片付けられない餓鬼だった。 「一枚のCDを聞き終わったらキチッとケースにしまってから次のCDを聞く」タイプではなかったのである、少年の日のこのおれは――。 だからいま臍を噛んでいる。 正月、実家に帰省した際、抽斗という抽斗をいちいちひっくり返す勢いで、かつて遊んだゲームを探した。 どうも世間の一角にレトロゲーム珍重の気(ケ)があるらしい。氾濫する3DCGに食傷しきった精神がドット絵の素朴を求めだしたか? ポリコレだのフェミニズムだの、外野の声のやかましくない、定型(テンプレ)以前の独創的な展開ないし世界観に惹かれたか? まあいい、理由の詮索は別にいい。とまれこいつは、ちょっとした小遣い稼ぎにな…