伊坂幸太郎は僕のお気に入りの作家の一人。この「アヒルと鴨のコインロッカー」は、「重力ピエロ」と「グラスホッパー」についで、僕が好きな作品だ。様々な問題が提起されていて、とても考えさせられることが多かった。また、物語の後半では予想を裏切られる展開もあり、ストーリー性もとても良かった。 今回は三つほど、印象に残ったことを書いていきたい。 一つ目は、ブータンにある「死んでも生まれ変わるだけだって」という思想。この楽観的過ぎると思われるこの思想は、意外と重要なことなのかもしれない。「死んでも生まれ変わるだけ」という考えを持つことによって、意識が保守的じゃなく積極的になれるし、周りに気を使うことができる…