■
博多駅で母と待ち合わせて、美術館・画廊巡りに出発。福岡アジア美術館でまず「千住博展〜大徳寺聚光院別院襖絵七七枚の全て〜」。滝とか波とか、水の音が聞こえてくるような、それでいて心がしんとしてくるような襖絵を見る。一見単調な連なりが絵になってしまう力技。ダイナミックさと上品さ。常設展ではアジアの作家の作品を見る。アールデコ調の繊細な作品もあり、当たり前なのだけれど驚く。西洋文化とのせめぎあいは、どこの国も同じ。
美術館の入っているリバレインの中でお昼。どこに行っても東京の人ごみとは無縁で気持ちがゆったりする。「ゆたーっとするごたる」。
地下鉄で移動して、知り合いのつてで紹介していただいた画廊へ。最初は表情が硬かった女主人が、母の画帳と写真を見るうちにがらっと好意的になる。表情の変化を見ているのが面白いほど。元々企画展の話ではなかったけれど、「うちでよければお貸ししましょう」ということに。地元でなくてもやれる程度の力量ではあるらしい。娘としては「一昨日おいで」と言われなくて一安心。
赤坂・天神の画廊をいくつか見て回る。通りすがりの客を呼びたいなら、一階の方が良いのだけれど...。
ともあれ画廊めぐりも無事済んで、長かった旅行の日程も終了。ホテルクリオコート博多内の「円座・長屋」で打ち上げ。不肖の娘も、母の夢実現の手伝いは厭わず。教育を受けた段階で貰うものは貰ったから、後は家を抵当に入れてでも好きに描いてほしい。「したい」ではなく「ほしい」ばかりの父は文句を言うかもしれないが。
母を電車に乗せた後、紀伊国屋で仕事関係の本と東村アキコの新刊を購入。最終便で帰京。せっかくiPodを充電器付きで抱えていったにも関わらず、疲れ果てて取り出すこともできず。あやふやな自分と再び向き合う覚悟だけを再インストールして家に戻る。
■
書影をクリックするとbk1の紹介ページに、ISBNをクリックすると、はてなの紹介ページに飛びます。(05/20)
- 『バースト・ゾーン』吉村万壱著、早川書房、2005.5、ISBN:4152086378
"「テロリンを殺せ!」 ラジオからは戦意高揚のメッセージが四六時中流れ出す。いつ終わるともわからぬテロリストの襲撃に民衆は疲弊し、次第に狂気の度合いを高めていった…。この国の狂気に煽られゆく人間を描いた破壊文学。" 『脳男 (講談社文庫)』強烈でした。早川からか。<追記>おっと間違えちゃった。『脳男』は首藤瓜於、吉村万壱は『ハリガネムシ』の人ですね。
- 『ケミカル・メタモルフォーシス』遠藤徹著、河出書房新社、2005.5、ISBN:4309251900
"カーソンの「沈黙の春」は単なる環境保護の本ではない! 化学物質によって日常生活を、ドラッグによって精神を変容させてきた60年代を論じつつ、徐々に化学変化しつつある人間の畏怖すべき未来を展望した衝撃の思想社会論。" 『姉飼』は怖くて読めなかったが。
- 『眠れるレタス姫』天野喜孝著、主婦の友社、2005.6、ISBN:407244765X
"真夜中のキッチンは妖精たちのパラダイス。「ヤッホー! みんな出ておいで」。N.Y.のロフトで、満月の夜に繰り広げられるかわいい野菜の妖精たちのミッドナイト・パーティー。奇才天野喜孝のファンタジー絵本。"
- 『愛国百人一首』川田順著、河出書房新社、2005.5、ISBN:4309017118
"太平洋戦争の直前に歌人・川田順が編んだ、さまざまな国を想う感情を詠んだ100の和歌の鑑賞エッセイ。万葉集の防人歌から日露戦争従軍歌まで。1941年大日本雄弁会講談社刊を復刊。"
- 『禅と脳』玄侑宗久/有田秀穂著、大和書房、2005.5、ISBN:4479391193
"禅は偉大な脳トレーニング。脳を研究する教授と、作家にして臨済宗妙心寺派福聚寺副住職の、脳・心・身体をスッキリ整える対談集。"
- 『クローン技術の可能性』サイエンティフィック・アメリカン編、水谷淳訳、日本経済新聞社、2005.5、ISBN:4532165172
- 『感染症との闘い』サイエンティフィック・アメリカン編、梶山あゆみ訳、日本経済新聞社、2005.5、ISBN:4532165180
- 『実験でわかるエネルギーと環境』潮秀樹/大野秀樹著、秀和システム、2005.5、ISBN:4798010707
- 『1年で120種類の野鳥と出会える本』中野泰敬写真・文、BIRDER編集部編集、文一総合出版、2005.5、ISBN:4829901683
- 『ジャパニーズ・モダン』森仁史著、国書刊行会、2005.4、ISBN:4336046875
"日本のインテリア・プロダクトデザインの先頭に立ったデザイナー剣持勇の作品世界を紹介。巻末に本文の英訳を収録する。2004〜05年に秋田市立千秋美術館等で開催された展覧会図録として制作されたものの市販版。"
- 『あっぱれ!津軽の漆塗り』佐藤武司著、弘前大学出版会、2005.3、ISBN:4902774011
"津軽塗の定義、津軽において「塗」という語がもつ意味、津軽塗の歴史、江戸時代の漆塗手板、塗料である漆や漆器の保管の仕方までを解説。津軽塗400年の真実を喝破する!"
- 『炭はいのちも救う』宮下正次著、リベルタ出版、2005.5、ISBN:4947637951
"枯死寸前から蘇った松、悪臭が消え肉質が向上した豚、風前の灯から復活したワカサギ…。炭の意外な効能は枚挙に暇が無い。古くて新しい素材である炭を、生命維持の特効薬として生かす方法を紹介。"
- 『ハイカラ手ぬぐい案内』君野倫子著、河出書房新社、2005.5、ISBN:4309280110
- 『和みの百色』吉岡幸雄著、PHP研究所、2005.6、ISBN:4569641970
- 『日本の町並み調査報告書集成 8』村上〓一/亀井伸雄/江面嗣人/苅谷勇雅編集委員、東洋書林、2005.5、ISBN:4887216580
- 『高麗史日本伝 上』武田幸男著、岩波書店、2005.5、ISBN:4003348710
- 『調査的面接の技法』鈴木淳子著、ナカニシヤ出版、2005.4、ISBN:4888489602
"面接のスキルを求められる全ての人へ。調査のデザインから分析、報告書の書き方まで、全プロセスを平易に解説した調査的面接法に関する体系的かつ実践的な入門書。2002年刊の第2版。"
- 『届出書類から労務管理が見える』SRアップ21編、日本法令、2005.5、ISBN:4539719386
- 『新「会社法」のことが手っ取り早くわかる本』柳沢義一/長谷川直彦著、明日香出版社、2005.5、ISBN:4756908829
- 『広告制作料金基準表 ’05〓’06』宣伝会議編集部編集、宣伝会議、2005.5、ISBN:4883351319
- 『届け出ハンドブック 2006年版』PHP研究所編、PHP研究所、2005.6、ISBN:4569642500
- 『定年族のための株式投資術』松下律著、PHP研究所、2005.6、ISBN:456964256X
- 『もう迷わない医療機関のかかりかた』菊地かほる著、作品社、2005.5、ISBN:4861820367
- 『いやな気分を消す方法』フレッド・L.ミラー著、森内薫訳、PHP研究所、2005.6、ISBN:4569642683
著者はUCLA医科大学で呼吸・瞑想法の講義を行う一方、カリフォルニア州弁護士連盟から唯一公認された瞑想教師として、弁護士にリラクゼーション法を教えている。
- 『ぼくのパソコンを守って』根津研介/宮本久仁男/園田道夫著、秀和システム、2005.5、ISBN:4798010324
"アナタの情報はお金になる…。個人情報保護法がスタートして法整備が進んでも、アナタの意識が変わらなければ何も守れない! 危険な攻撃からパソコンを守るセキュリティ道を伝授。現代のネオ西部開拓時代のサバイバル教本。"
- 『ブログ自由自在Movable Type上級カスタマイズ術』藤本壱著、技術評論社、2005.6、ISBN:477412379X
- 『たば風』宇江佐真理著、実業之日本社、2005.5、ISBN:4408534730
"運命の風に翻弄されながら強い絆で結ばれた女と男におとずれる奇跡の時−。蝦夷・松前藩を舞台に描く、6編を収録。"
- 『風神秘抄』荻原規子著、徳間書店、2005.5、ISBN:4198620164
"得意な芸能の力を持ち、その能力ゆえに、幼い頃から孤独だった少年と少女が、互いにかけがえのない相手として出会い、恋をまっとうし、生きる道を模索する。平安末期、未曾有の戦が始まる時代を背景に愛を描くファンタジー。"