近年の認知科学では、「言葉(語彙)は思考を支える重要な道具である」という研究が数多く報告されている。しかし同時に、「語彙だけで頭の回転は説明できる」とまでは結論づけられていない。ここでは研究が実際に示していることを整理したい。 言葉は思考を助ける 2007年、MITなどの研究グループは、ロシア語話者と英語話者を比較した実験を発表した。ロシア語には「明るい青」と「暗い青」を表す別々の単語がある。 その結果、ロシア語話者はこの2色を英語話者より速く見分けた。 さらに、被験者に数字を暗唱させ、言語処理を妨げると、その優位性は消えた。 この研究は 「言葉が知覚を助ける場合がある」 ことを示している。 …