歳時記を読んだ。めちゃくちゃおもしろかった。 三浦しをん『舟を編む』には辞書作りの大変さが描かれている。 ひと言でまとめると、辞書は文字とスペースとの戦いだ。 解説が長くなるとページが嵩み、収録できる語の数も少なくなる。かといって適切さを欠いては辞書としての役割を果たせない。だから解説はポイントを絞り、文字を削いで、それでいて言葉の核となる部分は残さなくてはならない。 そうしてできた辞書には「言葉について説明する」という役割の裏に、これまで携わった顔も名前も知らない人たちの、言葉に対する熱量が宿る。その熱量を感じられた時、辞書は、言葉は、心強い伴走者として私を支えてくれる。 『新版 角川俳句大…