正徳5年9月20日。早朝に箕形善右・堀勘兵から相原小左へ手紙が来る。召仕元助を探しているので取り逃がさないように、もっともこの者にあれこれ話さないよう申し渡すよう心得るように。以上。小左がやって来て文左衛門にかれこれしかじかと話をする。十郎右へも同様。この間、使いに来た足軽加平次という者1人が長屋で由平の番をしていた。誠に慣れたものである。小左衛門は村では由平と名乗っていた。文左衛門は手かねを持たせて出かけ、小左衛門に対して申し渡し、手かねと縄をかける。女房も側にいたが、この様子を見てその場を立ち去る。小左衛門は返事を文左衛門に頼み、認めて遣わす。由平を廊下に連れて来て、長屋の入り口には錠封を…