とても面白かった。 1970年の大阪万博を起点に、1945年の広島爆心地、そして幻の皇紀2600年万博に言及し、美意識の根底にある「未来」という幻想、そして「環境」という考え、万博と戦争をつなぐ様々な要素を巡っている。 この本を要約するのは難しい。 登場する人物も膨大だが、磯崎新、浅田孝、糸井貫二が記憶に残る。 夢の未来として作られた万博が、生まれたとたんに廃墟になっていくという。 人類の進歩と調和というキーワードは、幻の皇紀2600年万博、満州国の建国理念に繋がっており、万博の企画に携わった人々が、WW2の影響を受けていることを指摘する。 国家事業としての万博とは国家が行う戦争と等価である、…