いよいよ本領発揮、女の熟年 * * * * * * * * * * * * 名手宅の祐筆(文書や記録を取り扱う職)を得て静かな余生を過ごしたいお麓(ろく)は、おはぎ長屋という長屋に住んでいた。 これで老後の安泰は約束されたと思い込んでいたが、その平穏な暮らしはわずか一年で終わりを迎えた。 お菅(すげ)が越してくると、さらに半年後にはお修(しゅう)がやってきたのだ。 二人の幼馴染はお麓の長屋を毎日欠かさず訪ねてきては、心底どうでもいい話をしゃべり散らす。 お麓はこの先、二人とうまくやっていけるのか。安穏に暮らすはずの余生はどうなってしまうのか。 さらには、いろいろな事件に巻き込まれていき……。 …