写真用語。Advanced Photo Systemの略。
90年代中盤に富士フイルム、コダック、キヤノン、ミノルタ、ニコンが共同開発した新しい写真の規格。
IX240判フィルムを使う新しいフィルムシステム……だった。
APS規格の代表的な機種としては、キヤノンのIXYシリーズ、富士フイルムのnexia・Epion各シリーズなどが挙げられる。
2011年7月、販売数量が年々大幅に減少したことや、一部原材料の供給元での生産が終了し入手困難となったことが原因で、生産を終了した。
2012年5月末に販売を終了する。
- カートリッジ式のフィルムで、フィルム装填は自動。一画面の大きさは16.7×32.2mm
- カメラが対応していれば、途中フィルム交換が可能(MRC・Mid Roll Change)。
- カメラが対応していれば、C/H/P の3種類のフォーマットを切り替えて使える
- 磁気情報を記録するトラックがあり、撮影日時等の撮影情報を記録できる。機種によっては露出の情報も記録され、プリントに反映できるというふれこみだった。
- 現像時にインデックスプリント(サムネイルのようなもの)が付く。APSの売りの一つだったが、その後35mmフィルムでも同様のサービスが始まり、この優位性はなくなった。
フィルムサイズが35mm版の6割程度であるゆえ画質を求めるユーザーからは敬遠され、しかも90年代後半にデジタルカメラが急速に普及したのに伴い失速した。
撤退するメーカーも相次ぎ、現在ではレンズ付きフイルムの規格として、細々と命脈を保っている。
廃れた規格と見なされているが、各社がAPSカメラを作る過程で得たノウハウには、その後のデジカメ開発に生かされているものが多い。
筐体の小型化、操作系や光学系の設計などはその一例。
現状ではデジタル一眼レフのセンサーサイズの説明に使われる例が多い。→APS-C