竹宮惠子による漫画「風と木の詩」は、19世紀南仏を舞台に、孤独な少年2人が出会い、惹かれ合いながらも、社会や周囲の偏見に苦しみながらも、愛を貫き通す物語です。 この作品は、1976年に少女漫画雑誌「花とゆめ」で連載開始され、1980年に単行本全24巻で完結しました。単行本発行部数は400万部を超え、1983年にはアニメ化もされました。 私は、この作品を初めて読んだのは、小学生の頃でした。当時は、まだ同性愛に対する理解が十分に浸透しておらず、この作品の描く世界観は、とても新鮮で衝撃的でした。 主人公のセルジュは、貴族の父とジプシーの母の血を引く、黒髪と青い瞳の少年です。彼は、周囲から疎外され、孤…