今朝、ナミアゲハの幼虫が、いつもいるサンショウの木にいなかった。新たに葉を食われたばかりのサンショウの枝だけが、まっすぐ天に向かって伸びていた。あんなにたくさん葉を食べ、ようやく蛹になるところになって、あの美しいイモムシは、蝶になる可能性を宿したまま、なにものかに食われてしまったのだ。あんなに懸命に生き、もりもりと食べ、あそこまで育ち、そしてあっけなく食われた。 生まれたばかりのエビが、オタマジャクシに食われる。カエルになる手前でそのオタマジャクシもまた天敵に食われる。カエルになり、蝶になる可能性を秘めたまま、その見事な肉体が、潜在する変態の可能性を発揮することなく、なにものかの餌になる。自然…