ミハイル・バフチンその人というよりも、バフチンの提唱をする「ポリフォニー」の概念にひたすらに興味があって、それはバフチンという提唱者が邪魔におもわれるまでに、拘泥をしてしまう、そうした私の興味のあり方をしているのであった。 音楽を骨董品のように蒐集をして聴く習慣は、MD(いまとなっては現物をみせてもフロッピーディスクと見まがわれてもしかたのない代物であるが)でIDMを取り寄せて聴くことから、明確に、はじまった。デジタルの音楽がデジタルの海、インターネットなどというものに溺れていたわけではなく、まだモノのかたちを一回的にとっていた頃の話であり、当然、それは今となっては希有なことであった、信じがた…