1904年生まれ、1993年没。広島市出身。1924年4月より京都で中原中也と同棲生活に入る。翌年3月に上京するも11月に中原と離別、小林秀雄との交際を深める。1928年には小林とも離別し、以降、映画女優などとして活躍する。1931年には時事新報社内の東京名画鑑賞会が主催した「グレタ・ガルボに似た女性」に当選。アジア・太平洋戦争後は信仰の生活に入る。 本人は目立った文学作品を残していないが、大岡昇平や青山二郎とも親しく、昭和初期の文学史を語る上で、貴重な脇役のひとりと言える。
中原中也との愛 ゆきてかへらぬ (角川ソフィア文庫)
男と女とは、いったいなになのか。 「中原中也との愛 ゆきてかへらぬ」(長谷川泰子・村上護編、角川ソフィア文庫)を読み終えて、今更ながらそんな陳腐な問いかけが思い浮かびました。 もとより、人と人の結びつきは一つとして同じでない以上、この問いかけに対しては無数の答えがあり、一つだけの正解はありません。この本の場合は、長谷川泰子にとって中原中也とは、小林秀雄とはなにだったのか。ひっくり返せば、二人にとって長谷川泰子とはどんな女だったのか。 長谷川泰子は1904(明治37)年、広島市生まれ。7歳のとき父が死去し、親戚に引き取られて母と別居。広島女学校を卒業後、女優になる夢を叶えるため家出し、教会で知り…
初めて足を踏み入れた小さな町の図書館でした。左にカウンターがあり、奥に広がる閲覧室の手前、テーブルにリサイクル本が並んでいることに気づきました。リサイクル本は、在庫処分の廃棄本。「ほしい本があれば自由にお持ち帰りください」という趣旨です。 2冊、いただくことにしました。モジリアーニなど20世紀前半にモンパルナスに集った、エコール・ド・パリの画家たちの画集。そして「朝の歌 中原中也傳」(大岡昇平、角川書店、昭和33年)です。わたしはその町の住民ではないので、ちょっと申し訳なく思いながら。 「朝の歌」はサブタイトル通り、詩人・中原中也の評伝です。単なる評伝と違うのは、筆者の大岡昇平が中也の友人であ…
「小説新潮」2020年11月~21年10月号連載、直木賞受賞第1作、380頁。 「自分らしい居場所を見つけるために必要だった、かくも長く激しい旅路」 戦前、戦後を生きた女流作家の生涯。親が決めた結婚が女性の生き方の主流だった時代に、自分の意思に沿って生きたいと故郷を飛び出し女優を目指すが挫折。 詩人中原中也や評論家小林秀雄とされる人々との交流を通して、自らも「書く人」を目指した「長谷川泰子」をモデルとした伝記小説。 一人の女性の人生をここまで克明に描き切った著者の筆力に脱帽である。ご一読をお勧めします。(お勧め度:★★★)
タイトルは長谷川泰子が70歳のときに受けたインタビュー(告白)を 村上護が編集・書籍化した「中原中也との愛 ゆきてかへらぬ」より 不世出の天才詩人と呼ばれ30歳でこの世を去った中原中也と のちに日本を代表する文芸評論家となる小林秀雄との三角関係を 恋人だった長谷川泰子の目線から描いたもの 映画のほうも長谷川泰子=演じる広瀬すずにスポットが当てられていて ”すずちゃん”の映画と言っていい(笑) なので、中原の人となりや精神状態、詩を生み出すまでの苦しみや 小林がどういった文学批評眼だったのかは、ほとんどわかりません 中原や小林と別れた後も、男たちからの援助で暮らしてきたという泰子 文学史に残る伝…
新河岸川(川越)の桜見物。 3月30日㈰。曇り。Sさんは今日と明日、友人の女子たち4人で、「埼玉古墳(さきたまこふん)」に近い「茂美(もみ)の湯」温泉へ1泊で行く。 現地集合。 川越からクルマで1時間ちょっとくらいの距離──軽量の旅だ。 「茂美の湯」は、古い天然温泉で、日帰り温泉も利用できるけど、田舎芝居を見たりして、安い料金で宿泊もできる。 Sさんの友だち3人をわたしは二十代のころから知っている。若かった彼女たちも、いまは70代半ばになっている。 田舎芝居を見るのが似合う年齢になった(笑)。 ★ 川越・氷川神社の裏手、新河岸川で、Sさんにクルマで降ろしてもらう。わたしは別行動で「ひとり花見」…
映画『ゆきてかへらぬ』(2025年、日本)のワンシーン。press.moviewalker.jpより。 小林秀雄と中原中也の三角関係を扱った映画が公開されたということで、私も予告編だけチラリと見ましたが、小林秀雄のいわゆる「悪夢」*1が大変美しく映像化されているようで、本人が見たらどんな顔をするだろうか、と少し考えてしまいました。小林秀雄の愛読者の方ならどなたもご存じでしょうが、彼は若い頃から非常に奇妙な性的嗜好を抱えておりました。彼は発狂した女性に強く惹きつけられる傾向があるのです。この美しい「狂女」のイメージは彼の作品のいたるところに出没して、読者をびっくりさせる。彼の初期作品の一つ、「女…
1、作品の概要 『ゆきてかへらぬ』は日本の映画。 2025年2月21日に公開された。 監督は、根岸吉太郎。 脚本は、田中陽造。 『ヴィヨンの妻~桜桃とたんぽぽ~』のコンビ。 主演は、広瀬すず。 木戸大聖、岡田将生らが出演している。 主題歌は、キタニタツヤの『ユーモア』 原作は、長谷川泰子の『中原中也との愛 ゆきてかへらぬ』 上映時間は128分。 天才詩人・中原中也、日本最高の文芸評論家・小林秀雄と、女優・長谷川泰子の奇妙な三角関係を描いた。 2、あらすじ 17歳の若き天才詩人・中原中也(木戸大聖)と出会い、彼の部屋に転がり込んだ女優の卵の長谷川泰子(広瀬すず)は、衝突を繰り返しながらやがて恋仲…
封切り三日目。 席数131の【SCREEN3】の入りは五割ほど。 文士の三角関係は枚挙にいとまなし。 〔あちらにいる鬼(2022年)〕は『井上光晴』と妻、『瀬戸内寂聴』の長年の関係を映画化したもの。 『谷崎潤一郎』は、妻を『佐藤春夫』に「譲渡」する契約を結んだ「小田原事件」を起こしたことでも知られている。 このあたりは自分の記憶の範囲内。 しかし、本作で描かれている三人の関係については寡聞にして知らなかった。 『中原中也』と『小林秀雄』が昵懇だったことは仄聞していても。 『中原』が放蕩なのは周知も、『小林』もなかなかの無頼。 共に酒癖も相当に悪かったようで、それも本作で描かれた二人の仲の裏側に…
2025年2月21日に公開された映画『ゆきてかへらぬ』を観ました。 www.yukitekaheranu.jp 映画『ゆきてかへらぬ』は、天才詩人・中原中也(1907<明治40>~1937<昭和12>)と、駆け出しの女優・長谷川泰子(1904~1993)、文芸評論家・小林秀雄(1902~1983)という実在の人物たちの、実在した三角関係を描いた映画です。 中学時代、国語の教科書で習った中原中也の詩『月夜の浜辺』をきっかけに中原中也のファンになった私。 教科書には、中原中也の写真も載っていて、当時よくテレビに出ていた俳優・三上博史似のイケメンで、この人が書いた詩なのか?とグッと心惹かれました。 …
この前の動画も面白い。㉑ ㉒ というか、全体通して面白いです。浜崎先生、すごいなー。牡羊座の説明でも、よくいわれる「直観」という言葉。この言葉、人によって受け取り方が違うようで、極端に軽んじる人もいれば、変に感情的になる人もいるし、分かる人はすぐに分かってくれたりもする。のが、以前からそういえば不思議だった。その直観とは何か。今朝掃除しながら上の動画を聞いていて、ちょっと分かった気がした。そこに到り着くまで、例えばこういう壮絶さを経て掴むものが「直観」なのかもしれない。あるいは、そういった地獄を見たからこそ、直観それ自体の存在・力に気付く、というか。それは多分、何も考えてないというより、ある対…