INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

ミルホンの「パンクラス訴訟」は、「パンクラスが訴える」という意味でした(一部、心配していた人へ)。

http://miruhon.net/index.php?main_page=product_info&products_id=259
このタイトルが一部で話題だったが。
パンクラス訴訟」というと、
「今日こそ払ってもらいますよ。プロパンガスのお代が三ヶ月もたまってるんですから!」みたいなことを想像しませんでしたか。俺はした(笑)。
だが、確認すると「パンクラスが、bodog(関係者?)を訴える」つまりパンクラスが原告側です。
とりあえずは一安心というところでありましょうか。やな安心の仕方だな。こういうトラブルが無いことに越したことはないし。
それとは別に、やっぱりbodogはもうMMAに興味を失った(縮小した)んでしょうか。それなら残念だ。

その他の情報は

http://blog.livedoor.jp/nhbnews/archives/51469170.html

にも投稿したとおり。

アンデウソン最強!…だが客を呼べない由。そして岡見も地味なまま挑戦者へ

(上にも記事を書きました)
てなわけでナニをナニして、UFCの試合をいくつか拝見しました。
ダン・ヘンダーソンvsアンデウソン・シウバをまたPRIDE対UFC、と翻訳する必要もないだろうけど(シウバのPRIDE経験、ダンの旧UFC体験もある)、なじみはダンヘンのほうがあるからついつい贔屓目で見る、がそんなものを簡単に凌駕してしまいますね、今のアンデウソンは。

ところが、意外な伏兵が。
http://omasuki.blog122.fc2.com/blog-entry-82.html

アンデウソンの試合は誰が見ても脱帽。問題は、誰もが見るかどうか。MMA Payout にアンデウソンのPPV獲得数が載ってました。
略、ここに具体的な数字が在ります

先日のレズナーでも50万件を突破していましたし、最大で100万件を超えるというUFCのPPV成績としてはお寒い部類……

アンデウソンが英語を喋れないことも人気の盛り上がらない一要因とか。
そんなのどうでもいいじゃないかと思うが、TKも一通りしゃべれるし、郷野聡寛が必死に英会話を習っているのも一理あるのか。何しろ試合を終えたら勝っても負けても一言、舌のよく回るレポーターの質問を受けて言わなきゃいかんのだ。
俺は脳内で練りに練った一文を英語圏の人に浴びせて意思疎通をすることはできるが、それを受けた相手がこいつは喋れるのか、聞き取れるのかと安心して怒涛の返しを浴びせ、それで沈むということが時々ある(笑)。


ま、どちらにせよ、今回はアメリカ人の、しかもだいぶ期待できる選手が挑戦したからそれなりに盛り上がった。
では、ベテランのエヴァン・タナーとの新旧パンクラス勢対決(無理アリアリだって)を制し、ますます気合の入らない日本刀パフォーマンスを見せてくれたイナヅマッ!岡見勇信は。


今回スカッと膝蹴りでKO勝利を飾り、おまけにそのフィニッシュまでは相変わらず静かなること林の如き試合っぷりを見せてくれました。
そして、上リンクによると

またホワイトは岡見について、「LYOTOに似てきた」と、褒めているのかけなしているのか、微妙なコメントも残しています。

がははははは。
私も時々、最高の褒め言葉として「ジャイアント・キマラのようだ」という言葉を使うが、よく受け取られたためしがない。そんなわけで岡見は挑戦者としては順当に資格を得たが、何しろダナはお金が大好きなので、今別のプランも立てているとか。

まあ実際のところ、日本人のわたしも今、岡見対アンデウソンみたいかというと微妙だ。
アンデウソンのここ最近の戦いは凄いし、岡見のほうは岡見のほうで強さがまだ二倍にも三倍にもなりそうなのびしろを感じさせる。不人気ぶりで挑戦できないまま、ランキング1位か2位をキープできればそれはそれでおいしそうだ。

老雄マーク・コールマンUFCを選択。vsブロック・レスナー

さて、SEG時代(だっけ)UFC最後の大物が登場だ。しかも、一応は元PRIDE王者(トーナメント覇者)の肩書もある。
4試合契約だというが、そんなのはどうでもいい。この第一戦、vsブロック・レスナーは絶妙だと思います。
「最初の頃の自分を見るようだ」というレスナーの突破力を、コールマンはしのげるのか。
経験をパワーで埋めることができるのか。
レスナーの相手にしてもコールマンの相手にしても、これ以外だったらきっとシビアすぎる。
結果がどう転ぶかに関係なく、4試合契約(どうせ途中変更条項あるだろうし)の中でこの試合が行われるだけでも価値があると思っている。

でも、PRIDEの後継者という部分がほしい、DREAMや戦極にとっては候補のひとりでもあったね…。それが失われたという面もあるか

韓流寝技師、ミルコ狩りへ!? (GAME AND MMA)

http://gameandmma.blog29.fc2.com/blog-entry-1042.html

…ミルコの対戦相手については、マイティ・モーになるという噂がもっぱらでしたが、ここにきてミルコが地元スポーツ誌のインタビューに答え、対戦相手がユン・ドンシクになりそうだと…(略)
「(略)ユン(ドンシク)は素晴らしいテクニシャンだ。最後に彼ら(DREAM)が言ってきたのは彼の名前だったよ。」

「満を持して、大韓民国の選手と戦う 男」略してマダオことミルコ・クロコップ
ユンはミドル級選手じゃないのか、とか言ってはいけない
実際、上エントリで「相手はあの柔道家?」という見出しを見たときは「ああ、DREAMで闘うという噂のあったパウエル・ナツラか。まあまあ順当だね」と思ったのだが。
ミルコが勘違いしているとかはないのか。

なぜ軍隊は情報隠しに走るのか?(田岡俊次パックイン)

今回のイージス艦事故以降、愛川欽也パックインジャーナルは二回放送された。
田岡氏にもっと喋らせればいいのに、司会のキンキンが口を挟んで進行を滞らせるのはこまりもの(笑)。
まず今週の分から書いておくと、なんでああも情報隠しをするのか。
それが官僚だよ、とかそれが軍人だよ、ということにすればはいおしまい。なのだが、田岡氏はもう少し詳しい分析を行う。

・軍隊はその性質上、ちょっとの出世の差(階級・役職差)が、敬礼などの儀礼で明確化される。たとえば同期でも差がつけば、敬礼を先にするとか言葉遣いなど日常的にその差を味わわされる。


・これは軍人同士に猛烈な競争心を起こさせ、戦争などでは勇猛さを競わせることができるから、あながち間違ったシステムではない。


・ところが幸か不幸か日本は戦争が無い。戦争が無い時に猛烈な出世競争をするとなると、「ミスの少なさ」を競う減点主義でやるしかない。軽い事故でも、起こしたらそれは一生付きまとい、挽回のチャンスは少ない。


・だから自衛隊はミスを極端に恐れる。ミスを隠そうとする。

なるほど。
それからやや意外なことに、航海長を呼んでの尋問に対して田岡元帥は「全然問題ない、むしろ積極的にやるべきだ」というスタンスでした。

2002年の怪事件「うみぎり連続放火事件」(田岡俊次パックイン)

あと、書き忘れていたので2.23に放送された、田岡元帥の語る怪事件を。
(大意)

2002年にすごく気持ち悪い事件があった。
横須賀にあった「うみぎり」という船、すごくいい船なんですけどね、ここで小火があった。
その艦内で1.26に放火があった。艦内の放火って重大ですよ。
それは海士長が3月11日に逮捕されたんです。警務隊や憲兵隊が調べて。
そしたら11日に逮捕したら同じ艦内で13日にまた放火された。
これは通信士の三等海尉・・・将校じゃないかと、これも逮捕して。
それを調べていたら、5.27日にまた放火が起きた。

結局、わからずじまい。最初の人は有罪だったが、あとの海尉と、もうひとり逮捕された人は否認して結局わからずじまいだった。

「うみぎり」「放火」でgoogleすると、
http://homepage1.nifty.com/heiwasendan/houkazikenn4.htm
というサイトが出てくる。

新しく作った&追加した、はてなキーワードに関して(関連:沖縄米兵不起訴問題)

私ははじめにはてなダイアリーに入った時は「なんかうるさいなあ。必要なのだけキーワードにできないのか」と思ってたキーワード嫌いだったが、今では全ジャンル、全レベルでのキーワードリンクを受け付ける愛好者。
キーワード作成の数も、格闘家を中心にかなり多いほうだと思います。

で、最初やっていたころの話ですが、始めは辞書みたいなもんだと思って、「なんで一言二言しか書いてないの?辞書の意味ねーじゃん、ちゃんと書けよ」と頑張っていました。「セーム・シュルト」の項目なんかはその名残です(笑)
ところがこのキーワードというのは、用語の意味解説というよりは、日記自体をつなげる意味があったのですね。さすがに1年ぐらいでそれに気付いて、なるほど一行だけでも、はては意味が分からなくても話題を呼ぶものは作ればいいのだ、となっています。
(ここまで前振り)


さて、そこで今回
サードレイプ
というキーワードを作った。沖縄のこの前の事件(と敢えていう)に絡んで、いくつかの(はてな以外も含めて)サイトで出てきた言葉だが、結局厳密な定義は分からない。分からないから作る、という荒業ですが、実際にこれはイデオロギー的な観点の違いもあるので、双方で思うがままに作ればいい。
(これもまた余談。本題はこの下)

それでもボクはやってない」とセカンドレイプについて

もともとこの言葉は「セカンドレイプ」から来た。この定義もまた、いろいろと論争がある。
【参考】
http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20080221/higai#c

ただ、この前放送された「それでもボクは…」が映画館で上映されてた時に、実際の弁護士と話したときの、なんとも気が重い話がある。

あの話の中では、被害に遭った女子中学生(「犯人」として主人公を誤認逮捕(現行犯)して話がややこしくなる)が証人として出廷、検察、弁護人双方から尋問を受けた。

で、本職の弁護士に言わせると、あの映画での尋問は「痴漢犯人はいただろうが、人違いではないのか?」という前提で被告側の質問もあったから、あれでもまだ後味が良かった。
問題は、(今回の沖縄のような)強姦罪、強制わいせつの場合……弁護側は、当然のように「合意があったんじゃないのか?」「意に反してだ、というのは後から言っているだけではないか?」「貴方はもともと異性(同性)関係が派手ではないのか?」というような質問をする、というのだ。
それは没義道ではないか、というと「、それが争点だと感じたらそれを聞かないほうが、被告人の利益を図る弁護士として不誠実だ」「もともと強姦という犯罪のかなり多くが、被害者の意に反してのものか、というところ、つまり内面を問題にせざるを得ない。そこから派生して、日ごろの生活態度、行動なども関係してくる可能性もある」との答えだ。
事実かどうかは確認できないが「判例上もそうなってるんだ」とのこと。


ここで、ひょっとしてマズいのではないか、と思うのは「あんなとこで夜遊びしている女のほうが、全面的に悪い」というような極論(どれぐらいあるのかは知らないが)ならば論外として処理できるが、誠実な弁護士が行うような「合理的な疑い」をさしはさむこと自体(および、それらの見方に準じたり紹介する第三者、ジャーナリズム)が……本質的にその行為そのものが、そのまま「セカンドレイプ」に成りかねないのではないか、ということだ。
そういえばあの「親子殺人」で「死体を暴行したのは性的な意味ではなく、生き返るための儀式」という主張も、死者と遺族へのセカンドレイプだという議論があったはず。


その点で、映画でも出てきた、被害者の顔を隠す衝立などの、裁判所の配慮はたいへんいいことだった。だがこれも、つい最近の話だそうだ。でも原則、裁判の公開というのはそれを含めての公開、顔を隠したいなら法廷になんか出てくるな…というのが本来の理屈らしい。名誉毀損裁判とか離婚訴訟だって、本当なら訴える側が顔や名前を隠したい、というパターンも多いはずだが、それでも痴漢犯罪などじゃないと衝立とかの配慮は少ないそうだ。
性にまつわることは(近代的な法の仕組みの)原則が通用しにくく、例外扱いや論理を外れても仕方ない、という前のエントリはこのへんも傍証になるんではないかな。


と、いうような話を前提にして、議論の分かれる「セカンドレイプ」の項目に、以下の文章を付け加えた。現状の説明と、論理の一貫性には一歩近づいたと思っているが、異論もあるでしょう。キーワードの文面の変化などはあまり目立たないので、関心の高い人への、一応のご報告までに。
【追加部分】
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%a5%bb%a5%ab%a5%f3%a5%c9%a5%ec%a5%a4%a5%d7?kid=172207

また、いかに主観的には被害者に同情的で、犯人を批判することを目的とした報道や接し方でも、その事件が話題にされること自体が被害者にとって苦痛になることや、人権保障のため、原則公開されている法廷で、弁護側が被告人のために行う主張や尋問それ自体が被害者を傷つけることもある。(これに配慮し、公判での被害者側プライバシー配慮は、顔を隠せるなど近年進んでいる)

伊集院光「日曜日の秘密基地」が本年度で終了

ファンは一週間前にとっくに聞いてる話題でしょうが、ちょっと聞きそびれていた。

水道橋博士ブログ
http://blog.livedoor.jp/s_hakase/archives/50480461.html

14時、『伊集院光 日曜日の秘密基地』生出演。
番組10周年のVIPルーム特別企画として、
パーソナリティーの伊集院がゲスト役になり、俺たちがクイズを出題。
あっという間にタイムアップ。

重大発表あり、
10年続いた番組が、3月いっぱいで終了。

自分はラジオを聴く習慣が無いが、日曜日に仕事があり、会社の車に乗ることも多く、その時は時々チャンネルを合わせていた。
ラジオ番組の喋りや企画は本になることもCDになることも時々はあるけど、それでも全部は収録できないだろうし、そもそも本質的に「今、ここ」ならではのものなのだろう。無くなると、哀しいものだ。
だが、本人や会社の意向は兎も角、聴取者が支持したラジオの喋りって、今はなんとかファイルやかんとか動画(音声のみで利用する人も多い)に流れることも多い。
これもまた、今のラジオの一部分だろう。


おいおい、ほんとに沢山あるな
ニコニコ動画の「日曜日の秘密基地」

「天下之記者」まかりとおる!高島俊男の新刊、冒頭の名シーンを見よ

http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20080213#p6
で紹介した高島俊男の新刊が店頭に並んでいる。

「すこししらべて書く日記」でも紹介されているね。
http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20080304/yomitai
まだ自分も読み始めたばかりだが、これまでの高島氏の本と比べると有名中国武将や古典の話でも、言葉や漢字のトリビア、「日本一受けたい授業」的なものでもないから売れ行きは少し悪いかもしれない。

ただ、やっぱり名人級の文章のうまさ、呼吸には酔わせるものもあるし、主人公たる山田一郎、名前の平凡さとはうってかわってなかなか魅力的な人物のようだ。
とくに、冒頭部分がシビレたので紹介したい。
この「天下之記者」とは、豪傑の自慢自賛自己宣伝が、実は今以上に明るく堂々と行われていた明治大正時代らしい、山田の自称かと思っていたのだが…

「天下之記者」とは何か。
この山田一郎という人は、明治時代のなかごろ、どこの新聞社にも所属しないで、全国二十余の新聞に記事を書き送っていた新聞記者であった。当時そんな人はほかにはいなかった。

あるとき、全国各新聞の記者のあつまりがあり、幹事が参加申しこみのはがきをしらべていると、ただ「山田一郎」とのみ書いた一枚があった。この名前にはみな見おぼえがあるが、さて所属はどこであったか。静岡だろう。いや富山ではないか、とワイワイ言っているところへ、たまたま犬養毅(木堂)がはいってきて、「ナニ山田か、山田はネ、天下之記者さ」と即席の妙評、たちまち満場の喝采を博して、出席者名簿には「無所属記者」と記入され、「天下之記者」は以後山田一郎の別称となった。
「無所属記者」は今の語でいえばフリージャーナリストである。「天下之記者」はそれにいささか修辞をくわえたものだと思えばよい。
(p10.一部漢字は新字にした)


ここに浪漫や痛快さを感じますかね。感じませんか。
そういう人は仕方ないのでご縁が無い話ですが、「新政府はみなさんでおやりなさい、世界の海援隊でもやりましょうかな」の坂本竜馬アレキサンダー大王様がなんでも望みをかなえてくれる?じゃあ、そこどいてください、昼寝の邪魔だ」と言い放ったディオゲネス、そして雲のジュウザ前田慶次のような、「自らのほか何もなし」、という、男にとって一番輝く勲章を持った男たちの系譜。
そこに山田一郎氏もつながるんじゃないかなあ、とまだ前半も読んでいないうちから勝手に思っています。