作家、小説家、エッセイスト。本名同じ。1929年(昭和4年)生まれ、東京都出身。 退役軍人の父のもとに生まれる。戦後数年間、博徒として生活。編集者業を経て小説家へ。 小説家としては、阿佐田哲也という別名も持つ。 晩年は多くの持病(特にナルコレプシー)に苦しんだ。1989年(平成元年)、死去。
私小説的な色合いの濃い純文学が主。 他、「うらおもて人生録」「私の旧約聖書」など、エッセイ集もいくつか発表している。
色川武大の著書『怪しい来客簿』収録の「空襲のあと」を読みました。 エッセイのようでありながら私小説のようでもあり、そしてマジックリアリズム文学のようでもあるなんとも不思議な作品です。 度重なる空襲で焼夷弾が降り注ぎ家々が燃え盛る大戦末期の東京、罹災し家を失った人々は空襲の被害から免れた親族や知人の家に居候するようになり色川少年宅にも罹災者たちが来客として詰めかけるようになります。 色川少年は中学を無期停学となり空襲の被害見物に出かけ帰宅し暗い客間を通る際に何かを踏みつけます。 踏みつけたのは婆さんの顔でした。 この婆さんは名前はウメといい色川少年宅に居候しているYさんが飼っている婆さんであり、…
「いねむり先生」原作:伊集院静 漫画:能條純一 出版社:集英社 ブックオフで見つけた「いねむり先生」の漫画。 ばらばらで販売されていたので、4巻まで集めるには相当時間がかかりました。 伊集院静氏の小説「いねむり先生」は未読でしたが、この漫画は伊集院静氏らしさを存分に表現されていたと感じましたね。 色川武大氏との出会いから出来事を書いた内容ですが、色川氏の独特のギャンブル好きな性格や作家としての才能、ナルコレプシーなる奇病等が読者を飽きさせることなく描かれています。 また、色川氏の行動を嫌がることなくギャンブル旅を共にする伊集院静氏の姿も違和感なく描かれているところもいい。 作中には、井上陽水氏…
<当ブログはアフィリエイト広告を利用しています> P+DBOOKSさんから出ている「街は気まぐれヘソまがり」オヌヌメ。 いやね、色川武大ってだれ?エッセイ??読んだことないよ??って方は面白くないかもしれないから、もし読むなら同じレーベルから出ている「オールドボーイ」とか「虫喰仙次」をさいしょによむのがおすすめ。(こちらは小説です) PD+BOOKSさんは巻末に他に発売されてる本の紹介を入れてくれるのがたすかる。次なに読もうかな~と悩むなら、ココ見ればよさげなタイトルを嗅ぎ分けて買えるから(たぶん) ちなみに昭和初期を全然知らない世代の私でも「昔の日本の雰囲気が知りたい! 戦後のゴタゴタってど…
うらおもて人生録(新潮文庫)作者:色川武大新潮社Amazon再読中。太く短く生きた色川武大(阿佐田哲也)の人生についてのエッセー。こういう外部の考えが混じっていない天才肌の人生哲学って大抵面白い。無頼派の作家ってだいたい早逝する。中嶋らもとか西村賢太とかたくさん。育ちが悪いのに頭が良く生まれたばかりに結局押しつけられるように名声を得てしまう天才が好きだ。無才の僕には彼らは形而上の存在ですらある。生身の本人が目の前にいたら、実年齢より老けた不気味なオッサン達なんだろうけどね。
眼鏡堂書店の蔵書より、独断と偏見に塗れた”もっと読まれてもいい本”を紹介しつつ、全力でニッチな方向へとダッシュする【眼鏡堂書店の本棚】。 私生活や仕事柄様々なことが立て込んでしまい、ずいぶんとご無沙汰していた印象があるのですが、皆様お変わりないでしょうか? さて、今回紹介するのは、色川武大の直木賞受賞作『離婚』です。 離婚/色川武大 なお、眼鏡堂書店的には短編『永日』を課題図書とした読書会を開催しています。 その模様がコチラ↓↓ glassesbookstore.hatenablog.jp さて。 色川武大、という作家には大きな二面性があります。 本名名義では純文学を執筆。デビュー作の『黒い布…
『丹羽文雄作品集』全九巻〈八巻+別巻〉(角川書店、1957) 文学史にも芸術論にも、時局にも世相にも関心が失せた晩年には、丹羽文雄作品を読んで過すのがよろしいのではないかと、思っていた時期があった。生立ちや家族の宿命も、男女関係の底なし沼も、超克や救済への祈りも、揃っていた。 どうやらさような時期は到来しそうもない。心境至るより先に、眼が弱り脳が弱り、読み通せそうもない模様となってきた。 西鶴を中心とする江戸文学のご講義を授かった暉峻康隆教授は、学生時代は丹羽文雄と同級で、語らっては同人雑誌発行を企てる間柄だった。ご講義の脱線余談ではしばしば、「当時、丹羽君は~」と懐かしげにおっしゃった。「に…
『うらおもて人生録』/色川武大/新潮文庫/昭和62年刊 飲み屋のカウンターで背後を人が通り過ぎる気配がした。カウンターの中の人が「ありがとうございました」と声をかけたが、相手は無言のまま立ち去ったようで、中の人は眉を八の字に下げて呟いた。 「なんでなのかなあ」 ほんと、なんでなんだろう。私が振り返ったときにはもういなかったから、男か女か、若いか年寄りかもわからない。彼もしくは彼女は、別に悪いことをしたとも思ってないだろうけれども、酒場にも士気というものがある。士気を下げるような行いは、やめてもらいたいものだ。 お店の人とそんな話をしているうち、『うらおもて人生録』を思い出した。『麻雀放浪記』で…
こんばんは、Lucyです! 一つ前の記事で宝くじに当たった(少額ですが)と書いたんですが、 その後、コンビニで買ったチョコチップバーも当たりました。 なんだか、何でも当たる無双状態に入ったかもしれないので 明日はロトでも買おうかなって本当に思っています😆 明日の英会話ではもちろん今日宝くじに当たった話を 英語でしてみようと思うんですけど、ちゃんと伝わるかは不明です。 なぜなら「運」についても話そうと思っているからです。 「運」は英語でluck、fortune、chanceと出てきました。 辞書で調べてみるとそれぞれ、 luck---the force that causes things, e…
演芸本を集めている関係で…… 寄席放浪記 (河出文庫) 作者:色川 武大 河出書房新社 Amazon しくじった。Amazonで2冊買ってしまった。商品ページに「前に買いました」が表示されていなかった。古い本で版が違ったりするとそういうことがあるような気はしていた。しかし、あらためて商品ページを見ると『購入回数 2回』となってやがる。そんなの後だしじゃんけんだ。 同じ本を買ったのは、届いて目次を開くまで気付かなかった。ふつうの書店だったら、買う前に中をパラッとめくってみたりして、気付いたかもしれない。ネットならではのしくじりである。 1冊目を買ったのは1年ちょい前。そんな最近のことすら覚えてい…
寒の最中だというのに3月の気候だとか、今日は雨模様でした。 週初めの好天、磐梯山も春霞にもやったような姿 春を予感させるような週初のお休みでしたが、いやいやそんなに甘くはありません まだまだこれから寒波がやってきて、春の前には花粉が飛んできて、その上今年の冬は、緊急事態宣言の真っ最中。 お客様のお話では、市中の飲食店は閑古鳥らしいです。 「この前はお客が自分一人で、それも6時半で切り上げたゾォー」 前回の宣言時と違い今回の緊急事態では、「古本は不要不急」とあげつらう声はないようなので、ただただ頭を下げて、コロナ禍やスギ花粉が頭の上を通り過ぎてくれるのを待ちつつ古本を並べていくしかないんでしょう…