給付付き税額控除

立憲が掲げる給付付き税額控除について、私が思うのは以下の諸点です。 ① 給付付き税額控除の導入は消費税制度の構造改革。中低所得層に税収を還付する「戻し税」であり、低所得層ほど所得に対する負担割合が重いという「逆進性」の毒を消す効果がある。所得税の対象にならない低所得層や失業者などにも一定金額を配るので、所得保障と再分配の効果が期待できる。② 少なくとも中低所得層には減税効果があり、これによる消費刺激効果もある。 （立憲は食品の消費税ゼロに続けて、給付付き税額控除の導入をうたうが…） ③ 中低所得層に対する減税の財源をかりに税率引き上げなどでまかなうとすれば消費税率引き上げ（たとえば現行の基本税…

朝日新聞デジタルの記事には「コメントプラス」という「おまけ」がついていて、これがなかなか面白いし有益だ。立憲民主党が掲げた「食料品の消費税率をゼロに」という参院選向け公約に関する記事について、法政大学の上西充子教授がコメントしている。 上西教授のコメントがついた記事 全くの同感である。蛇足かもしれないが勝手に応援コメントしたくなった。 上西教授のコメントプラス ほんとは読者コメントを載せる場もほしいが、それはさておき、とにもかくにも「給付付き税額控除」というのが記事を読んでもよくからないうえに、親切な説明を立憲がやろうとしていないことに驚いた。（ついでに言えば、マスコミの報道も不親切） 上西教…

「消費減税する?しない? 与野党に高まる減税論、見えぬ首相の本心」と言う見出しの記事を朝日新聞が21日朝日新聞デジタルに掲載したのを興味深く読んだ。ここから見えてくるのは石破政権が消費減税に舵を切る可能性が高まっていることだけではない。立憲民主党が消費減税に踏み切る場合に、その先にある税制改革で自民・公明と大連立を組む可能性が浮上してくると思われるからだ。 消費減税をどうするか 記事は「夏の参院選を控え、消費減税を求める声が与野党ともに高まっている」とし、日本維新の会が食料品にかかる消費税の2年間廃止を、国民民主党は品目に限らず一時的な5%への引き下げをそれぞれ首相官邸に提言し、参院自民が17…

社会保険制度の抜本的改革が必要であるという問題意識が社会に広がっており、その制度改革をどうするべきかという議論を深めていかなければならないと思います。 年金制度の問題についてはずっと警鐘を鳴らしてきているんですが、やはり一番の問題は年金制度の理論破綻だと思うんですよね。 ・積み立てでは無く賦課制 年金制度が始まった時って今より寿命も短かったし、団塊の世代で子供の出生数も非常に多かった。そういう「いい時」に、未来の見通し非常に甘く見て作られた制度で、初めから現役世代から高齢者世代への仕送りの自転車操業だったし、別の目的に流用されたり、着服や横領も横行していて、まあとんでもないザル設計だったんです…