作家
1965(昭和40)年、東京都稲城市生まれ。カリタス女子中学高等学校卒業。短大を中退後、さまざまなアルバイトを経て、広告制作会社に勤務。出産後、フリーの編集ライターに。妊娠・出産を主なテーマとし、その他女性の体や健康、漢方、占星術などについて雑誌や書籍で活動中。2009年、「ミクマリ」で第8回「女による女のためのR−18文学賞」大賞を受賞。好きな作家は、大江健三郎、宮内勝典、村上春樹、カズオ・イシグロなど。(新潮社ホームページより)
ふがいない僕は空を見た
夜空に浮かぶ欠けた月たち (角川書店単行本) 作者:窪 美澄 KADOKAWA Amazon 本の紹介 著者 窪美澄 株式会社KADOKAWA 発行 2023.4 本の感想 民家風のメンタルクリニックのお話。そこに通う人と先生、近くの喫茶店の店員が主体で物語が進んでいく。優しい文章が疲れた心を包み込んでくれるような感じがした。 私自身心療内科に通っているので、初めて通う時の不安や薬に対する嫌悪感はとても納得できた。作中に出てくる椎木メンタルクリニックのような場所なら、通ってみたいとも思えた。 素敵な先生夫婦のメンクリに通った後に、ご褒美で純喫茶に行けたらなんて幸せなんだろうと思った。澪ちゃんの…
ははのれんあい (角川文庫) 作者:窪 美澄 KADOKAWA Amazon 本の紹介 著者 窪美澄 角川文庫 発行 文庫.2024.1 本の感想 タイトルにもある通り、母になった由紀子の結婚から出産、そして新しい恋愛を書いた一冊。母だけでなく息子も旦那も恋愛をする。子を持つ母親由紀子、長男として生まれ母を支え弟たちを見守った智晴の物語。 窪美澄先生といえば、素晴らしい感情描写や人間の生々しい部分を鮮明に書く有名作家だ。普段目を逸らしてしまうような出来事にも、じっくりと焦点を当てるので胸が締め付けられる時も多々ある。 そして、1人の母親でもある。 そんな著者が母親として生きてきたからこそ書ける…
朔が満ちる (朝日文庫) 作者:窪 美澄 朝日新聞出版 Amazon 本の紹介 著者 窪美澄 朝日新聞出版 発行 2021.7 本の感想 父の暴力が当たり前になった環境で育った主人公、史也。生まれて間も無く母親に捨てられた梓。2人が出会い、お互いの止まっていた時間が動き出す物語。 物語は虐待サバイバーとして育った史也の視点で進んでいく。父親からの暴力を耐え生き残った史也は、東京でカメラマンアシスタントとして働いていた。しかし、そんな史也は誰にも言えない過去の秘密に囚われながら生きていた。 本書のサバイバーは、生存者や遺族を指す言葉ではない。精神、身体的な虐待や災害などで心身に傷を受けても、なん…
読了本の記録です。 超怖い物件 ははのれんあい 窪美澄 震える天秤 染井為人 正義の申し子 染井為人 しばらく本屋さんに行けないまま 積読本が尽きました。 ゆっくり本屋さん巡りしたいな(*‘ω‘ *) azuazuazukina.hatenablog.com ランキング参加中読書 \読んでいただきありがとうございます/ にほんブログ村 ランキング参加中ライフスタイル ランキング参加中雑談 ランキング参加中Think<書くことは考えること> はじめましての方はこちらもどうぞ\(^o^)/ °˖✧✧˖°°˖✧✧˖°°˖✧✧˖°°˖✧✧˖°°˖✧✧˖°°˖✧✧˖°°˖
ぼくは青くて透明で:窪美澄著(文藝春秋)のレビューです。 ☞読書ポイント 感想・あらすじ 合わせておすすめ ☞読書ポイント 児童書にBLが加わったようなテイストの小説。家族の形、親子の形、愛情の形を、登場人物たち各自の視点で語られる。異性愛、同性愛、本当の自分は誰と一緒にいたいのか。思春期の少年たちを通して「自分にとって本当の幸せ」を掴み取ろう。 ぼくは青くて透明で (文春e-book) 感想・あらすじ 窪さん、またまたチャレンジ?私的にはYAジャンルと感じましたが、今回はそこにBLが加わった感じです。時代の流れ、多様性が叫ばれる中、ぼちぼちこういう作品も出て来る予感はしていました。 今回は家…
行きつけの本屋さんで、直木賞受賞作という黄色い帯がある本が目にとまりました。 「夜に星を放つ」というこの本は、夜をイメージした黒地にカラフルな色のイラストがファンタスティックだったので、手に取ってページをパラパラと繰ってみました。 なかには、5つの短編がありました。 🌟真夜中のアボカド 🌟銀紙色のアンタレス 🌟真珠星スピカ 🌟湿りの海 🌟星の随に(まにまに) 夜に星を放つ/窪美澄・作/文藝春秋 🌟 真夜中のアボカド コロナ禍にリモートワークで自宅に籠りがちの日々、32歳のOL綾ちゃんは、アボカドの種を思いつきで水耕栽培をはじめます。 そんな綾ちゃんには半年位前に婚活アプリで出会った恋人の麻生さ…
【あらすじ&ひとりごと】 窪美澄さんの直木賞受賞作『夜に星を放つ』を読みました。 現代に生きる人たちが、心の隅にある寂しさに人と心を通わせようとする、そんな素敵な五編からなる短編集でした。 「真夜中のアボガド」「銀紙色のアンタレス」「真珠星スピカ」「湿りの海」「星の随に」の五編が収められています。 どの短編も星座のエピソードを交え、かけがえのない家族・人間関係、そして恋人など、思うようにならない心を綴る物語です。 読みながら、何でこんな展開になるのって思いながら(これがストーリーとして良いところなのですが)、さわやかにさらりと綴られていくストーリーに、心がキュッとなります。 星座は星と星が線で…
よるのふくらみ(新潮文庫)作者:窪美澄新潮社Amazon 1. 書籍について 『よるのふくらみ』は、窪美澄によって書かれた恋愛小説です。三人の幼なじみ、みひろと兄弟の圭祐と裕太が織り成す複雑な三角関係を描いています。みひろは圭祐と同棲しているものの、セックスレスでの悩みに苦しんでいます。彼女を惹かれている裕太は、二人の関係が上手くいっていないことに気づいています。この小説は、三人の想いが絡み合い、欲望が熱を帯びたストーリーとなっています。 2. 主題やテーマ 本書の中核的なテーマは、恋愛や性欲に関する複雑な感情です。なぜこんなにも三人の関係が複雑に絡み合うのか、それぞれの登場人物が抱える想いや…
窪美澄氏の夜に星を放つを読んだ。星に関係する小説だと思ったので読んだのだが、直接的には星には関係なく、各話に星にまつわることが織り込まれている短編集だった。収録されているのは「真夜中のアボカド」、「銀紙色のアンタレス」、「真珠星スピカ」、「湿りの海、」、「星の随に」。「湿りの海」は「星に関連するエピソードがない」と思ったのだが、作中にも絵のタイトルとして登場する「湿りの海」が月の裏側にある月の海の名前で、月に関係があった。月にそのような場所があるとは知らなかった。全体的にうまくいかない人間関係のようなものを描いている短編集で、ハッピーエンドで終わるようなストーリーはない。唯一「真珠星スピカ」だ…
いるいないみらい (角川文庫) 作者:窪 美澄 KADOKAWA Amazon 本の紹介 著者 窪美澄 角川文庫 発行 令和4年4月 本の感想 「いるいないみらい」子供がいる家族、いない人の未来について書いた一冊。本書の主人公家族には基本的に子供がいない。それをこれからどうするか夫婦で話し合っていく。デリケートな内容だけれど、私たちの身の回りで必ず発生するであろう子供の話を色々な角度から書いている。 5つの章があり全て独立しているように思えるが、1章で出てくるパン屋さんが5章の夫婦が営んでいるパン屋さんだったりと、少し関係性がある部分もある。 ⚠︎私自身独身で子供もいないので、結婚出産を経験さ…