忘れられない一言がある。それは、高校時代の友人に10年ぶりに会った時に言われた一言。「もしかしておめでた?」。その頃、私は太っていた。高校時代から比べると15kgほど太っていた。「ううん」と答えた後の、友人の「え、ごめん」という気まずそうな顔が、私は今でも忘れられない。 ルッキズムが書かれている物語を読むと、いつもそのときのことを思い出してしまう。苦い思い出ではあるけれど、それでも私がこうやって振り返れるのは、ダイエットに成功して10kgほど痩せたからだと思う。それにもパラドックスを感じて、若干気まずくなる。誰でもない、自分自身に。 ■『BUTTER』/柚木麻子が切り込むルッキズム 柚木麻子さ…