根岸吉太郎

封切り三日目。 席数１３１の【SCREEN3】の入りは五割ほど。 文士の三角関係は枚挙にいとまなし。 〔あちらにいる鬼（2022年）〕は『井上光晴』と妻、『瀬戸内寂聴』の長年の関係を映画化したもの。 『谷崎潤一郎』は、妻を『佐藤春夫』に「譲渡」する契約を結んだ「小田原事件」を起こしたことでも知られている。 このあたりは自分の記憶の範囲内。 しかし、本作で描かれている三人の関係については寡聞にして知らなかった。 『中原中也』と『小林秀雄』が昵懇だったことは仄聞していても。 『中原』が放蕩なのは周知も、『小林』もなかなかの無頼。 共に酒癖も相当に悪かったようで、それも本作で描かれた二人の仲の裏側に…

一条真也です。東京に来ています。２１日は理事長を務める一般財団法人 冠婚葬祭文化振興財団の経営会議に参加しましたが、この日は映画の新作公開ラッシュでもありました。朝一番で日本映画「ゆきてかへらぬ」をＴＯＨＯシネマズ日比谷のスペシャルシートで観ました。１１番シアターは高齢の観客で満席でしたが、映画そのものは面白かったです。 ヤフーの「解説」には、こう書かれています。「詩人・中原中也と文芸評論家・小林秀雄ら実在の男女３人の物語を描くドラマ。『雪に願うこと』などの根岸吉太郎がメガホンを取り、同監督と『ヴィヨンの妻 ～桜桃とタンポポ～』で組んだ田中陽造が脚本を担当。才能あふれる二人の男の間で揺れ動く女…

以上、『ゆきてかへらぬ』(2025：根岸吉太郎)より 『ゆきてかへらぬ』(2025：根岸吉太郎)を、ユナイテッド・シネマ豊洲スクリーン３にて見る。1000円。 大正末から昭和初期の京都と東京を舞台に、駆け出し女優・長谷川泰子と詩人・中原中也と文芸評論家・小林秀雄の３人の愛憎物語。 根岸吉太郎が『ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ』(2009)以来の16年ぶりの長編映画監督作品。演出の腕は全く衰えていなかった。むしろ、円熟の域に進化している。ワンカット、ワンシーン、すべてが見ごたえある。 二人の男たちの間で浮遊する状態を、広瀬すずがかろやかに演じている。早くも演技賞確定！ 本格的に中原中也を描いた映画…

広瀬すずが演じる長谷川泰子 １月22日㈰。晴れ。この頃雨が降らない。テレビや新聞を目にしてないが、水不足は大丈夫なのだろうか。 昼頃から図書館へ、借りた本の返却にいく。 図書館に「キネマ旬報」（2025年2月号 No.1956）の新しい号があったので目を通す。 長谷川泰子を主人公にした映画『ゆきてかへらぬ』（根岸吉太郎監督）の記事があった。 中原中也、小林秀雄と「三角関係」にあった長谷川泰子を、広瀬すずが演じる（2月21日公開）。 www.youtube.com 長谷川泰子 ★ 川本三郎さんの「映画を見ればわかること」（「キネマ旬報」連載エッセイ）は、フィンランドの監督アキ・カウリスマキ（ちな…

DVDで映画『探偵物語』(1983年、監督：根岸吉太郎)を鑑賞。少し前に『SOUL RED 松田優作』というドキュメンタリー映画を見て、そのなかで本作が引用されていたので無性に見たくなった。薬師丸ひろ子主演映画第3作の角川映画。探偵物語 角川映画 THE BEST [DVD]薬師丸ひろ子Amazonなお薬師丸の相手役に松田優作が起用されているが、松田が主演したテレビドラマ『探偵物語』(1979年)とは別の作品である。ややこしい。探偵物語 Blu‐ray BOX(初回生産限定) [Blu-ray]松田優作Amazon親が海外出張のため不在のため豪邸で一人暮らしする令嬢の直美（薬師丸ひろ子）は米国…

【撮影のエピソード (2)】

★★★★☆ あらすじ 久しぶりに帰って来た単身赴任の夫に愛人がいることが分かり、動揺する妻と子供たち。 感想 どこかコミカルさを感じるタイトルから勝手に面白おかしな冒険物語を想像していたのだが、全然違う内容だった。実際は、夫の不倫が判明した家族の揺れる姿が描かれる。 あるある探険隊 作者:レギュラー 竹書房 Amazon その夫を演じるのは田中邦衛だ。個人的にこの人は面白いおじさんの認識だったので、この映画でずっと二枚目のキャラを演じているのがなんだか落ち着かなかった。常にどこかで何か面白ことが始まりそうな気がするのに何も起こらない。自分の認識とは違って、世間的には彼は二枚目も三枚目も出来る役…