The Wind and the Lion
1904年、モロッコのタンジール。人馬の賊たちが高台にあるアメリカ人の住む豪邸に押し入り、家人を次々虐殺。しかし女主人とその2人の子供だけは殺さず、連れ去った。首謀者はリフ族の誇り高き族長ライズリ。西欧列強各国が自治国であるモロッコに介入するのに怒り、太守に外国勢排斥の号令を出させようとしたのだ。一方、アメリカ合衆国第28代大統領セオドア・ルーズヴェルトは、ライズリを好敵手と見なし、駆け引きを目論む。
漢気監督ジョン・ミリアスが敬愛する黒澤明の影響をもろに出した、大作アクション映画。ダイナミックなアクション場面は『隠し砦の三悪人』を彷彿とさせる。あくまでも猛々しく、しかし茶目っ気も見せる族長役ショーン・コネリー、凛々しく知性的な未亡人役キャンディス・バーゲン、貫禄と男らしさが同居するルーズヴェルト役ブライアン・キースら、役者陣も好演。ジェリー・ゴールドスミスの音楽は勇壮そのもので、荒々しくも叙情感溢れる傑作スコア。