事観を描く連作短編。1997年の作品なので、まだ女性が25歳までに結婚して、というクリスマスケーキに例えられていた時代。私は篠田さんより少し後の時代だが、このような価値観があった時代に違和感はないが、今の若い人はこういうのを読んでどう感じるのだろうか。 https://amzn.to/4fKfWkp
人と人とは何とわかりあえないことが多いのだろうか。夫と妻、父と娘、学生時代からの異性の友人。それでも何かのきっかけで、考えたり行動したりすることにより、「わかった!」に近づくことは可能だ。 団塊の世代、企業戦士、相当がんばったが役員にはなれず会社を辞める、長年いろいろあって家庭内での夫・父親としての地位は失墜。とは言っても家族ともども経済的に困ることはなく、そこそこ恵まれた人たちと言えるだろう。しかし、家族なのにわからないという謎はいくつもある。 物語は次女の探索と父親の心の中の手記という形で紡ぎ出され、四国遍路の「結願(けちがん)」へ向けて進んでいく。「冬の光」とは何だったのかも最後にわかる…
「大きくなったら農業がしたい」と言い出した小3の孫のために、娘夫婦が市の農園を申し込んだ。 私は急いで昔読んだ篠田節子の【ブラックボックス】という本を復習する事にした。これ、フィクションなんだけど、結構衝撃的な話。 完全空調、人工光、水耕栽培で完全無菌栽培のハイテク農場で野菜が作られる。それを加工する工場では野菜を次亜塩素酸ソーダに漬け込み、何の動物のどこの部位からとったか分からないたんぱく質をブレンドしたドレッシングに漬け込む。無農薬だし日本の検査基準値には何も引っかからないけど、それを食べた人々は、次々にアレルギーや白血病を患っていく。 この本を読んだ時、どこからどこまでがフィクションか分…
『仮想儀礼』篠田節子 新潮文庫 仮想儀礼(上)(新潮文庫) 作者:篠田節子 新潮社 Amazon 仮想儀礼(下)(新潮文庫) 作者:篠田節子 新潮社 Amazon NHKのドラマを見て面白くて原作を読んでみた。 ドラマは原作とは全くの別物だな。視点を変えて宗教を見る良いドラマだと思う。 原作は、上巻を面白く読んでいてからの、下巻のスピード感と底なしに転げ落ちていくようなストーリー。久しぶりに身体にダメージがくる本だ。 解説に、「確かにこれは人間喜劇であって、しかも同時に身の毛もよだつ恐怖小説にもなっているのである」とあった。本当にその通りだと思う。 宗教を自分がどう見ているか、中から、外から、…
ナゼキニエンタメ!をご覧戴き有難う存じます。 「仮想儀礼」とは 『仮想儀礼』ネタバレ読書感想とドラマとの相違点 今夜いよいよ最終回【追記】原作ラストネタバレ 「仮想儀礼」とは AI記事読み上げ↓ AIテキスト読み上げ【仮想儀礼】読書感想とドラマとの相違点 - 昭和なラジオ | stand.fm 2023年12月3日にプレミアムドラマ(NHKBS)で放送開始した「仮想儀礼」が面白いので、原作を読んでみました。 「仮想儀礼 それは金のためにインチキな宗教をでっち上げたおろかな二人が 真理と営利を追求する 有難い物語である」 ドラマ冒頭部分のセリフですが、内容そのままです。 ドラマは第5回までが放送…
休みの日や出勤がゆっくりな日に、朝風呂が嬉しい季節になった。 朝は暖房のタイマーをかけて温まった部屋で起きているけれど、体は案外冷えていて、冬の時季は朝風呂を楽しむのがここ数年の定番になっている。気ままな一人暮らしだから叶えられる贅沢かもしれない。 湯船に浸かりながら毎回、温泉に行きたいなぁと思ったり、いや家のお風呂でも十分と思ったり。ゆったり浸かるとその日一日、気分にも余裕ができ、優雅な気持ちで過ごせるみたい。 先月から手首の調子が悪くて湿布を貼っている。体の歪みと姿勢の悪さからきていると思う。ヨガやストレッチをすると軽減されるので。さらに夜と朝、湯船に浸かった日は手首の調子も良い気がする。…
「失われた岬」(篠田節子 著)を読みました。 美都子の友人・清花が、北海道に転居後「岬へ行く」と言い残し失踪した。 20年後、ノーベル文学賞を受賞した日本人作家が、「もう一つの世界に入る」と授賞式の前日に失踪し・・・。 (西宮市立図書館の紹介文より) 松浦美都子の友人 栂原清花が失踪したのは2007年。ノーベル賞作家 一ノ瀬和紀が失踪したのは2029年。 この2つの失踪事件の真相を探る物語は、主に2029年の方で描かれるので、今からそう遠くない未来が舞台になる。 雑誌連載は2018年~2020年で、コロナの初期にはかかっている。でもそれからコロナウィルスが世界的にどう拡がったかはわからなかった…
篠田節子 著『ドゥルガーの島』の紹介。 ニッポン放送あなたとハッピー!2023年9月14日放送分 新潮社の中瀬ゆかりさんが番組内のコーナー紹介した本と、お話をざっくりまとめて載せていきます。 番組はこちら!radikoでも聴けますよ! 毎回、話題の本が登場!さぁ、今週はどんな本と出合えるでしょうか?早速見て行きましょう。 ニッポン放送あなたとハッピー!2023年9月14日放送分 ドゥルガーの島:篠田節子 内容 放送内容 篠田節子プロフィール 感想 ドゥルガーの島:篠田節子 ドゥルガーの島 作者:篠田節子 新潮社 Amazon 内容 大手ゼネコン勤務の加茂川一正は、インドネシアの小島で海底に聳え…
お母様の介護が大変な時、自身ががんになったのにとても明るい筆者に逆にこちらが励まされました。
怪談というのは、聞いている人の感情に訴えかける、古来のエンターテインメントであり、語りの力が影響するものだろう。 百物語とは怪談を持ち寄り、一話話す毎に蝋燭を一本づゝ消していき、やがて百本目が消えたとき怪異が出現する、という。 都内某所と伏せられているが、根津辺りの古い建物(旅館?料理屋?)にて開催されたようだ。 怪談の怖さには、因果応報の考え方が深く染み込んでいる。 もちろんそれが全てではないが、然るべき因果によって、恐ろしいことが引き起こされる。 理由もなく、不条理なことは起きない。(例外はある) そこは底知れぬ夜の世界ではなく、因果に縛られた昼の世界の延長なのだ。 というか、昼の世界の延…