俳優、脚本家、小説家、演出家(監督)。 1966年1月25日、兵庫県生まれ。 神戸市立神戸商業高等学校卒業。富良野塾二期生。 1998年より劇団「FICTION」を主宰。*1演出・出演を兼ねる。 2012年、文學界6月号に発表した『ギッちょん』で第147回芥川龍之介賞候補に。 2013年、文藝夏号に発表した『砂漠ダンス』で第149回芥川龍之介賞候補に*2。
ギッちょん
緑のさる
うさぎのもちつき [DVD]
*1:結成は1996年
*2:芥川龍之介賞|公益財団法人日本文学振興会
保坂和志『小説的思考塾』vol.12〈保坂和志+山下澄人:対話篇〉。 http://hosakakazushi.com/?p=1505 参加するときには、いつも、ある種の戸惑いがある。 これを視聴することは、何かに具体的に役立つわけではない。それに、全部を理解できることは、まずない。 だから、戸惑いというよりは、ちょっとした怖さというものなのだろうけど、未知、というのは、そういうものだし、そういう経験(といっても画面を視聴するだけですが)を持てる機会は、どんどん貴重になるのだから、経済的には厳しいとはいっても、自分にとっても必要なことだと思う。 そんなふうに、自分に言い聞かせるようにして、配信…
小説の面白さは、ストーリーや文章の面白さだけではなく、新しい表現技法を開拓するところにもある。特に純文学では、前衛文学や実験文学、ポストモダン文学と呼ばれる、今までになかったような表現方法で新しい小説世界を切り開く作品が多くある。 そんな小説の可能性を切り開いてきた日本の前衛文学を紹介したいと思う。日本文学の中でも、ポストモダン文学や前衛文学は数多くあるけれど、今回は主に2000年代に新人三賞を受賞したような若手作家の作品について紹介している。例を挙げると円城塔や青木淳悟、福永信あたりの作家の作品が中心だ。
戯曲と小説には綿密な関係がある。三島由紀夫や安部公房など優れた小説家は、素晴らしい戯曲も書き残してきた。また、小説家が戯曲を書くだけではなく、劇作家が小説を書き小説家としてデビューした事例も数多くある。演劇畑出身で活躍している小説家を紹介していきたい。 岡田 利規 本谷 有希子 山下 澄人 前田 司郎 前川 知大 (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); 岡田 利規 わたしたちに許された特別な時間の終わり (新潮文庫) 作者:利規, 岡田 発売日: 2009/12/24 メディア: 文庫 岡田利規は『三月の5日間』で知られる劇作家だ。…
きのう山下さんの新作を読んで、わー、とだいぶ動いたけどなにからどう書けばいいのかわからなくて中途半端なツイートをいくつかしただけでかたまってしまって、それでひと晩寝て起きてすぐにスマホのメモ帳を立ち上げて書いたもの(のスクショ)をツイッターにアップした。あとになって読んだらだいぶ荒ぶってて、嘘は書いてないからいいのだけど、きのう読んだときにコタツの上にあった要らないレシートをはさんでおいたページをもう一度ひらいて読んでみた、 わたしたちがはっきり山を見たのは、その前からも書いていた通りその前にも見ていたのだけど、見ていたよねとたずねるならママしかいないけど今ママはもう死んでいない。今というのは…
私は「周辺から」事態を捉えるという視座を貫いてきた。それは単に、視座をずらすというだけではない。周辺へと押しやられる人びとに最後に残された眼力こそが、構造的暴力のあり方を照らし出す重要な立脚点となると考えるからである。エスノグラフィーを書くことは、事態にどうしようもなく巻き込まれる人びとが見届けている世界を、その傍らで垣間見るーー覗き見るのではなくーーことから始まる。自分の人生でありながら、決して思い通りにはならず、まるで劇場のスクリーンのようにさまざまな出来事が進んでいく。そうした「スクリーンの人生」において、人びとが「どうなるのか」と見届け、そして僅かの隙を探って「どうするのか」と身構えて…
2024/03/10 職場で「整体」とわたしが言っているのは全部メンズエステのことです。 職場の女の子には風俗キャラみたいなことを言われています。もちろんお互いお約束になっている「ギャグ」で、 ピンフは風俗いってるもんね笑 行ってねぇよ! というやりとりなんですが、行ってねぇよ!とわたしは言ってますが、行ってます。恋人はいないので、ずっとセックスしないで過ごすのは無理です。 日記をあんまり書けていなかったのは、わたしはやり方が三つあって、一つはスマホ、二つ目がポメラ、三つ目が手書きで、いちばんはてなブログにアップするのがカンタンなのはスマホで書いてアップすることなんですが、なんかスマホで書く気…
2024/03/09 土曜日は起きたら昼前のことが多いけれど、今朝は八時に起きた という文章を頭の中で思って、今日はそこから書き始めようと書いてみたけれど、もうそれは頭の中で完成していて、改めて書き出すまでのこともなかった、と書いて思った。 考えていることはわりとあるような気がしている、カン違いかもしれないけれど、あとになると忘れてしまう。 残業をして同僚とご飯を食べて、それなりにキャリアを重ねてくると、 「まだそんなことも知らなかったの?」 「一緒に入ったナニナニさんは知ってたよ」 「ナニナニさんはここまでできてるよ」 「もうワンランク上の人事評価を狙いたいとは思わないの?」 いろいろプレッ…
これは、<a href="http://ww2.ctt.ne.jp/~takigami/yosei-pass.html" >会員用ページ</a>に掲載した記事です。 ■ドタキャン 幼馴染の話である。小学生の時から社会人まで付き合いがあった。彼は、勉強が出来た。確か、高校は、東部や西部や南部や北部ではなく、中部の方であった。大学も旧帝大、いわゆる一期校にストレート合格し、就職も一部上場企業であった。 遊んでいるときは、思わなかったが、今振り返って見るとお手本にしていたのかもしれない。 社会人になって何回か会ったが、彼の周りの人の評価があまり良くなかった。自分は、まったく思い当たることは、無かった…
読んだ 飯村大樹「サッド・バケーション」 大白小蟹「うみべのストーブ 大白小蟹短編集」 山下澄人「しんせかい」 「現代詩文庫18 長谷川龍生詩集」 「NHK100分de名著 ローティ 偶然性・アイロニー・連帯」 河野真理子「メロドラマの想像力 その核と射程」 山本さほ「岡崎に捧ぐ 第2巻」 穂村弘、東直子「回転ドアは、順番に」 大島渚 高崎俊夫編「わが封殺せしリリシズム」 佐々木敦「新しい小説のために」 「伊丹十三選集 二」 観た 小林恒夫監督「点と線」 成瀬巳喜男監督「山の音」 岡本喜八監督「江分利満氏の優雅な生活」 ヴィム・アンダーソン監督「PERFECT DAYS」 木下恵介監督「女の園…
よしのももこ『はいじまのわたし』 最新作の“原稿用紙四枚小説”です。今日はバタバタすぎて、かろうじて5冊だけ製本できました〜「夢野久作わたしの、いなか、の、じけん賞」で最終候補10篇に残ったときの作品をアレンジしたもの。時空を走り抜けるみじかくてながい小説 よしのももこ『土民生活流動体書簡集(一)バックレ可(笑)』 首都トーキョーが誇る消費者大相撲の土俵からバックレをかまし、とある離れ小島へ流れ着いた流動体(3人+2匹)からの手紙を本のかたちに編みました。流動する《生きている》、ジャケが雑草のようでやばい よしのももこ『ジドウケシゴム』 読むものの大半が困惑し、なかなか読み進められないと言われ…
今日、札幌で開かれている山下澄人さんのLABに参加しました。2月に入ってからこのLABに向かう準備体操をはじめていて、そのメモを小さい冊子にしました。さっき、小一時間前にウワーッと書いたラボ当日の記録も最後のページに載っています。そんなすぐに言葉になるようなことじゃないんだけど当日にしか書けないものを軽率に書いてみようと書きました。コンビニのネットプリントにアップしておいたので読みたい方はお近くのコンビニで印刷してください。2/25くらいまでで消えちゃいますのでお早めに。白黒のネットプリント代20円だけかかります。B4で、8つに折って真ん中に切れ目を入れると8ページの折り本ができあがります。や…
2024/02/16 小島信夫『残光』p.179〜188(もしかしたらもうちょっと先までかもしれないが)が、大事なところかもしれない。せりふを丁寧に洗いながら読むことを心がけている。自分自身の問題として読むこと。そうすれば、所謂解釈などというものは自ら出てくるものだ。安易にでっちあげた解釈で全てをこじつけてしまわないこと。謎は謎として大切にすること。 (山﨑努『俳優のノート』文春文庫、p.47) もちろん自分の問題として大事なところ。 もうすぐNさんから手紙が届く。届いたら始まる。届いてどれぐらいの期限でお返事したらいいのか、一ヶ月は長いと思う。もうすぐ、と書いたが、まだ半月後だ。月末に届く。…
⚫︎RYOZAN PARK巣鴨で、保坂和志「小説的思考塾vol.15」。以下は、話された内容のレポートではなく話を聞きながら考えたこと。 hosakakazushi.com ⚫︎目的から逆算されたプロセスがあるのではなく、一つ一つの試行錯誤が結果としてある形に至る。そして、一つ一つの試行錯誤は、全く何の形(結果)につながらないこともある。芸術作品というのは、そのようにして出来ている。そう考えることは、一つの結果(たとえば人類史における「農耕」の発生)を、当然そこに至るであろう必然的なものとは考えないということにもつながる。人類は、農耕を行わなかった、あるいは、行うとしても、ごく小規模にしか行わ…
2024/02/11 「なりゆき街道旅」でワンプレートにいろんな産地のウニがひと口ずつ並んでいるのを芸能人五人ぐらいが食べている。たしか産地によってウニの色が違う。それは視覚的に見ればわかる違いで、わたしたちはテレビに写っているものは食べられないんだけど、それは産地の違いではなく個体差なんじゃないか ……と考えて書きはじめたが、でもたしかに人間も、生まれた所で肌の色、目の色、それは写真で見ればわかる違いだけど、会えば体臭が違う、言葉も違う、言葉はちょっと文明寄りすぎてるかも、もっと産地の違い、それぐらいしかわたしには具体的な違いが出てこない。 学ばなければ この前浮気されている女の子と話をして…
2024/02/10 わたしは「わたし」という装置を観察してみたい。これは山下澄人の受け売りではあるけれど、わたしの中には「わたし」という装置があってら本当は「 」もつけずにわたしはわたしを観察してみたい。 外したいなら外せばいいじゃん これもわたしが言っているのか、「わたし」が言っているのかわからない。きのう帰ってきて、本棚にある坂口恭平『現実脱出論』が急に目に入った。本棚は二つある。一つはテレビの上に組まれた本棚で、これは高いところにあるから毎日目につく。もう一つはホームセンターでコンクリートのブロックを買ってきて1メートルほど離して置き、その上に1.2メートルの木の板を置いて、またさらに…
2024/02/07 小説のほうはなんとなく停止している、もうちょっと違うことを書きたくなっているが、たぶん飽きたんだと思う。 ただこうして書いたときに、虚構性が強いといろんなことができる。いや、今の時点でいろんなことをしてもいいんじゃないか、しかしそうなるとどの方向にも行けるからまた迷ってしまう。何をどうしたらいいのか、わかりやすく人が死んだりしてもしょうがない。 何を書こうか、ただ方向は見えた。モデルにしている人は実在しているけれど、まったく違うことというか、まったく違う書き方を、あくまでも彼らはこういう名を与えられた役者であって、普段はこういう性格だけどそれと同じことをさせても面白くない…
2024/02/04 私の目標は何かをすることではありません。何かを長く続けることです。行動を探すのではなく、見つけた行動を長く続ける工夫をします。一日、一ヶ月、一年、十年... することと、それを長く続けることは構造的に異なる方法です。 My goal is not to do something, but to endure something for a long time. Instead of seeking actions, I contemplate how to prolong the actions I find. Doing something for a day, a m…
2024/02/01 きのう山下澄人『FICTION』から一つ抜き書きしましたが、ネット記事の書評で、 「こうじゃなきゃならないなんてことはどこにもない。わかってから書くという発想が間違っている。とにかく書けばいい。やればいい。そしてそれをじっと見ればいい」 この一文が引用されていました。何ページに書かれているのかはわからないのですが、とにかくじっと見てみよう、と思っています。 『ルンタ』という作品にも、冒頭で「わたし」(「ぼく」だったかもしれません)が夜中三時に旅に出ようとします。もうこの部屋に戻ってくるつもりもありません。荷物も持っていくけれど、生きていくために必要なものを部屋から持ってい…