ディドルディドル、猫とバイオリン

2015-02-18

[]2014年の面白かったもの

14年の新作ではありませんがとりあえず『アイカツ!』は挙げておきます。

劇場版アイカツ! 豪華版 [Blu-ray]

劇場版アイカツ! 豪華版 [Blu-ray]

今が流行りのアイドルアニメの一つ。アイカツのイッキ見はこれまでの我が人生でもとくに価値のある行為だったと思います。

児童文学的な教導的性格とギミックに頼らない堅実な作劇の一方で、斧に象徴されるやりすぎ感・どうかしてる感と異質なライブパートの挿入による気分の高揚があり、そして基本一話完結かつライブパートに尺を取られるが故に登場人物が悩んでもドラマまでそれに付き合うことなくテキパキ問題を片付けていくサクサク進行が魅力的だし、個人的に非常に肌に合いました。女児どもがみんな楽しそうに日々頑張っており、良いです。

キャラ格の上げ下げが物語と密接する少年マンガ的な側面も持っているのですが、脇役に至るまでどの登場人物もキャラ格が高く保たれており、どの子についても「いや、こいつマジで凄いんだぜ!?」と激賞できる点も美点です。


こんなものが存在するということが奇跡のような作品。

ソシャゲの原作をなぜか実写ミュージカル化、聖剣に選ばれし王候補が100万人もいるという初期状況からアーサー王同士が内輪もめしたり、諸侯や魔女やマーリンと戦ったりする。古橋秀之野梨原花南をあわせたような感じというとラノベクラスタにはお分かりいただけるであろうか。

各話が正味11分ちょいというごく短いなかで、きちんと話を進めつつ嘘次回予告やブリテン昔話をつっこんでくる超密度と、きわめてちゃんとしたミュージカルであるところが見所。無駄なことやってる余裕はないので描かれるものがいちいち的確で、とりわけ3話や12話は珠玉のごとき大傑作回になっとりますね。でも「魔法があればメンドクサクナイ」みたいなただただ与太でしかない歌も好き。


ガンダム。生意気だけど人好きのする少年パイロットが、へっぽこお姫様にくっついて地上から軌道エレベーターを上ってやがて月、金星まで旅をするけど立ち寄るところ全てで内輪もめしてる話。

ストーリーの牽引力が弱くてやや散漫なところはあるんですが、それと表裏一体で世界の広さが描かれています。

メカと宇宙と歴史と自然と文化と宗教と戦争と政治と恋と野心と失敗と日々のよろこびが、つまりもう世界のほとんどすべてがここにあるのです。あとメカが超クール。

なお並行して『ガンダムビルドファイターズトライ』も見てました。これも非常に面白かったです。


コテージを借りて夏休みを過ごすことになった4人姉妹が薄幸の美少年と4姉妹が遊んで遊んで遊びたおす話。

2005年の作品ですがフィリパ・ピアスアーサー・ランサムのような名作児童文学の風格があります。

装丁も含めてYAエンタメ的なポップさとは距離を置いたクラシカルな雰囲気ですが、一方でとにかくガキどもが遊びたおす話であり、また次女スカイとジェフリー少年の友誼も瑞々しく、たいへんおもしろ楽しい作品であります。


耳刈ネルリ拾遺』『四人制姉妹百合物帳』『アクマノツマ』の3作の同人誌の発表、『後宮楽園球場』のこのラノ5位(新作に限ると1位)、百合物帳の星海社からの出版と、石川博品の話題には事欠かない一年でした。現在は商業用のラノベを2作品手がけているそうです。

百合物帳も良いんですが一番はネルリの短編集ですかねー。「ちいさな耳刈ネルリ」や「双六ネルりの甘美なる敗北」のような何これ本編より本編じゃんって話も好きですし、わけわかんないにも関わらず工夫の効いてる「サンガ組が一着=八高外環ムカデ競争 MUKADE!」も好きです。


なろうの書籍化はニンジャスレイヤーとこの世界がゲームだと俺だけが知っているがおもしろいと申し上げてきましたが、あらたに無職転生と辺境の老騎士がおすすめ作品に加わることになりました。

異世界転生もの。主人公は非常にハイスペックなんですが、そのぶん直面する状況を個人ではいかんともし難いくらい大きくしていて、大河ドラマとなってます。

ヒロインたちのキャラ萌え描写についても、いちいち時間軸方向にロングスパンな関係性から魅力を発生させているところが作品の特徴を生かしていていいですね。

辺境の老騎士 1

辺境の老騎士 1

引退した老騎士が行く先を定めない旅を続けながら、さまざまな人と出会い、揉め事を解決し、その土地のうまいものを食べて、やがて後の世の伝説にうたわれる存在となっていく、みたいな話。

流行りの異世界転生ものではなく、なろうや富士見FよりはCノベルスファンタジアの雰囲気、あるいは佐藤賢一やはたまたデュマの三銃士のような歴史活劇の趣のあるエピック・ファンタジーです。異世界ご飯の描写にめっちゃ力を入れてるのも特徴ですね。


マンガで印象に残ってるのは以下あたり。

セケンノハテマデ(1) (モーニング KC)

セケンノハテマデ(1) (モーニング KC)

ちょっと変わった人たちのちょっと変わった仕事風景、ふと立ち止まった時に見える景色、おしゃれになりきらない地元感あふるる都会生活、恋に発展するかもあやしいちょっとした出会い、つまりこの作者らしい作品です。大好き。

ちひろさん 1 (A.L.C.DX)

ちひろさん 1 (A.L.C.DX)

もと風俗嬢の美人さんが、浮世に生きる人たちのいろんな事情に時に寄り添い時に蹴っ飛ばしみたいな、お涙頂戴にはしないところまで含めてある種の面白さの典型なんですが非常に面白いです。こういうの読んですごく面白いとなんか悔しいですね!

女子どもが3〜4人でぐだぐだしゃべっているのがちょう面白い系のマンガ。吉川さんは単眼系女子でジャンルNo.1にかわいいのではないか。


そのほかですと『僕のヒーローアカデミア』『だがしかし』『子供はわかってあげない』『七ツ屋志のぶの宝石匣』あたりでしょうか。


映画は『オール・ユー・ニード・イズ・キル』ですとか『ゴジラ』ですとか『ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー』ですとか『ベイマックス』ですとか、SF活劇をいろいろ見ましたけどどれも良かったです。


あとはNHKスペシャルの「少女たちの戦争〜197枚の学級絵日誌〜」が良かったです。

http://www.nhk.or.jp/special/detail/2014/0814/

やたら絵心のある小学生たちが綴った絵日誌によってあざやかによみがえる70年前の子供たちの生活と、それを侵食していく戦争の影。名作でした。


継続して面白かったのは『魔術士オーフェン』ですとか『巡ル結魂者』ですとか『この世界がゲームだと俺だけが知っている』ですとか『RWBY』ですとか『ばらかもん』ですとか『まりかセヴン』ですとか『乱と灰色の世界』ですとか『風雲児たち』ですとかいろいろありますが、とくに大型エピソード「ロンゲスト・デイ・オブ・アマクダリ」と並行してトゥーレイトとかサンダーボルトとかの傑作を連発していた『ニンジャスレイヤー』と、ラスボスが至高の負けっぷりを見せつけた『ハチワンダイバー』が印象に残ってます。あとおすすめされて『咲』を読み始めましたがこれもなるほど傑作でした。

2015-02-16

[]不完全な世界の完全なシステム、そして王のUTSUWA/実ミリとガチャクラとアイカツと忍殺とオーフェンとログホラを比較してみる

発表時期が近くて構造が似てる作品を表にまとめてみた。発表年(書籍の発売年)順。ついでにARMSとエヴァウォッチメンも表に当てはめてみた。


 実在性ミリオンアーサーガッチャマンクラウズアイカツ!ニンジャスレイヤー魔術士オーフェン原大陸編ログ・ホライズンARMS新世紀エヴァンゲリオンウォッチメン
都市キャメロット立川市スターライト学園ネオサイタマポワントアキバニューヨーク第三新東京市ニューヨーク
拡散したものアーサーハンドレッドアイドルニンジャ魔術士冒険者キースシリーズ  
聖剣エクスカリバーNOTEしゃもじ&マイクグンバイオーロラサークル ARMSエヴァンゲリオンコスチューム
宰相、システムの管理者マーリン爾乃美家累光石織姫アガメムノンオーフェンシロエキース・ブラック碇ゲンドウオジマンディアス
擬人化したシステムニムエ総裁X アルゴスマルカジット 黒いアリスMAGI赤木リツコ 
若王剣サー、技ーサー、魔ーサー一ノ瀬はじめほか星宮いちごほか マヨール、ヴィクトール、ラチェットログホラ年少組高槻碇シンジ2代目ナイトオウル
幼王コンスタンティン  ラオモト・チバ  赤木カツミ  
騎士ランスロット ジョニー別府ネヴァーモアイシリーン&エッジ直継 葛城ミサト 
先王ウーサー 神崎美月ラオモト・カンチャイルドマン  碇ユイコメディアン
幕臣  スターライト学園教師陣アクシスの十二人魔術学校&戦術騎士団円卓会議 NERV 
諸侯11人の支配者立川市長ほかトップデザイナー暗黒メガコーポサルア市長ほか大地人諸侯   
魔女、もうひとつのシステムモルゴースベルク・カッツェ夢咲ティアラドラゴン・ゲンドーソー、ロード・オブ・ザイバツカーロッタ・マウセン濡羽キース・ブルーキール・ローレンツ 
魔女の末娘モルガン 音城セイラドラゴン・ユカノ  白いアリス&久留間恵渚カヲル2代目シルクスペクター
暗殺者、王国の審判役モードレッドベルク・カッツェ(スカーフ)涼川直人ニンジャスレイヤーベイジット・パッキンガムブリガンティア組新宮隼人加地リョウジロールシャッハ
暴徒の王リエンス王梅田さん三ノ輪ヒカリデスドレインボニー・マギーウィリアム・マサチューセッツ  モーロック
探索者   ダークニンジャ カナミ高槻  
音楽担当ほぼ全員 ほぼ全員DJタニグチ父子 五十鈴   
先住民妖精宇宙人 リアルニンジャドラゴン種族古代種   
超越者/来訪者 J・J・ロビンソン カツ・ワンソー/ザ・ヴァーティゴ神人/魔王典災/航海種アザゼル使徒/アダム&リリスDr.マンハッタン
発端第一次〜第三次戴冠作戦 マスカレードの活躍Y2Kアイルマンカー結界の消失大災害アザゼルとアリスの融合セカンドインパクトキーン条例の制定
戦争相手外敵  キョート共和国革命闘士/リベレーターゴブリン 使徒ソ連

・なにかしらの力の拡散・流出が起きている。拡散した力は一概に劣化品とは言えないものの、本来あった唯一性は損なわれてしまっている。ミリオン化。


・社会を運営し人びとの生存を支えていくためには優れたシステムが必要なんだけど、システムは本質的に非人間的なものなのでいずれどこかで無理が出てひとを殺すことになる。それをやむおえない犠牲と割り切って善意でもってシステムによる支配を推し進めるのがシステムの管理者である宰相。


・宰相のそばにはシステムの一部が人格を持って具現化した存在が控えていることが多い。


・夢と可能性をもった若き王。システムがひとを犠牲にすることを否定するが、システムが必要なこと自体は自明であるため、その理想の及ぶ範囲は存在は限定的・例外的なものにとどまらざるを得ない。逆に言えば理想を奉じてどこまでゆけるか、どれだけの人々・物事を背負えるかという射程範囲がすなわち王のUTSUWA。


・王のUTSUWAの範囲を決めるのが暗殺者=王国の審判役。王国の審判役の存在は王の将来における限界を証明するとともに、逆説的に今現在の王の正しさを保証するもの。


・いずれ必ず人を殺すシステムを用いながら完全性を求める宰相はいずれ必ず人を殺すし、人を殺さないためには完全性を捨てて限界を受け入れなければならない。アーサーの王国はいつか必ず滅ぶ。


・宰相も若王も体制側の陣営を同じくする人間であるが、若王はいずれ宰相と対決する必要がある。


・若王は宰相に反抗してゆくことになるが、幼王は宰相の秘蔵っ子であり、宰相の計画の鍵である。


・王の証が聖剣


・若王・幼王ともに今で未熟であるためとくに戦闘力面でのサポートを行う騎士が側に付く。


・先王と諸侯(と宰相)は若き王との対比としての大人世代であり、乗り越えるべき障害として立ちふさがる。ロングスパンの物語だと彼らはかつての主人公たちだったりする。


・未熟かつ限定的な存在である若王に対する存在として、先王はひとりで万能な存在として描かれるが、しかしひとりで全てを背負うことは不可能であり先王の治世はどこかで破綻している。すでに故人であることも多い。


諸侯は一定の支配領域を持つ地元の有力者で、実力はあるがちょっと考え方が古い。こいつらに認められることが若王の当面の目標になる。


・若王が複数存在する場合もあるが、その場合もその中での首位となる人物は存在する。


・システムの管理者である宰相への対抗者として、代替システムの管理者である魔女が存在する。もともと宰相が状況に応じて味方になったり敵になったりする存在なので、魔女もまた状況に応じて敵になったり味方になったりする。宰相のシステムが現在の世界を基本的に支配しており、魔女の管理するシステムは代替的・副次的なものに留まる。かつて宰相と争って負けてたりとかする。魔女の勢力にも秘蔵っ子はおり強大な力を持つがこれも敵になったり味方になったり。


・暗殺者は魔女の勢力によって生み出され、宰相および若王の所属する体制側のシステムに潜り込んだ存在。しかし独自の意思を持って動くようになり、自分自身で認めた王である若王を支持、また若王が道を誤った時にそれを正す役割につくことに。


・暗殺者は宰相と魔女の両方のシステムを裏切っているので孤独な存在と言える。


・暗殺者は仮面ライダー型のヒーローの変形である。またブギーポップのような世界の機能の一部としてのヒーローであるとも言える。


・基本的に完全な悪役のいない話、それぞれの正義のある話であり、そのぶん正義を奉じない人々、悪漢・パンクス・アナーキストなんかの受け皿として暴徒の王が存在する。そりゃ土地の豪族である11人の支配者からすればリエンスは受け入れられんよ。


・システムは超常の技術が根幹にあるのでそれをもたらした超越者や先住種族が存在することになるし、またそうした世界の謎を探求する人物が配置されることもある。


・ある種の閉鎖世界SFであることも多く、であるがゆえに世界を渡りあるく存在が登場することも多い。


・都市が舞台であり、背景で戦争をしていることが多く、音楽家が重要な地位を占めることもある。


・以上がミリオンアーサーの構造になるんだけど、ミリアサの整理のされっぷりって半端ないので同系統の作品にもこの構造を適用していくことができる。

 おそらくまず力の拡散と宰相、それに若王と暗殺者あたりが重要であり、他のポジションはそれらとの対比で自然と定まってくるものなんだと思う。


・ガチャクラは宰相と魔女が同じシステムとそれに関わる人間たちへの解釈を巡って綱引きをする話だけど、ほかの作品と比べると最少の力がかなり弱く、若王と同じ位置にある。


アイカツは別に活劇でも政治劇でもないけど、アイカツシステムとスターライト学園という体制の存在感が非常に強いのでミリアサ的な構造が発生している。星宮いちごの登場を契機にストイックで頂きには一人しか立つことができない美月的な孤高のアイカツから、多くの有力アイドルが並立する中での要の位置にトップアイドルが存在するいちご的なアイカツへのシフトが起こっていると理解できるし、涼川さんや三ノ輪ヒカリの存在感の強さも納得できる。リエンス王も地下アイドルを目指すべきだった。


ニンジャスレイヤーは暗殺者が主人公であり、宰相はストレートに悪役なんだけど、そのぶん幼王であるチバが非ニンジャでありニンジャスレイヤーによって殺害されることのない位置にある。たぶんチバは最後まで死ぬことなくシステムの肯定的な側面を背負わされることになると思う。あるいはそれが罰の代わりということになるのではないか。


オーフェンでは、若王と暗殺者をマヨールとベイジットとすることもできるが、同時にオーフェンとマヨール、あるいはサルアとマジクと考えることも出来る。またオーフェンを宰相とすると魔女に当たるのはカーロッタもしくはレティシャだが、オーフェン(とその娘の三姉妹)を魔女として大統領邸を体制側のシステムと見ることも可能。これは作中の時間軸にそって登場人物の立ち位置が変化していくため。


・ログホラの場合シロエは宰相か若王か微妙な位置にいるんだけどどっちかってーと宰相の方に近いと思う。んで宰相の立ち位置はヘイトを集めやすいのでシロエ君は早めに若王ないしは真の黒幕を見つけたほうがいいと思う。でないとヘイトが集中して死ぬ。

 ログホラは他の作品より閉鎖世界性が高いので航海種周りのネタがどう展開するのか興味深い。


・比較にとARMSとエヴァウォッチメンも各要素に分類してみた。ただ、根本的なところで黒幕が企んでいる計画が、人類社会を存続させ運営していくためのものではなくて人類をいっぺんに浄化するためのものであるという点で大きな違いがあり、それゆえ発生するドラマも違うものとなる。またARMSやエヴァは作品を構成する要素が非常に多いためミリアサ構造に当てはめてみることもできるが、ARMSの巴武士のように表の中に当てはめる先がない主要キャラクターもいるし、エヴァの登場人物たちは割と無理して表に分類してるので作中での役割は表の要素のみに回収しきれないことが多い。ウォッチメンは王や暗殺者の力が弱くてとりあえずシステムの管理者が勝利しちゃう。

 とはいえ、表にしてみるとARMSは主人公チームの各人に立場・役割の違いとか、シンジとカヲルエヴァ13号機は2wingSだったんやなとかそういうことがわかり面白い。


・というよな与太をtwitterで飛ばしていましたら、構造が似てるんじゃないかという作品として『プリンセスチュチュ』と『Ruina 廃都の物語』の名前が挙がりました。あはとブギーポップ禁書目録がミリアサ構造に当てはまりそうかどうかが気になるです。


・ごく最近だと、『夜ノヤッターマン』はミリアサ構造っぽいですね。主人公は魔女の陣営。ミリオン化してるのはヤッター兵。若王が頼りないのが特徴ですが今後どう発展するのかしらん。


・気になったら見よう。一話で困惑、二話で笑顔になり、三話で真顔になる傑作。

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内戦と外敵の襲来によって混迷を窮めていた大地ブリテン。王の器を計る剣、エクスカリバーに選ばれた者こそが、ブリテンを救う真のアーサー(国王)のはずだった、が・・・なんと、選ばれし者は100万にも及んだ。しかし、それこそはアーサー同士を競わせることで不要な人材を淘汰し、本当の意味で国を治める真のアーサーを選ぶため、ブリテン魔法使いマーリンの立てた計画だったのだ。アーサーをサポートするために創られた騎士ランスロット、妖精フェイとの協力のもと、「アーサー-剣術の城-」の戦いが始まる…。

2015-02-11

[][][]ザイバツ派閥メモ

書籍版ヘルオンアース(下)巻頭でザイバツ位階総覧が発表されました。これによって一部名前が隠れている部分がありますが、ほぼ全てのマスター位階ニンジャが明らかになったわけですね。


掲載されているのはまず名誉位階である懲罰騎士ダークニンジャ四天王パープルタコ・ブラックドラゴン・アイボリーイーグル・レッドゴリラ、執行者メンタリスト、礼拝堂守護ディグニティ。

その下の段に一般のマスター位階にあるアンバサダー・ディプロマット・ゴライアス・ジルコニア・スカベンジャー・チェインボルト・ワイルドハント・デスナイト・トゥールビヨン・ナイトメア・ストーカー・ガラハッド・ノクターン・パラベラム・バンシー・ヘリオン・ランチハンド・コンジャラー・ヴェラー・バードゥン・ペインキラー・サージョン・ブルーオーブ・ジャバウォック・ボーツカイ・ミラーシェード・メイガス・ルーシディティ・クエレブレ・クリムゾンメインの名前が有り、名前が見切れてしまっているニンジャ3名と前述の名誉位階所持者を合わせて計40名となります。


名前が見切れている3名のうち名前の末尾がスで終わるニンジャは、作中に登場した人物に絞るとヘルオンアース(下)に登場したパーガトリー配下のインソレンスが非常に有力な候補。残るには2名はニンジャ名鑑でマスター位階であるとされているヘカトンケイル、カンジ〜でのデスドレインのオミヤゲ・ストリート襲撃に先立って殺害されたと思われる名称不明のマスターニンジャがあてはまるでしょう。

フェルアスリープ〜に登場したモルフェウスも名鑑にマスターと書かれていますが本文中ではアデプトとされており、ザ・ヴァーティゴさんのコメントもあわせて考えるとこれは誤記だったようです。

モータルニンジャ〜に登場したサンバーンとディヴァーラーはtwitter版のニンジャ名鑑ではマスター位階とされていましたが書籍版ではアデプトに降格されていました。

またアラクニッドはザイバツにとって最重要ニンジャの一人ですが、幽閉の身であり位階や役職は得ていません。


ザイバツはロード・オブ・ザイバツを頂点として、最高幹部であるグランドマスター、その下のマスター、一般のニンジャであるアデプト、そして徒弟のアプレンティスからなる位階制度を持っていました。

マスター位階は単純な戦闘能力のみならず、指揮能力や礼儀作法、ワビチャやハイクのワザマエも含めた総合的な能力の高さが求められる実際名誉ある役職であり、そのためマスターニンジャ並みのカラテを持つアデプトニンジャもザイバツには多数存在していました。また、ディグニティ・アンバサダー・ディプロマット・ストーカー・サージョンのようなカラテ以外の面で際立った能力を持ったニンジャがマスター位階として遇されることもあります。合体前提のヘカトンケイルもだいぶ特殊なマスターニンジャと言えるでしょう。


なお懲罰騎士にダークニンジャの、マスター位階にパラベラムの名が有り、逆にグランドマスター位階にトランスペアレント・クィリンの名がないところを見ると、この総覧は第二部開始時点のザイバツニンジャにダークニンジャを加えた時系列上には存在しない一覧であるように思われます。


ザイバツにおける派閥のうちわけ

ザイバツは建前上派閥はないことになっていますが、実態としては本来独立したニンジャ組織をロード・オブ・ザイバツの権威によって無理やりまとめ上げているような状況であり、ネオサイタマで言うならラオモトとゲンドーソーとテツオとアガメムノンとハーヴェスターとアナイアレイターが同じテーブルでお茶を飲んでいるようなものと言えるでしょう。


ともに貴族階級出身だったイグゾーション・パーガトリー・スローハンドの3人のグラマスは関係が良好で、貴族派閥を形成していました。イグゾーションとパーガトリーはマスターニンジャ以外にも数多くのアデプト位階のニンジャを配下としており、貴族派閥はザイバツ内部における最大勢力でした。なおスローハンドの直属ニンジャは少数精鋭だったそうです。

貴族派閥内部での3派閥は、イグゾーションの死後にルーシディティ・ディプロマットらがスムーズにパーガトリー派閥にスライドする程度には交流があるものの、一方でスローハンドがサンバーンたちに指令を出す際にわざわざパーガトリーからのメッセージであるように偽装する程度には壁があり、またイグゾーション派閥のマスターがパーガトリーの腹心メンタリストのゲン・ジツに対抗するための訓練を受けているくらいには緊張感を持っていました。


イグゾーション派閥に属していた事が確定的なニンジャはアンバサダー・ディプロマット・パラベラム・ジルコニア・ルーシディティ。

くわえてイグゾーション派閥はコフーン遺跡での神器発掘プロジェクトを担当していたらしく、そこからトゥールビヨンとメイガスもイグゾーション派なのではないかと思います。


メンタリスト・チェインボルト・ガラハッド・コンジャラーはパーガトリーの指示で動いており、またヘカトンケイルも合体前の3人組はパーガトリー派閥によるムーホン者討伐隊なのでパーガトリー派でしょう。おそらくマスター位階であるインソレンスもパーガトリー派ですね。

またブラックヘイズの雇い主が継続してパーガトリーであったとするならボーツカイもパーガトリー派なのではないでしょうか。


スローハンド派閥は少数精鋭であったとのことで、スローハンド配下として描かれているのはジャバウォックとブルーオーブのふたりのマスターニンジャと、スローハンド派閥であることを隠して汚れ仕事を引き受けているアデプトのバンダースナッチのみ。

加えて、マルノウチ抗争参加者のソーサラーが、ザイバツ側の指揮官がスローハンドかデスナイトかどっちかだと言っており、スローハンド派閥に属していたデスナイトが腰の重いグランドマスターたちの代わりに作戦を指揮していたものと思われます。相棒のバイオイーグルもスローハンド派とつながりの深いヨロシサン製薬によるものではないでしょうか。スカベンジャーもヨロシサン系の研究施設にいて自身の肉体をバイオ改造していたことからスローハンド派閥であるように思われます。開発していたバイオシカ兵士が市街戦用ってあたりも、キョートの警察機構とつながりの深いスローハンド派のやることっぽいですしね。


貴族派閥がザイバツの最大勢力ではありますが、もうひとつの大きな勢力がパラゴンを中心としたキョート城に勤めるニンジャたちです。

ノクターン・ヴェラー・ヘリオン・バードゥンの4人はスローハンドがパラゴン直属ないしはロードの親衛ニンジャであろうと推察しており、そのうちヴェラーとヘリオンおよびゴライアスは名鑑に親衛ニンジャという記述があります。ロードの親衛隊自体がパラゴンの管轄であるようなのでまあみんなパラゴン派という認識でよさそうですね。というかフーンクとしかしゃべれないゴライアスでもマスター位階になれるんですか。

また、キョート城医療エリアの主任であったサージョンもマスター位階ですね。特定のグラマスの派閥に属していたかどうかがわかる描写はありませんが、属していたとしたらパラゴン派でしょうか。


電算機室室長のグランドマスター・ヴィジランスの直属のマスターニンジャストーカーのみ。なおヴィジランスのは以下には電算機室の電脳ニンジャ達の他、ザイバツの秘密に近づきすぎたモータルを始末する専任の掃除屋も存在しました。


ケイビインはキョート城内外を守護する任務に就いていたグランドマスターですが、その配下のマスターニンジャとしてまずはキョート城前庭を守護していたペインキラー。

また礼拝堂守護の名誉位階を得ているディグニティ、それに礼拝堂へと続く通路を守っており名鑑で“守護者”という役職で紹介されているクリムゾンメインとクエレブレの3人も、守護という単語を共通して使用して紹介されているあたり同一派閥のニンジャだったのではないでしょうか。ディグニティはかなり特殊なニンジャなのでまたちょっと立ち位置が違うかもしれませんが。


上記二つの大きなグループに加えて、比較的独立した勢力として、ミラーシェードとバンシーのふたりのマスターニンジャを抱えるサラマンダー派閥が存在します。


またネオサイタマ駐在のワイルドハントは派閥に属していませんでした。


ザイバツ・シテンノの名誉位階にあるブラックドラゴン・パープルタコ・アイボリーイーグル・レッドゴリラの4人も師トランスペアレントクィリンの失脚後は無派閥となっていましたが、うちブラックドラゴン以外の3人は後にネオサイタマからやってきたダークニンジャの指揮下に入ることになりました。


残るマスターニンジャはランチハンド、ナイトメア、それにオミヤゲストリートでデスドレイン一味に殺された名称不明のマスターニンジャです。

ダークドメインとニーズヘグは配下を持っていません。サラマンダーはミラーシェードとバンシーの他に、ヴィジランスはストーカーの他にマスターニンジャを抱えている様子はなさそうなため、派閥に入っている可能性がありうるのはイグゾーション・スローハンド・パーガトリー・パラゴン・ケイビインになります。

手がかりは少ないですが、まずアンバサダーの護衛イグナイトの師であるランチハンドはイグゾーション派閥の可能性が高いのではないでしょうか。

ナイトメアは口ぶりからするとイグゾーション派ではなさそうですし、登場したタイミング的にスローハンド派ならナンシーに構っているどころではなかったはずなので、可能性としてはパーガトリー派・パラゴン派・ケイビイン派のどれかになります。ディプロマットに対する尊大な態度、なぜか韻を踏んで喋る変なキャラクター性からするとパガ派であるようにも思えますがさてどうでしょうか。

オミヤゲ・ストリートをパトロールしていたマスターニンジャは不明な点ばかりですが、職務の内容やアデプト達を率いていたあたり貴族派閥の、なかでもパーガトリー派っぽいものを感じなくもないですね。


twitter版の名鑑ではマスター位階とされていたサンバーンとディヴァーラーもパーガトリー派です。またグラディエイターはジェノサイド捕獲に成功してキョートに移送完了すればマスター位階に出世できたらしい。ブラックヘイズがゾンビニンジャキャバリアーをボーツカイに送り届けていたことを思い出すと、リー先生がらみの任務はパーガトリーの指示によるもののように思えるので、グラディエイターも出世した際にはパーガトリー派の一員となっていたのではないでしょうか。


マスターニンジャの中でも地位が高そうなのは執行者メンタリスト、懲罰騎士ブラックドラゴンおよびダークニンジャ、コフーン遺跡発掘の責任者でマスター位階のメイガスを副官としていたジルコニア、マルノウチ抗争時点のまだやる気のあった頃のデスナイト、名鑑に高位のマスターニンジャと記述されているクリムゾンメイン、ネオサイタマ駐在組の実質的な指揮者だったワイルドハントあたりですね。


2部開始時点での各派閥のマスターニンジャは以下みたいな感じなのではないでしょうか。

イグゾーション派:ジルコニア・ランチハンド・パラべラム・ルーシディティ・メイガス・トゥールビヨン・ディプロマット・アンバサダー

パーガトリー派:メンタリスト・ヘカトンケイル・ナイトメア・コンジャラー・チェインボルト・ボーツカイ・ガラハッド・インソレンス・名称不明マスターニンジャ 

スローハンド派:ジャバウォック・ブルーオーブ・スカベンジャー・デスナイト

パラゴン派:ゴライアス・ヘリオン・ヴェラー・バードゥン・ノクターン・サージョン

ヴィジランス派:ストーカー

ケイビイン派:クリムゾンメイン・ペインキラー・クエレブレ・ディグニティ

サラマンダー派:ミラーシェード・バンシー

ダークドメイン派:なし

ニーズヘグ派:なし

無所属:ワイルドハント・ブラックドラゴン・レッドゴリラ・アイボリーイーグル・パープルタコ

以上39名。


ヘルオンアース開始時点では以下となります。

パーガトリー派:メンタリスト・ヘカトンケイル・ナイトメア・インソレンス・ルーシディティ

スローハンド派:ジャバウォック・ブルーオーブ

パラゴン派:ゴライアス・ヘリオン・ヴェラー・バードゥン・ノクターン

ヴィジランス派:ストーカー

ケイビイン派:クリムゾンメイン・ペインキラー・クエレブレ・ディグニティ

ニーズヘグ派:ダークニンジャ・パープルタコ

不明:ランチハンド

以上20名。半減してます。なおミラーシェードとバンシーはセプクないし拷問死させられるところをダークニンジャによって秘密裏に匿われており、ディプロマットとアンバサダーはヌケニンしてニンジャスレイヤーの協力者となっています。

2部完結時点で生き残ったのはダークニンジャ・パープルタコ・ミラーシェード・ランチハンド・ディプロマット・アンバサダーの6人のみでした。


貴族派閥

グランドマスターの派閥闘争における動きを見てみましょう。


イグゾーション派

イグゾーション派は、所属アデプトのデトネイターがギルド内最有力派閥だったと振り返っています。イグゾーション派は規模も大きいしマスター位階の平均レベルも高く、またおなじく貴族派閥のパーガトリーやスローハンドは積極的に前に出たがるタイプではないので、デトネイターの評価も的を射たものだったのではないかと思います。

またギルドの戦略上非常に大きな価値を持つアンバサダーとディプロマットのポータルの双子を抱えていたことも、イグゾーション派閥の存在の大きさにつながっていた模様です。


イグゾーションは使い捨てにしやすい野卑な下級ニンジャを多く抱えることを好む一方、実際にはニンジャソウル憑依者であろうと下層出身者のことは侮蔑しており、上流階級出身のニンジャソウル憑依者による支配を理想としていました。そのため配下のマスターニンジャは文武両道に秀でているほか総じて高慢さが目立ちます。トゥールビヨンがアッパーガイオン富裕層の出であるほか、ポータルの双子も育ちがよさそうであり、他のマスターニンジャも上流階級出身者が多いものと思われます。

また神器発掘プロジェクトにかかわっているニンジャが多いため、プロジェクトの指揮者としてのマスター位階の側面が強く出ているニンジャが多いですね。


イグゾーション派のパラベラムがロードの不興を買った際にこれを誅殺したのはダークニンジャトゥールビヨンでした。そうした因縁もあってかイグゾーションはダークニンジャに対して強い疑念を抱いており、セキバハラの秘密拠点ニンジャスレイヤーやウミノ・スドを拷問にかけ尻尾をつかもうとしていましたが、実際のところイグゾーションが死んだデスフロムアバブ〜時点でのダークニンジャはサンダーフォージの庵を探しているところであって反ザイバツの企みは特に行ってはいませんでしたし、もちろんニンジャスレイヤーとつながりがあるわけでもありませんでした。しかしヘルオンアースでの最終局面を考えるとイグゾーションの見通し自体は正しかったとも言え、大局が見えすぎるがゆえに現在の状況の理解を誤って結果として死を早めたと言うことが出来るでしょうか。


・パーガトリー派

パーガトリー派閥として登場するニンジャは作中で最も多く、派閥の規模の大きさがうかがえますが、一方で所属マスターニンジャにはカラテのいまいちな者も目立ちます。


パーガトリー派のマスターニンジャはアデプトやクローンヤクザを率いる小部隊の指揮官であることが多く、大規模なプロジェクトの指揮者としてやグランドマスター個人の側近としてではない、中間管理職としてのマスター位階の側面が見受けられます。

パガ派マスターの平均点が低いのも、パーガトリー個人の側近としてではなく一定数のアデプトニンジャの代表、中間管理職としてマスター位階に出世したからであり、そうした数多くのマスターをさらに締め上げるための存在が執行者メンタリストなのでしょう。 

ザイバツのニンジャ統治組織としての側面の代表として、キョートにおける数多くのニンジャ達と彼らの営む奴隷茶園のような非合法ビジネスをザイバツ支配の中に紐づけていくことがパーガトリーの役割であり、そのためのネンコ(年功序列)重視だったのではないでしょうか。


パーガトリーは同盟相手のスローハンドほどには頭が切れるわけではありませんが、それを自覚している、ないしは実際以上に愚鈍にふるまっており、その陰で本来なら敵対相手であるパラゴンと秘密裏に手を結ぶなどの泥臭い立ち回りをおこない最終的に他勢力を出し抜くことに成功しました。直後にザイバツが破滅したわけではありますが。

パラゴンと手を結べたのは、パーガトリーが支配者としてのビジョン・理想のようなものをとくに持ち合わせていないからという点が大きな要因でしょうね。イグゾーションやスローハンドは各々の考える理想の支配体制像があるため、パラゴンのヘルオンアース計画とは相容れない。パーガトリー派はイグゾーション派やスローハンド派と比較してよりザイバツという組織にうまく融合することができていたのではないでしょうか。


その他、イグゾーション死後にはポータル兄弟やルーシディティをはじめとした多くのニンジャを旧イグゾーション派から吸収してさらに自派閥を拡大させ、またダークニンジャがニーズヘグやシテンノと結んで大きな勢力となったことを警戒デスドレインを手引きして休暇中のダークニンジャにぶつけたりしています。


スローハンド派

スローハンドはキョートの警察機構であるケビーシ・ガードに顧問として食い込むほか、トランスペアレント・クィリンの失脚後にクィリンの持っていたヨロシサンとの秘密コネクションを確保して、配下をバイオ改造したりサブジュゲイター開発に関わったりしていました。


ヨロシサンとの秘密裏のつながりは、スローハンドが自身のソウル副作用で通常の1.5倍のはやさで進んでいる肉体の老化を止めるために必要としたものではありますが、スローハンドの構想するザイバツの未来像が摂政スローハンドの指揮下のもとにサブジュゲイターによって管理されるバイオニンジャクローンヤクザたちによる昆虫めいた社会であり、それを我らが採るべき進化とまで言っているあたり完全にヨロシサンに取り込まれています。パラゴンじゃなくてもこいつ早く始末しようって思わざるを得ないのでは。

なおスローハンド配下のマスターニンジャで重度のバイオ改造者であるジャバウォックやブルーオーブやスカベンジャーは、バイオテックが開く未来という理想をスローハンドと共有していたようです。しかしバイオ改造されたものがサブジュゲイターによって支配されてしまうということは、少なくともスカベンジャーは知らされてはいませんでした。


その他、イグゾーション死後にはもとイグゾーション派のアデプトのデトネイターを使ってパーガトリーの地位の失墜を画策していました。一時的にパーガトリー派閥を太らせて最終的に貴族派閥を総取りするつもりだったんでしょうね。またマルノウチ抗争参加ニンジャニンジャスレイヤーに次々に狩られていった際の対応の遅れをアデプトのシーホースに押し付けてカマユデにしたり、マグロ&ドラゴン社にニンジャ強盗団を送り込む手配をしたりなど、根っからの陰謀屋であるようです。


スローハンドがトランスペアレントクィリンにどういった感情を抱いていたのかは気になります。共感なのか憧れなのか嫉妬なのか。


なおマルノウチ抗争には貴族派閥からパーガトリーとスローハンドふたりのグランドマスターが、マスターニンジャはそれぞれの派閥からコンジャラーとデスナイトが参加しています。指揮していたのはデスナイトのようです。

グラディエイターはツェッペリンからの空挺部隊として参加していたと回想しており、どうもポータル転移でのネオサイタマ侵入ではなかった模様ですね。

テンプラ屋を襲った爆炎はサンバーンによるものでしょう。逆にソウカイニンジャではアースクエイクビホルダーがデスナイトから高く評価されていました。

この戦いの後ザイバツとソウカイヤとの間で相互不可侵条約が結ばれるのですが、しかしマルノウチ抗争は戦闘のとばっちりを受けて犠牲となるモータルの中からニンジャスレイヤーを誕生させ、ドラゴン・ニンジャ探索の邪魔となるラオモト・カンを間接的に抹殺するため、アラクニッドの予言に従って起こされたものであり、このことはパーガトリーやスローハンドにも知らされてはいませんでした。


キョート城グループ

貴族派閥がキョートにおけるニンジャの編成という意味でのザイバツの本体であるならば、ロードを頂点としたギルドの秩序の中核であったのが、パラゴンを中心としたキョート城のニンジャたちです。


パラゴンは貴族派閥のグランドマスターからは甘言でロードに取り入った佞臣扱いされていましたが実際はギルド設立当初からの私心無き忠臣であり、アラクニッドの預言とホウリュウ・テンプル書庫に蓄積された古代ニンジャ知識を手掛かりにロードの支配を助け、キョート城を用いた新世界秩序…というか端的に世界征服を目指していました。カラテも周りが思ってるよりかは強い。

パラゴンが憎まれていたのは、本来であればキョートの支配者であるはずのグラマスたちが組織の幹部に甘んじていることでたまるヘイトの感情がロードに向かわぬよう引き受けているという面もあろうかと思います。

またパラゴン配下のニンジャは超堅い前衛とバフニンジャデバフニンジャという強力な敵を複数で囲んで袋叩きにするのに適したラインナップであり、パラゴンがいざとなればグラマスを誅殺できるように準備していたことがわかりますね。


電算機室室長のヴィジランスはトランスペアレント・クィリンの失脚後にグランドマスターに昇格したのでグラマスの中では最も新参となります。

戦闘能力ではほかのグラマスには及ばないものの、ザイバツ組織への貢献度は極めて大きいもので、電算機室はテックに疎いザイバツ上層部の中でネットワーク・セキュリティキョートの経済操作反ザイバツ分子の監視といった過大な職務に日々奮闘、ヴィジランスは職場の屋根裏に住んでいました。配下のストーカーにとっては信頼できる上司だったようですね。

ネオサイタマへの経済攻撃も行っていたらしいですがこれはゲイトキーパーによって阻まれたとのこと。ソウカイヤにはダイダロスもいるしなあ。


ヴィジランスは他のグラマスとは違い、キョジツテンカンホー・ジツの存在とザイバツの成り立ちについてある程度知っているようです。既存の組織がザイバツに組み込まれたのではなく、ザイバツ組織の中で出世し、組織の一部門のトップとしてロードとパラゴンに仕えていたが故の信頼でしょうか。

ニューワールドオダー成った後は何千万ものモータルを電算機室にLAN直結させ24時間体制で秩序を守り続けるぞ、と夢想していました。幸せな奴ですねー。


ヘルオンアースではキョート城のセキュリティシステムの管理スローハンドの告発、およびモーティマーをそそのかしてオムラとキョート軍とを衝突させ、キョート城が十分にモータルの命を吸い上げるまでの目くらましとするなどの役割を果たしました。


キョート城の警備の責任者だったケイビインの配下には、ペインキラーをはじめとしたキョート城前庭を警備していたニンジャ達のほか、城内を巡回しているワッチドッグやレッドクリーヴァーのような自我破壊済みニンジャも存在していました。またケイビインはキョート城の庭師もつとめており、まさしくお庭番衆であります。

クリムゾンメインやクエレブレら守護者のニンジャも決め手にはかけますがケイビイン派閥な気がします。時代がかった雰囲気もペインキラーと共通してますしね。


ケイビインはキョート城守護の役目への責任感が非常に強く、ザイバツの久遠の歴史を誇りとし、ニンジャスレイヤーの侵入を許したときには責任を取ってセプクするつもりでした。あるいはほかのグランドマスターよりも強くキョジツテンカンホーがかかっていたのかもしれません。


その他

サラマンダーはドラゴンドージョーを出奔してキョート入りしたのち、ザイバツのお墨付きを得て鳴り物入りでシャドー・コンに参戦したそうです。一方でブラックマーケットの掌握にも乗り出し、現在はシャドー・コンを主宰する一方でイオンヤクザ組織を支配ドラッグの流通や賭場の管理で多大なマネーをザイバツにもたらしています。配下からはオヤブンと呼ばれてしたわれていた模様。


また古代ローマカラテ協会をはじめとした大小のニンジャ団体とのシャドー・コンを通しての付き合いも重要な仕事だったことでしょう。


おそらくヴィジランスの次に新参のグランドマスターであり、権力の基礎となっているサラマンダー自身のカラテをさらに高めるべくカラテ技の収集に余念がありませんでした。そのためドラゴンドージョーの弟弟子でチャドー暗殺拳を使うフジキドに対して強い興味を示し、またネオサイタマから移送されてきたドラゴン・ユカノの身柄をパラゴンに渡る前に確保したりしていました。ユカノの身柄を抑えていた件は死後にパーガトリー・スローハンドらから非難され、サラマンダー派の主要なニンジャはセプクを強いられることになりました。


というかグラマスは死ぬとだいたい汚名を着せられますね。


サラマンダーはザムラ・カラテのカラダチが使えますが、この技って接近戦でスローハンド相手に超有利なので、グラマス昇格にあたって後押しになったのではないかなーと思います。

ダークドメインは直属の配下を持っていません。ネオサイタマにもひとりで来たそうです。ディセンション以前はヤクザ処刑エージェントだったとのこと。ノーカントリーか的なやつですか。

まあ直属の配下もなにも、本来はザイバツには派閥はないことになってるんですが。


割と普段何やってるのかよくわからないグランドマスターなんですけど、ディフュージョン〜で行ってたのはマスター位階のニンジャの手に余る案件があると出張っていって陣頭指揮してこれを解決するって仕事ですよね。これもひとつのグラマスというもののあり方なんでしょうか。


伝聞なので鵜呑みにしていいのかわかりませんけど、メンタリストの語るところによるとヨゴレニンジャのジャッジメントにディプロマットを襲撃させたのはダークドメインらしいです。自身のネオサイタマ入り後にポータルを使用不可にして、ネオサイタマに独立した勢力圏を築こうとしていたとか。

それを信じるとして、じゃあジャッジメント(の扮装をしたガンドー)に接触したグラッジの正体はだれなんでしょうね。


時系列順に考えると、ガンドー琵琶湖に沈む→ダメインがプリントアウトしたガンドーの写真を見せながらフジキドを煽る→ソイチとガンドーが決着をつける→シージトゥ〜のラストでディープスロートから最初の通信が入る→ジャッジメントに扮したガンドーが数件の任務をこなす→グラッジからディプロマット暗殺の依頼が、という流れ。ダメインが死んでからグラッジが接触してくるまでそこそこ時間が開いてます

ダメインが死んだ後も暗殺の指示だけが生き残っていて、ということもありえなくはないでしょうけれど、基本的にはディプロマット暗殺は他の派閥が計画したことで、暗殺失敗後に既に故人であるダメインに濡れ衣を着せたのだと考えたほうがいいでしょうか。ポータル転移の大きすぎる戦略的価値はどこの派閥から疎まれてもおかしくはないです。


ネオサイタマ駐屯組の実質的な首位はマスターニンジャのワイルドハントでしたが、ワイルドハントさえ使用すると3割の確率で死傷するというポータルをとおってネオサイタマにやってきており公式に責任者というわけではないようです。

マルノウチ抗争の際はふたりのグランドマスターが帯同しましたが、インフレイム後のネオサイタマ急襲と統治はワイルドハント・アンバサダー・デスナイト・ボーツカイの4人のマスターニンジャによる共同作戦。やはりグラマスを長期にわたってキョートから離れた場所に置くのはまずいでしょうか。

ワイルドハントは派閥には無所属。ザイバツ上層部の派閥体質や腰の重さを嫌っていましたが、そのぶん苦労も多かったようです。ネオサイタマ行きにしても、キョートこそ世界の中心と思っているザイバツニンジャ立ちからすればネオサイタマは左遷先であり、部下のアデプトも腕は立つものの素行に問題がある奴が多かったです。

なおワイルドハントがダークドメインを後ろ盾としていたというよな記述もありますが、一方でダークドメインに向けてワイルドハントは初対面のような挨拶をしています。アキュミュレイションでダークドメインが率いたスゴイタカイビル包囲作戦の大部隊を、シージでワイルドハントが再編成して率いたことがマスター位階の分を超えた行為と見なされて、後ろ盾を失ったという表現が使っているのかなーと思います。

マルノウチ抗争と同様、ザイバツのネオサイタマ占領はドラゴン・ニンジャ探索のための拠点の確保のために過ぎず、その隠された目的を果たしたあとはさっさと撤収してしまいました。


ニーズヘグも普段何やってるのかよくわからないグランドマスターではありますけれど、作中で描かれていた任務はオミヤゲストリートへの緊急投入であり、バジリスク「フタツアタマヘビ」という名称のチームを組んでた時代からずっとそういう役割を続けてきた人なんでしょうかね。

アマクダリ幹部と比較すると、ダークドメインスターゲイザーと、ニーズヘグがスパルタカスと近いポジションであると言えるかもしれません。

同門で相棒だったバジリスクは、ヘルオンアース(下)の表には名前が無いものの、2部開始以前のバジリスクがザイバツをヌケニンする前の時点にはマスター位階だったとしてもおかしくないと思います。


二部前半は派閥を作っていませんでしたが、その後ダークニンジャおよびシテンノの後ろ盾となり、ヘルオンアースでのムーホンの際も行動を共にしました。ダークニンジャがニーズヘグにかけた誘い文句は「俺が構えるイクサは、ロードが起こすイクサより遥かに邪悪で大きいだろう」でした。戦闘狂ですねえ。


かつてグランドマスター位階の地位にあり後に失脚したトランスペアレントクィリンは、ヨロシサンとのコネクションを持ち、弟子のシテンノたちにそれぞれバイオサイバネの移植をさせ、自身も全身透明という常軌を逸した人体改造強度を誇ります。

またヴィジランス以前にキョート城のセキュリティシステムを管理していたのもクィリンであり、それゆえ秘密裏にキョート城のなかにヨロシサン用の秘密トンネルを建造することが可能でした。

弟子4名をシテンノという名誉位階に押し込む政治力はかつてのクィリン派閥の権勢を感じさせますが、あるいはシテンノはクィリン派閥からもやや独立した位置にあって、それゆえに師の失脚後も地位を失わなかったのかもしれないと思います。


ザイバツ・シテンノはクィリン失脚後はどこかの派閥に属することなく無所属となっていました。ブラックドラゴンが懲罰騎士の地位にあり、アイボリーイーグルが拷問吏、レッドゴリラが武装シンカンセン警護の任務に就く一方で、デスド一味のオミヤゲストリート襲撃など戦力が必要な時に緊急で投入されるポジションでもあったようです。

シテンノの四人は仲間意識が非常に強く、ブラックドラゴンが死んだときは弟子のシャドウウィーブをパープルタコが引き取ったりしていました。


ダークニンジャはソウカイヤを抜けてキョート入りした後、ソウカイヤのキョート潜伏班を壊滅させて信頼を得てザイバツ入り。この際ダークニンジャの監視についていたのはミラーシェードでしたが、パーガトリー派やスローハンド派はマルノウチ抗争でダークニンジャと因縁があるためサラマンダー派のミラーシェードが選ばれたのでしょう。

その後はトゥールビヨンとともにパラベラムを討伐、そのままマスター位階ですらないのにトゥールビヨンを副官としてアンダーガイオン十三階層地盤ぶち抜き計画を指揮しています。このへんの、ザイバツの位階システムをすっとばした出世の仕方は不可解なんですが、とはいえ他のグランドマスターたちもヴィジランスを以外は地道に出世したのではなく、周りからグランドマスター以外ありえないと思わせて問答無用でグラマスになったんだろうなあと思います。

その後、デスドレイン一味のオミヤゲストリート襲撃に対処した功績で、ブラックドラゴンが死んだ後空位になっていた懲罰騎士の地位と聖なるガントレットの使用の許可、ホウリュウ・テンプル書庫の古代ニンジャ知識へのアクセス権を得ました。

またオミヤゲストリートで共闘したことがグランドマスター・ニーズヘグやシテンノと親交を深めるきっかけともなり、この突如出現した有力派閥はとくにパーガトリーとの間に確執を生むことになりました。

しかしダークニンジャの真の目的はあくまで折れたるベッピンを鍛え直すことと、己の運命と対決するための知識を集めることであり、最終的にはキョート城を誤った方法で使おうとするロードに対してニーズヘグやパープルタコ、それに元サラマンダー派閥のミラーシェードやバンシーとともにムーホンを起こすこととなるのでした。


まとめとその後

派閥視点からの第二部の主要なトピックはパラゴンのネオサイタマ政策とイグゾーションの死、ダークニンジャ派閥の形成、それにヘルオンアース。イグゾーションの死後、パーガトリーは旧イグゾ派を自派閥に吸収する一方、スローハンドはパーガトリーの追い落としを画策して一挙総取りを狙っていました。


ザイバツ組織の内部には本来のキョートの支配者たちである貴族派閥と、ロードの下の秩序の中核としてのパラゴン・ヴィジランス・ケイビインのキョート城組があり、やや規模の小さい勢力としてキョートのヤクザ組織を支配していたサラマンダー派閥、そこに新たな有力派閥としてダークニンジャ派閥が加わることになりました。


他のグラマスと違い成立後のザイバツ組織の中で出世してグラマスとなったヴィジランス、ザイバツの歴史を頭から信じ込んで忠義を尽くすケイビイン、支配者としてのヴィジョンをとくに持たないパーガトリーはパラゴンのヘルオンアース構想に乗れますが、上流階級出身のニンジャによる支配を理想とするイグゾーションや、バイオ改造されたニンジャたちをサブジュゲイターで管理する昆虫めいた社会を目指すスローハンドはパラゴンとはどうしたって相容れなかったでしょう。というかスロハンはヨロシサンに取り込まれすぎでは。


ヘルオンアース後、崩壊したザイバツ組織はダークニンジャのもとに再編されました。ニーズヘグ・パーガトリー・パープルタコ・ミラーシェード・ランチハンドがこの新ザイバツに所属し、またネクサスをはじめとした新顔のニンジャやこれまでのザイバツでは評価されなかった無骨もののベテラン、いきのいい若手のニンジャもいるものの、さすがにその規模はかなり縮小されています。かつてのザイバツと比較してより実力主義の組織になっているのが特徴ですね。異次元を漂うキョート城がニンジャスレイヤーの物語の中に再び登場する日はいつになるのでしょうか?

2014-10-05

[][]ログ・ホライズンニンジャスレイヤーを比較してみた

 ログ・ホライズンニンジャスレイヤー
超人冒険者(PC)ニンジャ
非超人大地人(NPCモータル
そもそものきっかけ大災害(MMORPGの現実化)Y2K2000年問題)を発端とした電子戦争とニンジャソウル憑依現象の加速的増加
東の大都市アキバネオサイタマ
東の大都市の統治組織円卓会議ソウカイ・シンジケート/アマクダリ・セクト
東の大参謀シロエゲイトキーパー/アガメムノン
東の大参謀の庇護下にある子供トウヤ/ミノリラオモト・チバ
反社会的人格者デミクァス/ロンダークニンジャスレイヤー
非超人の協力者レイネシア/リ=ガンナンシー・リー
転化者ルンデンハウス=コードシャドウウィーヴ
ミュージシャン五十鈴DJゼン・ストーム/ニスイ・タニグチ
ファストフード軽食販売クレセントムーン無人スシ・バー
産業の担い手生産ギルド暗黒メガコーポ
世界の秘密に迫る独立勢力カナミとゆかいな仲間たちフジオとゆかいな仲間たち
西の大都市ミナミキョート・リパブリック
西の大都市の統治組織Plant hwyadenザイバツ・シャドーギルド
西の象徴君主濡羽ロード・オブ・ザイバツ
北海道の都市ススキノドサンコ・コロニー

・善悪が反転している箇所が多い

・ファンタジーとサイバーパンクというジャンルの差こそあれ、ともに異世界化した日本を舞台としている。日本が舞台であることで読者が異世界へ入りこみやすくなるだろうし、テーマやメッセージの迫真性を強化する効果もあるだろう。またそもそも、皮膚感覚から理解できる異世界描写はラノベファンタジーでしばしば追求されてきたものである

・両作とも関東と近畿の中心都市が突出して発展しており、ほかの地域は荒廃している。

・異世界化した世界を舞台としていることで、こんな世界は間違ってるという感覚が導かれる。このへん閉鎖世界→http://d.hatena.ne.jp/hatikaduki/20080428/1209400133と似てるんだけど、ログホラや忍殺には女神的な存在はいない

・前提としての世界が間違っているために、その世界におけるヒーローは腹黒メガネや狂人といったダークヒーローになりがちなのかな

・ログホラはデミクァスやロンダークそれぞれのその後の行く末については、作者の問題提起とそれを消化しようとする意思は感じるし、そこにはとりあえず侮蔑されるべき者の喩えとしてマケグミ・サラリマンをもちだすようなベッタベタな邪悪さはないんだけど、それでも作品を成立させるために結局はそいつらを小者として描かざるを得ない。いっぽうで忍殺もゲイトキーパーやアガメムノンをわかりやすい悪者として描写せざるを得ず、故に原作者は作品を「理想的なディストピア」と語り、あなたの親や上司はニンジャではないので殺してはならないと釘を刺す。それは作品の限界ではあるけど、そもそも別にそれが作品の主眼ではないのでそんなとこに深入りせず浅く触れるにとどめるのが正解である

・深入りすると『ウォッチメン』のオジマンディアスとロールシャッハになるけど、ログホラも忍殺も別にウォッチメンではない

・イン殺さんのウォッチメンの紹介→http://kill.g.hatena.ne.jp/xx-internet/20090613/p1

・エンタメ作品におけるテーマは、レイヤーの違う読み筋を用意することで作品の面白さに交響楽的な奥行をもたらすために存在するに過ぎない。ただしテーマを面白く語るためには一定のマジさが必要ではある

・ログホラはシステムの善の側面を奉じて個人には自己変革と連帯を求める。システムによってもたらされる幸福ってのはつまりメシと金と家だ。忍殺の作者は二人組だけど、比較的マッチョで自己変革寄りなボンドはシステムに囚われた人々の目覚めと闘争をかっこよく描き、よりセンシティブなモーゼズは弱者や敗残者に寄り添う姿勢を示す、ように思われる。とはいえ互いが互いに影響を与えあっているだろうし、また二人とも理不尽への怒りと努力(カラテ)の積み上げを尊いものとしている

・ログホラは思いっきりゲームだけど忍殺もTRPGの影響の感じられる作品ではある。NPCの自立と逆襲という物語はニンジャスレイヤーにおいてはカブキ・コムが担う気がするけど今のところよくわからない


魔術士オーフェンの原大陸編は、魔王たるオーフェンが勇者たるクリーオウやマジクと手を取り合って、物語の終わったその先の世界でより良い社会を目指してまおゆうしてみたところ最終的に出来上がったのがソウカイ・シンジケートであることに苦悩する話とか言えるかな。オーフェン=ラオモト・カン、マジク=ダークニンジャ、エド=インターラプター、クレイリー=ゲイトキーパーって感じ

・忍殺は第三部になってニンジャがわりと社会化された存在として描かれるようになったのでオーフェンと比較しやすくなった気がする

・短編集楽しみです

・というかエンターブレインソフトカバーは面白いの多いですよ。世界が間違っていることを前提にその異常なありようを活用しながらサバイバルするある種のマタギみたいな主人公を軽快に描く『この世界がゲームだと俺だけが知っている』や、登場するのはNPCのみのまあつまりは正統派エピック・グルメ・ファンタジーである『辺境の老騎士』の2作はめちゃめちゃ面白いし、あとは魔王ルートを邁進する『オーバーロード』もなかなかです

2014-07-17

[]好きラノ 2014上期に投票

のうりん 8 (GA文庫)

のうりん 8 (GA文庫)

【14上期ラノベ投票/9784797376579】

四天農メイン巻なので面白くならないわけがないです。


【14上期ラノベ投票/9784040662206】

あこがれのお姉さんや幼馴染など、萌えが時間方向にロングスパンなのが特徴。エロい。


辺境の老騎士 1

辺境の老騎士 1

【14上期ラノベ投票/9784047293656】

海外ファンタジー児童文学の古典を読んでるような気分になります。


【14上期ラノベ投票/9784047294929】

安定。外伝も良いです。


【14上期ラノベ投票/9784047293625】

ノンストップアクションと探偵の再起。TRIGGERで来年のアニメ化も決まりましたねー。


【14上期ラノベ投票/9784864722292】

祝完結。まだ短編集が出るらしいので期待。


【14上期ラノベ投票/9784906878307】

異世界での日常。表紙がまたよいです。