小説家。1980年生まれ。北海道出身。「フリッカー式」で第21回メフィスト賞、受賞。2002年に上京する。 通称「ユヤタン」。 西尾維新、滝本竜彦、乙一、大塚英志、東浩紀、斎藤環らと交流がある。 2006年冬、小説家の島本理生と結婚。 2007年、『1000の小説とバックベアード』で第20回三島由紀夫賞を受賞。
*1:復刊ドットコムにて現在交渉中。
*2:復刊ドットコムにて現在交渉中。
小説の面白さは、ストーリーや文章の面白さだけではなく、新しい表現技法を開拓するところにもある。特に純文学では、前衛文学や実験文学、ポストモダン文学と呼ばれる、今までになかったような表現方法で新しい小説世界を切り開く作品が多くある。 そんな小説の可能性を切り開いてきた日本の前衛文学を紹介したいと思う。日本文学の中でも、ポストモダン文学や前衛文学は数多くあるけれど、今回は主に2000年代に新人三賞を受賞したような若手作家の作品について紹介している。例を挙げると円城塔や青木淳悟、福永信あたりの作家の作品が中心だ。
昨日はまたブログの更新を忘れてしまった。忘れたと云うのは、ダラダラと横になっていたらそのまま眠ってしまったと云うことだ。 仕事では特段のことがあった訳ではなさそうと思っていたが、非常に神経を使うようなイレギュラーな業務があった。場所によっては日常茶飯事なのだろうけれども、自分のような怠惰で普段から面倒臭い事柄から逃げている者にとっては、いざそれに臨まねばならぬとなると大変難儀する。トータルで見たら大した勤務内容でもなかったのだが、それも眠ってしまった原因だろうか。 注文した「イニストラード:真紅の契り」のプレリリースパックが届く。プレリリースパックを開封するのは、先週地元のカードショップで購入…
★★☆☆☆ あらすじ 姥捨て山に捨てられた老女は、そこで老婆たちが共同生活を行なっていることを知る。 感想 姥捨て山に作られた共同体「デンデラ」の一員となった主人公。リーダーが自分たちを捨てた村の奴らを襲う、と言っていたので、「八つ墓村」的になるのだろうなと思いながら観ていたが、その前にクマに襲われ、雪崩に遭う。本題に入る前のちょっとしたエピソードかと思っていたら、その後ずっとクマと戦う物語に。え、クマ映画なの?という戸惑いが最後まで消えなかった。 bookcites.hatenadiary.com そういうことならせめて心の準備のために、クマにはずっと悩まされている的な伏線を入れておいて欲し…
メフィスト賞からデビューし、ミステリ・純文学の枠に収まらない小説を執筆してきた佐藤友哉。 サブカルチャーを小説内に取り込み、様々な意匠をパロディ的に用いるのが作風だ。先行作品を下敷きにし、オマージュ的な作品を多く執筆している。代表例を挙げると、サリンジャーの「グラスサーガ」を下敷きにした「鏡家サーガ」、高橋源一郎の『日本文学盛衰史』を佐藤友哉的にオマージュした『1000の小説とバックベアード』、中上健次の「灰色のコカコーラ」のタイトルをもじった『灰色のダイエット・コカコーラ』などがある。 鬱屈した内面を抱えた登場人物を主人公にすることが多く、焦燥や葛藤を生々しく描写するスタイルはコアなファンを…
転生! 太宰治 転生して、すみません (星海社FICTIONS) 作者:佐藤 友哉 発売日: 2018/09/16 メディア: 単行本(ソフトカバー) 1948年、愛人とともに玉川上水に入水したはずの太宰治がなぜか2017年の現代に転生し、数々の騒動を巻き起こすという奇想天外なお話ながら、「キャラ」を生きる術としていた太宰の新しさを浮き彫りにするとともに、「キャラ化」した現代社会への批評性をあわせもつスリリングな小説。 太宰治の文学について考えるとき、ぼくは「キャラ」と「器」というキーワードを思い浮かべる。前者は『人間失格』などに代表されるようなキャラ化された自己を描く作品。後者は『お伽草子』…
賛否両論を引き起こしたミステリの問題作 ミステリの中でも本格ミステリは様式美にこだわったジャンルだ。密室殺人や見立て殺人、クローズドサークルなど定番の謎がもてはやされる。ノックスの十戒やヴァン・ダインの二十則など、ミステリ特有の「お約束」というものもある。ノックスの十戒を見てみると、ミステリのお約束がどんなものなのかがなんとなく分かる。 犯人は物語の当初に登場していなければならない 探偵方法に超自然能力を用いてはならない 犯行現場に秘密の抜け穴・通路が二つ以上あってはならない 未発見の毒薬、難解な科学的説明を要する機械を犯行に用いてはならない 中国人を登場させてはならない 探偵は、偶然や第六感…
タイトル……映画、漫画、小説など、あらゆる創作物につけられる作品名。 ある人物は、タイトルこそが作品のヒットの有無を決めるとさえ発言している。 今回は自分の独断と偏見で選出した、センスのあるタイトル作品をいくつか紹介したいと思います。 ① 太陽がいっぱい 1960年のフランス・イタリアの犯罪映画。 貧しい青年の主人公が富豪の金持ちを殺害し、完全犯罪を目指すという内容。 物語自体も非常に面白いのだが、タイトルも非常に良い。 ストーリーとのギャップが強く、凄く明るいタイトルなのが、印象的。 そして、太陽という質量として捉えられるイメージのない者に対して、いっぱいという言葉を使うセンスがすごくいい。…
皆さん、夜はよく眠れているでしょうか? 僕は新刊本が気になりすぎて、夜しか眠れません。 8時間しか寝てません。辛い辛い。 そんな冗談はさておいて、最近気になっている新刊を紹介していこうと思う。 この記事を読んだら、あなたも気になりすぎて夜しか眠れなくなるはずだ。
僕は映画や読書が好きだし、好きということは当然共通の趣味を持つ人とコミュニケーションを取りたいと思う。けど僕はなかなかしない。心の許したひと握りの人としか話さない。それは自分がそこまで詳しくないニワカだからと言うのもあるが、何故か読書と映画に関しては僕のパーソナルスペースにあたるからだ。 おすすめの本をSNSで聞くこともある。おすすめの映画を聞くことだってある。けれど共通の映画や本に関することで人と話すことはほぼ無い。自分から感想を大真面目にツイートすることもほぼ無い。 でも何故か音楽の話はよくする。僕にとって音楽の方が幾分ラフな趣味なのだ。音楽の話をしてる時は自分のパーソナルスペースに侵入さ…
5月2日(月) ライブ3連チャンが終わり、久しぶりに予定のない休日。油断したらずっと寝てしまいそう。 スーパー銭湯へ行ってきた。サウナを3ループしてサッパリ。少し遠くの公園まで散歩する。 帰宅して昼寝していると、強めの雨に起こされた。それでもだらだら布団の中。やることがない日の雨は好きだ。何となく気分が沈んで、思う存分「何もしない」を出来る。 『自慢話でも武勇伝でもない「一般男性」の話から見えた生きづらさと男らしさのこと』を読んだ。 様々な年代・職種に分かれた男性10人の、過去やコンプレックスについて語られたものが書き綴られている。各々が抱えている深刻な悩みは、過去のトラウマや環境の影響がくっ…
2022年GW1日目。雨。 8時30分起床。長期休暇が始まったとは思えないほどに、いつもと変わらない休日。雨が降っていて、その音がしとしとと聞こえるのが今年のGWの始まりの音。今日は夜に緊張する予定が入っている以外は何もないので、何をしてもいいし、何もしなくてもいい。まだ働き始めで、めいっぱいGWを楽しもうと躍起になっていた頃の私は無理して旅行の予定を組んで、人がたくさんいる中を駆け巡り、長い旅が終わって家に帰りついたときにすごく安堵していた。働いていよいよ8年目になると、そういった行動をすすんで取ろうとは思えない。それは私一人のGWで、他の、例えばパートナーと過ごすGWではないからでもあった…
さて、今月も奈落の新刊チェックです。4月も出るわ出るわ、気になる新刊が。ブログ開設以来早いものでこの新刊チェックも5か月目ですが、まあ飽きるまでは続けようかと思います。では今月もいってみましょう。 ピラネージ 作者:スザンナ・クラーク 東京創元社 Amazon 2004年に『ジョナサン・ストレンジとミスター・ノレル』がベストセラーとなったファンタジー作家の第二作。広大な館に13人の骸骨とともに住む主人公の物語らしい。訳者の原島文世はダイアナ・ウィン・ジョーンズなどファンタジーを多く手掛ける。 メキシカン・ゴシック 作者:シルヴィア モレノ=ガルシア 早川書房 Amazon こちらも館ものファン…
・あらすじ 人工知能の研究者の父を持つ高校生・輔(たすく)。ある日、父親は密室で謎の変死を遂げるーー双子の人工知能(AI)を遺して。 輔は、父が遺した「探偵」のAI・相以(あい)とともに父を殺した真犯人を追うが、その中で、「犯人」のAI・以相(いあ)を盗み、悪用するテロリスト集団――「オクタコア」の陰謀に巻き込まれることになる。 ・感想 文章が読みやすく、トリックもよく考えられていて、しかも各話で用意されていて(5つ)、ストーリーもどんでん返しの展開があり、文句なしに面白かった。 推理小説に人工知能(AI)の要素をうまく混ぜ合わせていて面白かった。 「フレーム問題」(人工知能は考える枠を決めな…
www.youtube.com Petit Brabancon「渇き」Music Video刻/渇き - SinglePetit Brabanconロック¥765 Petit Brabancon(プチ・ブラバンソン) 【Member】 京(DIR EN GREY) :Voice yukihiro (L’Arc-en-Ciel):Drums ミヤ(MUCC):Guitar antz(Tokyo Shoegazer):Guitar 高松浩史(THE NOVEMBERS):Bass 湧く珍 生きてます生きてますってば! みんな更新お待たせしちゃってゴ・メ・ン・ネ❤ ワクチン接種後の高熱で死んでました…
①水没ピアノ 佐藤友哉 講談社文庫②ルドルフとイッパイアッテナ 斉藤洋 講談社文庫③愛とおそれと 佐多稲子 講談社文庫④文化の風景 フォークナー こびあん書房⑤解剖学教室へようこそ 養老孟司 筑摩書房⑥水・電解質・酸塩基平衡クイックリファレンス MEDSi⑦シチュエーションで学ぶ輸液レッスン 第3版 メディカルビュー社 ブックオフと新刊本屋。①そういえば読んだことなかったなという。②も文庫になっていたんだね。④この間早稲田でフォークナー全集の揃いを見てから購入欲がもくもくと湧き上がっているが、最近出る方が多くしばらく買えそうにない。その前に家にあるものを読めという話であるが。⑥新刊の中では面白…
今年も三大純文学新人賞の1つ、三島由紀夫賞の季節がやってきました。 芥川龍之介賞に比べると知名度が大きく下がる三島由紀夫賞だけれども、受賞作の尖りっぷりは芥川賞を凌ぐと思っている。舞城王太郎や佐藤友哉、中原昌也など芥川賞では評価されにくい尖った才能を見出してきた。個人的に一番好きな純文学新人賞だ。 前回は乗代雄介の『旅する練習』が受賞という順当な結果だったが、今年はどうなるのか。受賞作が出揃ったので紹介してきたい。 今回の候補作も芥川賞と違って独自色が強いなって思う。 デビュー作で読売文学賞を受賞した『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』がまさか候補に上がるとは思っていなかった。 岡田利規の「ブ…
『ペンギン・ブックスが選んだ日本の名短編29』を読んだ。日本文学における良質な短編をテーマ毎にいくつか編み英訳して出版されたものの、原著(というか日本語の)編み直し版である。 ペンギン・ブックスが選んだ日本の名短篇29 新潮社 Amazon 【目次】 ・序文切腹からメルトダウンまで 村上春樹 ・日本と西洋監獄署の裏 永井荷風 忠実なる戦士興津弥五右衛門の遺書 森鷗外憂国 三島由紀夫 ・男と女焔 津島佑子箱の中 河野多惠子残りの花 中上健次ハチハニー 吉本ばなな山姥の微笑 大庭みな子二世の縁 拾遺 円地文子 ・自然と記憶桃 阿部昭『物理の館物語』 小川洋子忘れえぬ人々 国木田独歩1963/198…
『新本格ミステリはどのようにして生まれたきたのか? 編集者宇山日出臣追悼文集』(太田克史編/星海社)が、3月31日に発売されました。【新刊案内】『新本格ミステリはどのようにして生まれてきたのか? 編集者宇山日出臣追悼文集』情報公開しました。講談社ノベルスを牙城とし、新本格ミステリ・ムーブメントを牽引した名編集者・宇山日出臣が成し遂げた仕事の世界を、錚々たる関係者が今ふたたび照射する!https://t.co/sMJvb4L7Il pic.twitter.com/u4bsY7tp9Y— 星海社 (@seikaisha) 2022年3月2日 上記ツイートの通り、追悼文を寄せたのは錚々たる顔ぶれであ…
民間企業の取り組み ハザードマップのポスティング 「生命を守る」ハザードマップを、ほぼ全戸に配る手法で住民に届けよ 株式会社JPメディアダイレクト営業推進本部 第2営業部 部長 佐藤 友哉営業推進本部 第2営業部 主任 佐藤 利啓 [提供]株式会社JPメディアダイレクト ※下記は自治体通信 Vol.37(2022年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。 まれにみる規模の豪雨災害が全国各地で相次ぐ昨今、自然災害対策は各自治体が取り組むべき喫緊の課題となっている。結果、その対策の要となるハザードマップの重要性は日々増している。そうしたなか、自治体における各種発行物のポスティングを手がけるJP…
4/01 P・G・ウッドハウス「ブランディングズ城のスカラベ騒動」論創海外ミステリ/ISBN: 9784846021290*1 4/02 ダイアン・クック「人類対自然」白水社エクス・リブリス/ISBN: 9784560090725*2 4/04 柚木麻子「ついでにジェントルメン」文藝春秋/ISBN: 9784163915234*3 4/05 クワイ・クォーテ「ガーナに消えた男」ハヤカワ・ミステリ/ISBN: 9784150019785*4 4/05 デニス・E・テイラー「われらはレギオン 4 驚異のシリンダー世界 上」ハヤカワ文庫SF/ISBN: 9784150123635*5 4/…
千葉雅也という哲学者が『勉強の哲学』という本で、勉強の対象を有限化するために自分の享楽的なこだわりを分析しようと言っている。 享楽的こだわりを可視化するためには「自分が何を欲望してきたか」を知る必要があり、方法論として「欲望年表」と呼ばれる代物の作成を奨励しているようなので、自分も取り組んでみることにした。これを見て年表の作成に興味を持った人は是非自分でも作ってみて欲しい。比較したら面白そうだ。 2000-2006 〜自我が未発達期〜 大変恐縮ながら、記憶にございません。 好きだったもの…アニメ『パンダコパンダ』、戦隊ヒーロー番組。 2007-2008 〜イキり期〜 小学校低学年。 自分は小説…