最初に藤原新也氏の本を読んだのは美大生の時でした。グラフィックデザインと写真が専攻の友人からおすすめされたのがきっかけだったと思います。『印度放浪』、『西蔵放浪』、『逍遥遊記』、『全東洋街道』、『東京漂流』あたりを渉猟し、「ニンゲンは犬に食われるほど自由だ」で有名になった『メメント・モリ』と、そのあとに出た『乳の海』あたりまでは読んだ記憶があります。そのあと私は美術に興味を失って(というか己の才能のなさに打ちひしがれて)熊本県の水俣市で農業の真似事みたいなことを始めたのですが、それ以降は藤原氏の作品とは縁遠くなってしまっていました。後年、中国に留学した際、新疆ウイグル自治区からパミール高原を超…