もしタイムマシンがあったなら、この時代からやり直したい。その最有力候補が、大学4年生、23歳である。振り返ってみれば、あの時の選択が生きざまの分岐点となっている。人生をやり直したところで、僕は愚かにも同じ選択をしてしまうのだろうけれども……。2003年4月からの1年間、何があったか、思い出してみたい。 最高学年ともなると、朝から晩まで大学にべったり、ということもなくなっていた。その程度には、快調に単位を取り終えていたのだ。べつに家にこもって映画を観たりしていてもいいのだが、あの緑麗しいキャンパスから離れるのは寂しいもの。何かと理由を付けては、メロユニの部室を中心に学内に参上していた。 この年、…