オマル・ハイヤーム『ルバイヤート』(岩波文庫、1949年)を読みました。 オマル・ハイヤームは、11世紀のペルシアの人。数学者としても著書が残っており、万能の学者であったようです。9世紀から15世紀はイランの文芸復興期とされ、オマル・ハイヤームはその中期を代表する詩人です。また、ルバイヤートというのは「四行詩」という意味だそうで、本書には143の詩が収められています。 このように書けば、少し難しいようにも感じられるかもしれませんが、本書はとても読みやすく、とっつきやすいものです。私なりにこの詩集で描かれる世界をいうならば、一つは、広い世界の中で自分という存在は本当にちっぽけで、自分が死んだとて…