1940年12月、東京生まれ。 1963年、東京大学工学部卒業。1964年、大蔵省入省。1972年、イェール大学経済学博士号を取得。 スタンフォード大学客員教授。
専攻は公共経済学。経済学を中心に幅広い分野に精通。 「超」シリーズの著者として有名。
プア・ジャパン 気がつけば「貧困大国」 (朝日新書) 作者:野口 悠紀雄 朝日新聞出版 Amazon 私にとっては、『超整理法』などの仕事術的な著作の印象が強い野口悠紀雄氏の「本分」である経済学の書。理系学部出身の学者らしく、さまざまなデータを見やすい表やグラフにまとめて示し、具体的な数字を出しながら、現状の問題点をグウの音も出ないほどにズバリと指摘している。 現在の日本を眺めてみれば、かつて「経済大国」と言われたことがウソのような凋落ぶりが目立つ。通貨である円の価値は下がり、GDPは中国どころかドイツにも抜かれてしまうことが決定的。家電量販店に行ってみれば日本経済の弱体ぶりはよくわかる。サム…
はじめに、野口悠紀雄氏(一橋大学 名誉教授)の記事をネット記事で拝読しました。ネット記事にたまには真正面から向かい合うのも面白いです。Chat GPTが語学学習の必要性をなくすかどうか、という要旨の記事でしたが、氏のなくならないという意見の要点は2点。①人間同士の直接のコミュニケーションが望ましい。②文化的多様性の維持のため。 上記の記事で、私が共感した部分を紹介しますと、・学習・習得した言語はコミュニケーションの質を、Chat GPTの活用はコミュニケーションの量をふやす。となります。つまりメリットとして活かされる種類が異なり、どちらもプラスになる。食い合う必要はありません。 ここからは記事…
野口悠紀雄氏の投稿がよくX(旧Twitter)に流れてくる。 おっしゃっていることはごもっともと思うことも多い。 しかし、なぜ野口氏の言説はもっと影響を持たなかったのだろうか?不思議だ。 2010年代の野口氏は今よりずっと現役に近かったし影響力もあったと思う。なぜそれが無視されたのか。小生の中でもどちらかというと野口氏はすでに起こったことに対してのコメンテーター的な感じで、政策提言的なことがあまりなかったように感じている。 逆にいうと、官僚エコノミストというのがそういうものだということなのかもしれない。今でいえば中野氏などもそういう感じを受けるが、官僚というのは、結果にはコミットしない人たちだ…
// 一橋大学名誉教授の野口悠紀雄氏より「日本経済のゆくえ 日銀はなぜ大規模緩和をやめないのか」と題して講演いただきました。 1. 大規模金融緩和でマネーは増えなかった国債大量購入により金利が低下したが、円安をもたらしただけで、マネーは増えなかった。マネーが増えなかったので、金融緩和が効果を持つはずがない。2. 円安が続く2022年以降の大幅な円安は、日本が金利を上げないため。 企業の利益が自動的に増えるため、企業は生産性を上げる努力を失った。3. 物価上昇が収まらないいまの物価上昇は、円安による(海外インフレが原因ではなくなっている)4. 国際収支の悪化貿易サービス収支が傾向的に悪化している…
円相場は対米ドルで一時150円まで下落し、その後乱高下しているようですが、だんなには気温の乱高下の方が応えます。今朝は冷え込みましたが、明日の最高気温は今日より5度も上がるようです。身体がついていけません。 ついていけないのは、少子化財源の議論も同じです。今日の日経新聞朝刊に「加藤こども政策相、少子化財源『全世代で支える』と謂う記事もありました。政府は6月に社会補償費の歳出削減や既存の予算を活用し、国民や企業に広く負担を求める「支援金制度」の創設を決定しました。加藤政策相は「支援金制度の財源確保を目的とした消費税などの増税はしない」と明言しているそうです。仮に単年度の財源を賄えたとして、将来的…
今年の2月、野口悠紀雄が「雇用問題研究会」でした講演がアップされていたのでリンクしたい。 考えてみれば当たり前なんだけれど、付加価値が増えていかないかぎり賃金は上がらない。言い換えれば、80年代と同じものを作り続けているだけなら給料は80年代のままである。 その同じものを中国が安い労働力で作り始めたのであれば、先進国は中国とは違うものを作り始めなければならない。 これに成功したのがアメリカと韓国であり、失敗したのが日本だと野口悠紀雄は言っている。そして、その“象徴的な”例がwinny開発者の金子勇さんの逮捕であり、ホリエモンの逮捕だろうと私は思う。 下の動画の1:00ごろ「みんなで貧しくなろう…
PHP研究所が発行している月刊紙『THE 21』。 6月号の特集は、「いま50歳の人の10年後・20年後 〜2040年のリアル〜」 同社のホームページに、今月号の見所として、『今の50歳前後は、「人口が多いのに、自分たちを支えてくれる若者は少ない」という世代。将来の年金・介護・医療に不安を感じている人も多いでしょう。そこで、2040年頃までに日本人の仕事・暮らしに起こる変化、中でもこの世代にどんな未来が待ち受けているかを専門家に取材。あわせて「今からやっておくべきこと」も聞きました』とある。 この中に、野口悠紀雄氏の特集ページが載っていた。氏の履歴には、『日本の経済学者、元大蔵官僚。研究分野は…
ガネしゃんです。ご覧頂きありがとうございます。 父の付き添いで病院へ行ってきました。予約は10時でしたが駐車場はほぼ満車状態。 待合は父と同じ年代の夫婦や付き添いの方であふれていました。 私はアラフィフ。団塊ジュニア世代です。今50歳の人が父と同じ歳になった時のことを考えると恐ろしくなりました。 なぜか? ご存知の通り私達を支えてくれるはずの現役世代の人達が少なくなるからです。病院のスタッフさんは私と同世代の方々が多かったように思います。皆さんとても忙しそうでした。 今から20年後。 同じ様な光景が見られるのかなと感じ、今後の自分の生き方について考えてみました。 どうなる団塊ジュニア世代の20…
◯黒田総裁退任 2013年に就任した黒田総裁、異次元の金融緩和という言葉を使い、量的にはジャボジャボと市場に介入、竹中平蔵氏以来の、日本の政策のどんでん返しを演出しました。 国債買いまくり、963兆円、含み損8兆円(2022/12) 「負の遺産と思っていない」と断言。 当初の2パーセント目標は、延々と実行できないのに、正されることもなく、10年、継続。 引き締め、一度もなし。そこに、何ら反省も失敗もなく、「残念」の一言。 自分の正しさを信じ込んでいる、日本の失われた30年を象徴する人物であり、それを支えた周辺も同じなので、さらに路線継承。 本人は、 <「賃金や物価が上がらないノルムに関しても、…
どんどん物価が上がるのに賃金が上がらずにどうなっているのか、と思っている人は多いだろう。まさにタイムリーな一冊。ただしマクロ的な視点による分析・提案なので個人レベルの行動を直接示す内容ではない。どうすれば日本人の賃金は上がるのか (日経プレミアシリーズ)作者:野口悠紀雄日経BP 日本経済新聞出版Amazonこの本は7章構成で第6章までが現状分析でいかに日本人の賃金が安いのかを独自の視点からデータ分析がされていて分かりやすい。自分の給料がどの階層にあるのか、賃金格差の生じる理由、円安政策の批判などはそれぞれ興味深い。第7章でいよいよ「どうすれば日本人の賃金を上げられるのか?」という問い対して、筆…