帰国前日にジョージから, 「正月も一緒に過ごさないか? 年末にトミーと一緒にバーでバウンサー(用心棒)の仕事があるんだ。ナオトも一緒にやらないか?」と誘われた。「用心棒」という仕事を持ちかけられるということ自体、僕の想像の域を遥かに超えた出来事だった。僕はとても驚くと同時に、少し興味も湧き上がったが、航空チケットを一度キャンセルしていたこともあり、その話に乗る訳にはいかなかった。 いずれにしても、僕は短期間ながらも充実した日々を過ごせて、帰りの航空機内では満足感で満たされ、幸せな気分で座席に座っていた。僕の座席は、現在ではなくなっている喫煙席の1つ手前だった。喫煙席は機内の最後尾にあった。その…