作家、小説家、エッセイスト。本名同じ。1929年(昭和4年)生まれ、東京都出身。 退役軍人の父のもとに生まれる。戦後数年間、博徒として生活。編集者業を経て小説家へ。 小説家としては、阿佐田哲也という別名も持つ。 晩年は多くの持病(特にナルコレプシー)に苦しんだ。1989年(平成元年)、死去。
私小説的な色合いの濃い純文学が主。 他、「うらおもて人生録」「私の旧約聖書」など、エッセイ集もいくつか発表している。
『麻雀放浪記』を阿佐田哲也のペンネームで書き名が売れた。その後、本名の色川武大で純文学を書き始めた。『離婚』で直木賞を受賞している。安吾、太宰よりは少し若いが、彼ら「無頼派」と呼ばれる連中に連なるとして「最後の無頼派」などと称されることもあった。しかし、先人の無頼派はどこか覚悟、悲壮感が感じられるが色川にそれはない。ずるずると安易な方へ流れてゆき、さしたる覚悟も自覚もなく自堕落な暮らしに嵌ってゆく。そこにはそれほどの精神的葛藤も苦悩も感じられない。それは色川の寄るものを拒まず受け入れる人間性があるのだろう。伊集院静が晩年の色川の競輪旅に着いて回ったのもそれだろう。 本作は作者20歳前後の頃交渉…
中公文庫 1991年 無宗教の色川氏が文物として旧約聖書を読み、 解読していく。旧約とはイェホバさんに関わる ことが描いてあるらしく、イェホバさんとは 造物主で全ての生きとし生けるものをおつくりに なった神らしい。と、ぼくはクリスチャンかと 云うと、まったくそんなことはなく、ぼくも 色川氏と同じ無宗教だ。ただ、最近はヨーガの 思想に染まりつつあるけど。色川氏は突然、 眠っちゃう病気があったり、激しい幻視に悩ま されていたらしいので、どうしても、スピリチュアル な世界に入り込んでいくのが必定となっていく ようであり、ぼくもヨーガに行くのは、定めら れていたように思う。あなたをつくったのは、 造物…
この僕のブログは自分の思考実験の発表の 場だと思っている。僕の小説などの 作品は人に読まれていないものが、たくさん ある。しかし、僕はあまりプロになることば かりに拘っているわけではない。兎に角、 自分で納得出来るいい作品を書きたいと云う 想いが強い。と云うわけで、僕は、人に読 まれたことがあまりないこと故、自分の作品 の立ち位置が良く分かっていないところがある。 まあ、長生きしてれば、そのうちに、僕の作品 も人に認知されることも、あるいは、あるかもね。 最近、考えてるのは、カッコいい、とはどういう ことだろう、と云うことだ。答えは、多分、スマ ートな気の遣えるおとなの男になる、と云う ことだ…
「虫喰い仙次」所収。 1986年 こういう短編は、一気読みしたほうが正解 なようだ。虫喰いみたいに読んだせいで、 元々解らない文章が一層分からなくなっ てしまったようだ。 どうやら、祖父が生き返った幻覚が視えていて、 それがどうやら威張ったりするようだ。 ただ庭を掘り返す様は、石井ショウゴ(ショウゴ ・漢字分からず)監督の昔、テレビ東京の深夜で よくやっていた映画、「逆噴射家族」を彷彿とさ せるな、と思った。 もしかしたら、モチーフのひとつになっている のかも知れぬ、いや、違うか。 だから、幻覚の夢と現実が入り混じり混沌として 一種のカオスとなって、ひとつの作品を形成し てゆくことになる。 色…
色川武大の著書『怪しい来客簿』収録の「空襲のあと」を読みました。 エッセイのようでありながら私小説のようでもあり、そしてマジックリアリズム文学のようでもあるなんとも不思議な作品です。 度重なる空襲で焼夷弾が降り注ぎ家々が燃え盛る大戦末期の東京、罹災し家を失った人々は空襲の被害から免れた親族や知人の家に居候するようになり色川少年宅にも罹災者たちが来客として詰めかけるようになります。 色川少年は中学を無期停学となり空襲の被害見物に出かけ帰宅し暗い客間を通る際に何かを踏みつけます。 踏みつけたのは婆さんの顔でした。 この婆さんは名前はウメといい色川少年宅に居候しているYさんが飼っている婆さんであり、…
「いねむり先生」原作:伊集院静 漫画:能條純一 出版社:集英社 ブックオフで見つけた「いねむり先生」の漫画。 ばらばらで販売されていたので、4巻まで集めるには相当時間がかかりました。 伊集院静氏の小説「いねむり先生」は未読でしたが、この漫画は伊集院静氏らしさを存分に表現されていたと感じましたね。 色川武大氏との出会いから出来事を書いた内容ですが、色川氏の独特のギャンブル好きな性格や作家としての才能、ナルコレプシーなる奇病等が読者を飽きさせることなく描かれています。 また、色川氏の行動を嫌がることなくギャンブル旅を共にする伊集院静氏の姿も違和感なく描かれているところもいい。 作中には、井上陽水氏…
<当ブログはアフィリエイト広告を利用しています> P+DBOOKSさんから出ている「街は気まぐれヘソまがり」オヌヌメ。 いやね、色川武大ってだれ?エッセイ??読んだことないよ??って方は面白くないかもしれないから、もし読むなら同じレーベルから出ている「オールドボーイ」とか「虫喰仙次」をさいしょによむのがおすすめ。(こちらは小説です) PD+BOOKSさんは巻末に他に発売されてる本の紹介を入れてくれるのがたすかる。次なに読もうかな~と悩むなら、ココ見ればよさげなタイトルを嗅ぎ分けて買えるから(たぶん) ちなみに昭和初期を全然知らない世代の私でも「昔の日本の雰囲気が知りたい! 戦後のゴタゴタってど…
うらおもて人生録(新潮文庫)作者:色川武大新潮社Amazon再読中。太く短く生きた色川武大(阿佐田哲也)の人生についてのエッセー。こういう外部の考えが混じっていない天才肌の人生哲学って大抵面白い。無頼派の作家ってだいたい早逝する。中嶋らもとか西村賢太とかたくさん。育ちが悪いのに頭が良く生まれたばかりに結局押しつけられるように名声を得てしまう天才が好きだ。無才の僕には彼らは形而上の存在ですらある。生身の本人が目の前にいたら、実年齢より老けた不気味なオッサン達なんだろうけどね。
眼鏡堂書店の蔵書より、独断と偏見に塗れた”もっと読まれてもいい本”を紹介しつつ、全力でニッチな方向へとダッシュする【眼鏡堂書店の本棚】。 私生活や仕事柄様々なことが立て込んでしまい、ずいぶんとご無沙汰していた印象があるのですが、皆様お変わりないでしょうか? さて、今回紹介するのは、色川武大の直木賞受賞作『離婚』です。 離婚/色川武大 なお、眼鏡堂書店的には短編『永日』を課題図書とした読書会を開催しています。 その模様がコチラ↓↓ glassesbookstore.hatenablog.jp さて。 色川武大、という作家には大きな二面性があります。 本名名義では純文学を執筆。デビュー作の『黒い布…
『丹羽文雄作品集』全九巻〈八巻+別巻〉(角川書店、1957) 文学史にも芸術論にも、時局にも世相にも関心が失せた晩年には、丹羽文雄作品を読んで過すのがよろしいのではないかと、思っていた時期があった。生立ちや家族の宿命も、男女関係の底なし沼も、超克や救済への祈りも、揃っていた。 どうやらさような時期は到来しそうもない。心境至るより先に、眼が弱り脳が弱り、読み通せそうもない模様となってきた。 西鶴を中心とする江戸文学のご講義を授かった暉峻康隆教授は、学生時代は丹羽文雄と同級で、語らっては同人雑誌発行を企てる間柄だった。ご講義の脱線余談ではしばしば、「当時、丹羽君は~」と懐かしげにおっしゃった。「に…