2025年6月29日(日) きょうの潮流 まだ日本が、荒廃と貧しさの中から必死にはい上がろうとしていた時代でした。生活に困窮した者は、無差別平等に国が救済する。新しい憲法のもとで新しい法律がつくられました ▼「それは大きな進歩だった」。戦地から戻り厚生省で生活保護法の制定にとりくんだ井出精一郎さんは生前、当時のことを振り返っていました。驚きとともに社会を支える役目をになった誇り。職場にも活気があったといいます ▼すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。その理念は戦後日本の出発点でもありました。ところが、「自助」をふりかざし、国の責任を放棄したのが2012年の総選挙で政権に…