山口出身の作家、1950年生まれ、立教大学卒 1990年に「乳房」で第12回吉川英治文学新人賞受賞、1994年に「機関車先生」で第7回柴田錬三郎賞を受賞、1992年に「受け月」で第107回直木賞を受賞 伊達歩の名で作詞家としても活躍し、近藤真彦に提供した「愚か者」で日本レコード対象を受賞している。
週刊文春では、「悩むが花」の悩み相談コーナーを担当。読者に一喝しては、感心して自分の考えを綴っている。中学生から社会人、お年寄りまで、幅広い年齢層の読者が投稿中。
大人の流儀 12 またどこかで 伊集院静講談社 2024年11月20日 第1刷発行*初出:『 週刊現代』 2017年6月10日号~2023年9月30日・10月7日号。 単行本化にあたり 抜粋、修正をしました。 2023年に亡くなった伊集院さんの大人の流儀シリーズ。本シリーズを読んでいたわけではないのだけれど、何かで本書の紹介をみかけ、一冊くらい読んでみようかと、最後の一冊と言われている本書を図書館で借りて読んでみた。 伊集院さんは、1950年山口県防府市生まれ。 72年 立教大学文学部卒業。小説家、作詞家、活躍の舞台は挙げればきりがない。近藤真彦さんの「ギンギラギンにさりげなく」「愚か者」など…
またどこかで 大人の流儀12 作者:伊集院 静 講談社 Amazon あらすじ 国民的ベストセラー「大人の流儀」シリーズ最終巻!伊集院があなたに贈る最後の言葉ーー数えきれない出逢いと別れを経験してきた作家が死の直前まで書き綴ったラストメッセージ。 人間は皆が強く、逞しい生き物ではないが、弱々しくて、くじけてばかりいる生き物でもない。踏ん張りきれないように思えても、そんなに簡単にはこわれない。人間の身体には、そういうものが備わっているのだ。”人々はいろんな事情をかかえて、それでも平然と生きている”ーー伊集院静 読後感想 以前読んだ本書シリーズ大人の流儀で伊集院静は週刊誌で上から目線で人生相談に載…
◯現代昭和歌謡がつなぐ!日韓 クローズアップ現代クローズアップ現代昭和歌謡がつなぐ!日韓 NHK1/6 <昭和歌謡がつなぐ日韓“文化交流”新時代 韓国のテレビで日本語の曲が流れました。 韓国で日本の歌謡曲が人気を集めています。 きっかけは2024年4月に放送された歌番組。 テレビでタブー視されてきた“日本語の歌”を放送し、平均の2倍以上の高視聴率を得ました。韓国の歌番組に出演した近藤真彦さんに密着。日本歌謡を愛する人々や架け橋となってきた歌手キム・ヨンジャさん。日韓をつなぐ“歌のチカラ”に迫ります。> 昨年4月韓日歌王戦で日本語の歌の放送がされて、 「ギンギラギンにさりげなく」が、 作詞の伊集…
「いねむり先生」原作:伊集院静 漫画:能條純一 出版社:集英社 ブックオフで見つけた「いねむり先生」の漫画。 ばらばらで販売されていたので、4巻まで集めるには相当時間がかかりました。 伊集院静氏の小説「いねむり先生」は未読でしたが、この漫画は伊集院静氏らしさを存分に表現されていたと感じましたね。 色川武大氏との出会いから出来事を書いた内容ですが、色川氏の独特のギャンブル好きな性格や作家としての才能、ナルコレプシーなる奇病等が読者を飽きさせることなく描かれています。 また、色川氏の行動を嫌がることなくギャンブル旅を共にする伊集院静氏の姿も違和感なく描かれているところもいい。 作中には、井上陽水氏…
エッセイといえば、伊集院静が好きだった。週刊文春に連載されていた「二日酔い主義」をまとめた文庫本。 一日家に帰らないと言い訳を考え、二日目は怖くて帰れなくなり、三日目には「よし、離婚してやろうじゃないか」と開き直ってとうとう帰るという、どうしようもない生活が淡々と書かれてあったりする。 そうとうの酒飲みで、また競輪が大好きで、そうとうの額を負けていたらしい。 下田治美の「ぼくんち熱血母主家庭」(講談社文庫)、エッセイではないが自伝的小説「愛を乞うひと」(角川文庫)も面白かった。母主家庭とは、母子家庭なのだけど、文字通り母としての主導権を圧倒的に振るい、ひとり息子のリュウ君を育てて行く物語。「愛…
それでも前へ進む (講談社文庫 い 63-31) 作者:伊集院 静 講談社 Amazon あらすじ 追悼・伊集院静。2000万人が泣いた伝説のエッセイ、待望の文庫化!めぐる季節とともに思い返す、家族、友、仕事、人生――。誰よりも多くの出会いと別れを経験した著者だから語れる、優しさに満ちた魂のメッセージ。JR東日本の車内誌「トランヴェール」の歴代人気No.1連載「車窓に揺れる記憶」に加え、3.11後のこの国の風景を語った特別エッセイ、角田光代、池井戸潤、中島京子、朝井まかて、塩田武士、加藤シゲアキの6人による追悼エッセイを特別収録。 230万部突破の国民的ベストセラー「大人の流儀」シリーズに連な…
8/28-8/30でシンガポール出張。シンガポールは新婚時代の妻とのJALパック旅行から始まり、あとは短い出張ばかりですが、6回目くらい。35年をかけてなので、訪うたびに違う姿を見せてくれる街です。 新婚時代のツアー旅行では植物園やセントーサ島、マーライオン公園など名所をバスで周りました。植物園はわかりませんが、セントーサ島は全く昔とは変わったようですし、マーライオン周辺も前回行った時に立ち寄りましたが、全く変わっていました。マーライオン自体は同じだとは思いますが。。 街の中は高層ビルが立ち並び、観光地ではなく、国際的なビジネスの街、勢いのある若者が足早に行き交う雰囲気です。関東のこの夏に比べ…
飲む打つ買うの三拍子が揃った不良中年と、白血病を患った恋女房との、美しくも哀しい恋愛譚。伊集院静の自伝的短編の映画化で、渋い演技で人気の名脇役・小林薫が色気全開で主演した。 (神保町シアター) 監督:根岸吉太郎 出演:小林薫/及川麻衣/竹中直人/戸川純/金久美子/滝沢涼子 清潔な映画だった。 ちゃらんぽらんな生活をしていた小林薫を一途に愛する若い妻。しかし彼女は病に。 さまざまな妻との思い出が挟まれながら、妻が治るという希望を捨てることのできない小林。 短く、最後観ているものに委ねられる。いい短編を、誠実に映画化した。 小林薫の弟分? な竹中直人、そしてなんでも小林に頼ってしまう竹中に不満な妻…
少し前、思い40にも書いたのですが先月は伊集院静著「海峡」が読書会での課題本でした。 www.shinchosha.co.jp その関連で先月末、知人から2010年に出された「オール読物」特別対談「父と母から受け継いだもの」(2010年9月号)のコピーが送られてきました。姜尚中氏と伊集院静氏の対談です。 https://www.fujisan.co.jp/product/1281679612/b/428743/ じっくり読んでみて終末の見出し「文学の力を信じて」の部分には強く、引き付けられました。その中で姜さんが「社会科学者の言葉は、今やごく少数の人にしか届かないジャルゴンだからです。」とあり…
この夏は昨年11月に亡くなられた伊集院静さんの本を読んでいます。いかにも小説家っぽく、かっこ良い人で本屋で立ち読みするのも、なんとなく照れ臭く感じ、今まで全く近寄らない作家の一人でした。 ところが、NHKの番組「あの人に会いたい」を最近見て、読んで見ようと思いました。 人気女優だった奥様と死別された後の落ち込んだ時期に色川武大さんと出会い、その優しさに癒され、徐々に立ち直ったいきさつを自伝的に書かれた本が「いねむり先生」であると番組で知りました。本の中で、先生はポツリとひとり言のように「人は病気や事故で死ぬのではないのです」と呟く場面に心撃たれました。死はそれぞれの宿命であると。 お盆に帰省し…