まだニューヘブンにいた頃、バス停で一歳の長男とバスを待っていると、隣にいたお爺さんに話しかけられた。「何歳?」「一歳半です」たいていはそれだけで終わるのだが、お爺さんは、無邪気に歩き回る僕の息子を見て、こう言った。「たくさん、写真と動画を撮りなさい。彼は大きくなったら、今のことをすべて忘れてしまうのだから」そうなのだ。今、これだけ2人で濃密な時間を過ごし、笑い合い、慕い合っていても、彼はいずれ、その全てを忘れてしまう。そして、その反対側で、記憶の片われだけが、親の脳の中に残される。親にとって、今の時点の子供とその日々の記憶への愛は、永遠の片想いのようである。しかしそのことが、この時間の尊さを強…