実際、適性評価を受けた人、そうでない人が混在して働いている組織では、特定秘密の扱いを厳密に守ることは難しいのだ。適性を持つ人がそこにいないが、急に情報を使う必要があることもあるかもしれない。閉鎖空間ゆえチェックする外部の人はいない。「ま、いいか。今回だけ」が、やがて常態化してしまったように思う。 この事件は、昨日紹介したように欧米諸国の海上自衛隊(ひいては日本政府全体)に対する信頼を損ねた。その上に、経済安全保障推進法、セキュリティ・クリアランス制度によって「重要経済安保情報」を民間とも共有するスキームを推進しようとするタイミングだったことも波紋を投げかけるだろう。これまででも、民間人のうち、…