作家
1965(昭和40)年、東京都稲城市生まれ。カリタス女子中学高等学校卒業。短大を中退後、さまざまなアルバイトを経て、広告制作会社に勤務。出産後、フリーの編集ライターに。妊娠・出産を主なテーマとし、その他女性の体や健康、漢方、占星術などについて雑誌や書籍で活動中。2009年、「ミクマリ」で第8回「女による女のためのR−18文学賞」大賞を受賞。好きな作家は、大江健三郎、宮内勝典、村上春樹、カズオ・イシグロなど。(新潮社ホームページより)
ふがいない僕は空を見た
【あらすじ&ひとりごと】 今回読んだのは、窪美澄さんの小説『夜空に浮かぶ欠けた月たち』(2023) 東京の片隅を舞台に様々な心に傷を抱えた人たちが少しずつ救われていく物語です。 六篇からなる連作短編集で「キャンベルのスープ缶」「パイプを持つ少年」「アリスの眠り」「エデンの園のエヴァ」「夜のカフェテラス」「ゆりかご」が収められています。 ●地方から上京し大学という新しい環境で、周りと違う自分を痛感し孤立していく澪(みお)。しだいに学校へ行けなくなり、バイト先の純喫茶「純」の店主・純に椎木メンタルクリニックを紹介される。 ●忘れ物や約束が守れず、仕事と私生活で苦しむサラリーマンの直也。自分はADH…
こんにちは。前回からの続き、『夏日狂想』です。 ではさっそく見どころを探っていきましょう! アラフォー的見どころ②創作に命を懸ける人々がアツイ 礼子の付き合う男性はアツイ文学者ばかり。エネルギーのすべてを創作につぎ込みます。中でも一番凄まじいのが最後の恋人、橘です。売れっ子作家になって多忙を極めるのですが、原稿を落としたくないから薬に頼りついには薬物中毒で入院してしまいます。橘は太平洋戦争中の厳しい言論統制を経験していて、その反動で依頼された原稿はひとつも断りたくなかったのですね。 死の床にいる橘が自身の人生を振り返り「創作という地獄にいる人間」と言います。創作って自分との戦いなんだと思います…
こんにちは。10月に入って数日経ちましたがけっこう暑いですよね…。なんか毎回暑い暑いばっかり言ってる気がしますが(汗)。毎晩風呂上りに子供の髪を乾かしますが、その時の暑いこと暑いこと。耐えられずネッククーラー付けますからね。 さて、いつまでも暑い暑い言ってても仕方ないので今日も元気に本を紹介します! 今回読んだ本は窪美澄さんの『夏日狂想』です。”かじつきょうそう”と読みます。明治から昭和を生きた作家、長谷川泰子をモデルとした女性の激動の生涯を描いた作品です。 前回『熊はどこにいるの』で女の人生について様々に考えさせられました。その流れでこの作品を選びました。 ではさっそくどんな作品なのか見てい…
給水塔から見た虹は:窪美澄著のレビューです。 ☞読書ポイント 感想・あらすじ 窪美澄プロフィール 合わせておすすめ ☞読書ポイント どの人々も問題を抱えて生きている。「どうして?」と思うことも、ひとりひとりの人生や状況が見えてくると、責めたり否定することはできない。皆、生きるのに必死であるから。悪い状況を生み出す根底にあるものはなにか考えさせられる。 給水塔から見た虹は (集英社文芸単行本) 感想・あらすじ もう窪さんの作品とのお付き合いは長いので、本作の雰囲気はいつも通りだな.....って、自分のなかで生まれつつあるマンネリが顔を出していた。なので、作品が大きく動くまで、正直、もういいかな.…
久しぶりの窪美澄さん。窪さんの作品は好きなんだけど、読むのにちょっと 気力が要る感じがして、手を出すものと出さないものに分かれちゃうんだよね。 読めば大抵良かったって感想になるんだけどね。今回は、作品紹介読んで、 なんとなく食指が動いたので借りてみました。 うん、読んで良かった。途中まで結構読むのがしんどかったりしたんですけどね。 主人公が抱える現状のやりきれなさとか、環境からくる閉塞感が重くて辛くて。 物語が抱える外国人問題も、日本人としていろいろと考えさせられるところが 多くて、どう受け止めていいのかわからない感情になったりするし。かなり、 デリケートで難しい題材を取り上げたなぁというのが…
中学2年生の桐乃は、東南アジア系の人々が住む古い団地の生活にウンザリしていた。学校は荒れて優等生の彼女は孤立し、母親は団地の外国人を助けることに奔走し、自分は放って置かれている感が否めない。同じクラスのベトナム人ヒュウと親しくなるが、ヒュウもまた生活にやっとの母に無視され続け、学校ではいじめられている。挙句にヒュウは不良グループと関りを持ち、事件に巻き込まれて家出をし、桐乃もその後を追うことになる。北関東の、元技能実習生たちの隠れ家に逃げるが、そこにも辛い現実が待っていた。 桐乃もヒュウも、どうしようもない苛立ち感にずっと苛まれています。閉塞的な団地を出たいが、家は貧しく、自分はまだ子供であり…
『夜に星を放つ』窪 美澄 文春文庫 夜に星を放つ (文春文庫) 作者:窪 美澄 文藝春秋 Amazon 第167回直木賞受賞作品(2022年上期)。 5つの短編からなる一冊。 一言でいうと、やさしさとつらさが一緒に詰まっている感じ。 人間が生きていたら、きれいなことだけでは終わらない。とても素直な視点から見ることでいま感じるやさしさとつらさが純粋さを以て描かれている。なんというか、どろどろではない。さらっとした感触なんだけど本質が捉えられている。 自分が日々の生活の中でわかるつらさとやさしさにつながっているのでとても引き込まれる。 星をテーマにしていて、夜空にある星の光が一瞬の明かりややすらぎ…
これで船場さんとの関係がぷつりと切れた凧糸のように終わるとも思えなかった。けれど、その予感はあった。希里子も希穂もそうやって自分の前から姿を消したのだ。(窪美澄『夜に星を放つ』文春文庫、2025) こんにちは。昨夜、東京は三鷹にあるUNITE(ユニテ)で行われた『文豪と犬と猫 偏愛で読み解く日本文学』刊行イベントに参加してきました。宮崎智之さんと山本莉会さんよりも早く、 宇宙最速で会場一番乗り。 小学生を本好きにするためにはどうすればいいと思いますか(?)と職業病的な質問をしたところ、山本莉会さんからは「文学の敷居をもっと下げる」、宮崎智之さんからは「本を読む大人はカッコいい(!)って子どもた…
こんにちは、皆さん!一人ぼっちユウトです。今日は、窪美澄の衝撃作『ふがいない僕は空を見た』について語らせてください。この作品、タイトルからして少し儚げで青春っぽい印象を受けるかもしれませんが――実際に読んでみると、その想像を遥かに超えて、心の奥底を揺さぶられました。読後、しばらく空を見上げてしまったのは、きっと私だけじゃないはずです。 心を抉るリアリズムこの小説は、性や孤独、親との関係、自己嫌悪といった繊細かつ重たいテーマを、容赦なく、でも決して乱暴にならずに描いています。登場するのは、男子高校生、主婦、介護士、シングルマザー、教師……社会の中で「周縁」に追いやられがちな人々。その彼らが、時に…
筆者ご紹介 選書の理由 なかなかよい。こんな話 おわりに 筆者ご紹介 窪美澄氏は2010年に『ふがいない僕は空を見た』でデビュー。2022年の『夜に星を放つ』で167回直木賞受賞。そのほか各種文学賞受賞。 本作は2014年に発表された作品。 選書の理由 以前窪氏の作品『晴天の迷いクジラ』を読んで、余りにも自分のテイストと合わず、以降敬遠していた作家さんです。 で、老化の効果か、いい感じに前回読んだ作品も忘れてきて、再度チャレンジ?しようと購買に至ったものです(同じタイトルを買わなくって良かった)。 やはり、最近よく名前を聞くので、そらあ何か持っているんだろう、以前読んだものは「はずれ」なだけで…