初めての入社日、零は朝会での挨拶を終えていた。 零は、月並みに「不慣れなことも多いかと思いますが」という挨拶をしながら、「将来、振り返った時に、このビジネスを加速するメンバーであったと思われる人でありたいです」と、少しだけ挑戦的な発言も付け加えることで挨拶を終えていた。 人事の方も自分の隣から席を離れて、 自分の席に戻っていった。零は、ひとりとなって、自分の居場所がなくなったように感じ、それをつくろうかのようにiPadを取り出した。増田雅史さん、杉浦健二さん、橋詰卓司さんの3名が執筆された「新アプリ法務ハンドブック」という本を読もうとした。 新アプリ法務ハンドブック 作者:増田雅史,杉浦健二,…