ロンドンにもスパニッシュギターの先生はいるはず

ロンドンにもスパニッシュギターの先生はいるはず


{アーニーと広子さんは境遇が似ていた。
 アーニーも母親を病気で早く亡くして、
 父親は再婚していて継母とうまくいか
 なかった}
高尾慶子著『外国の男と結婚した日本の女たちの話』(26)
◇日本嫌いが日本のビジネスウーマンになった広子さん(13)
広子さんとアーニーはスペイン経由でロンドンへ(その3)

ロンドンにもスパニッシュギターの先生はいるはず

◆◇◆立ち読み・坐り読み◆◇◆

鈴木智彦『ヤクザと原発 福島第一潜入記』文藝春秋刊(57)

▼△第ニ章 放射線 vs 暴力団専門ライター(3)△▼

・10万円で造血幹細胞を採取・(その3)

原発作業員として初めて造血幹細胞の採血を行うことにした

福島県公表:避難者数、仮設に9万7599人5月12日現在

◆◇◆立ち読みのはしご◆◇◆

高橋哲哉『犠牲のシステム 福島・沖縄』(集英社新書)☆(22)

▼△第一章 原発という犠牲のシステム〈22〉△▼
・犠牲になるのは誰か(その3)・

完全無責任体制で推進されてきた原発政策に群がった利権屋ら

高尾慶子著『外国の男と結婚した日本の女たちの話』(26)
◇日本嫌いが日本のビジネスウーマンになった広子さん(13)◇
広子さんとアーニーはスペイン経由でロンドンへ(その3)

ロンドンにもスパニッシュギターの先生はいるはず

《「 ・Olympic Flame travels by Horse Tram (Torchbearer Maureen Barnes-sherring carries  the Olympic Flame on a Horse Tram on Day 15  of the London 2012 Olympic Torch Relay.) アーニーと広子さんは、いくらスペインの物 価が安いとはいえ、働かないで暮らすことは できなかった。ギターの先生への授業料、食 べないといけない、家賃、そして、言葉は通 じない。 二人は何度も何度もああだこうだと相談を続 け、一ヵ月のちにアーニーが言った。 「ロンドンへ行ってみよう。ロンドンにもス  パニッシュギターの先生はいるはずだ。そ  して、少なくともロンドンへ行けば言葉は  通じる」 こうして二人はロンドンへ来たのだ。観光ヴ ィザで入ったが、広子さんはただちにロンド ンの美術学校へ入学し、ソーホーで、 「Japanese Steak House」を見つけ、仕事を 得た。 アーニーはソーセージ工場のラインで働くこ とになった。そして、アーニーはクラッシク ギターより弦が十八本もあるシタールに関心 を示し、私の夫の生徒になった。 アーニーと広子さんは境遇が似ていた。アー ニーも母親を病気で早く亡くして、父親は再 婚していて継母とうまくいかなかった。 高校を卒業するとコレッジへ入学したが、長 く続かず、デンパーで軍隊に志願した。数ヵ 月の訓練ののちヴェトナムに送られた。ヴェ トナムでの戦闘中も休暇があり、軍用機で日 本へ行ったそうだ。 私はその話を聞いたときき、日本の映画館監 督、勅使川原宏氏の「サマー・ソルジャー」 を思い出した。日本人の私が観て、とても面 白いと思った。 ・映画パンフレット「サマー・ソルジャー」  ・監督 勅使河原宏  ・出演 キース・サイクス/李礼仙/岸輝子/北村和夫 」》 ◎アーニーさんはベトナム帰還兵という。音 楽にひたすらにこだる様子に米兵のPTSD (心的外傷後ストレス障害)をおもってしま います。 兵士といえども、相手を殺す心理的抵抗はと ても大きいにです。例えば、第2次世界大戦 では歩兵の15〜20%しか、敵に向けて発 砲していないのです。 あとの80%以上は、たとえ自分の身をより 危険にさらす状況であっても、進んで銃を撃 つ以外の任務を希望し、戦線から離脱しよう としていました。 米軍は、兵士が発砲しないこと、そして相手 を殺したときに心理的ダメージをうけて使い 物にならなくなることに困り、どうすれば多 数の兵士の心理的抵抗を減らして人殺しをさ せるかを系統的に研究してきました。 その結果、ベトナム戦争では80%以上の兵 士が「敵」に向かって発砲するようになりま した。 しかし、その分、PTSDに苦しむ帰還兵が 膨大な数に増え、これらの心理的ケアという 新たな問題に直面することなりました。 これは、なお、今日の問題でもあります。 (つづく) (Y302-129) (Y303-130休)〜(Y305-132休) **『外国の男と結婚した日本の女たちの話』 単行本:222ページ 出版社:展望社 (2012/02) 《――英国から万感の思いを込めてレポートする―― Inter Marriage と 日本女性のメンタリティ。異国に あってこそわかる……「日本」のこころ。〈東日本大 震災〉をとおしていっそう深まった母国への「愛」。 東日本大震災福島原発事故の現状を知って以来、私 は自分自身ががいかに「日本人」として母国に愛着が あるか改めて思い起こし、「日本」を書こうと決意し た。もう経済大国でも何でもない母国日本が、今は愛 しいと感じるようになった》 〔表紙帯から〕 〔目次〕 ・マルキストエジプト人と結婚した明子さんの場合 ・ロンドン生まれの英国人と結婚した三千代さんの場合 ・日本嫌いが日本のビジネスウーマンになった広子さん   の場合 ・ジャマイカ人の男と結婚した友子さんの場合 〔著者〕 ☆高尾 慶子(たかお けいこ)☆ 1942年姫路市生まれ。私立播磨高校から調理師専門学校に 進む。カトリック系病院の調理師、カトリック系身体障害 児施設の職員を経て、1972年に英国へ。イギリス人音楽家 と結婚。1976年二人で帰国し京都で暮らす。1982年離婚。 1988年に再び英国へ。ロンドンの日本レストランのウェイ トレス、映画監督リドリー・スコット氏邸のハウスキーパ ーなどを経て、1998年『イギリス人はおかしい』を発表し、 注目を浴びる。現在は、英国政府から年金の給付を受けつ つ執筆活動に専念している 著書は『イギリス人はおかしい』『イギリス人はかなしい』 『イギリス人はしたたか』『まだまだ言うぞイギリス・ニ ッポン』『書かずに我慢できないイギリス・ニッポン』『イ ギリス・ニッポンの政治の品格』ほか。 外国の男と結婚した日本の女たちの話 参照: ・2009-11-30『まだまだ言うぞ イギリス・ニッポン』を読む2011-06-24『イギリス・ニッポン政治の品格 』(1)

高尾慶子著『外国の男と結婚した日本の女たちの話』(26)

◆◇◆立ち読み・坐り読み◆◇◆

鈴木智彦『ヤクザと原発 福島第一潜入記』文藝春秋刊(57)

《「原発はタブーの宝庫。だからオレらが儲かる!」   某地方の暴力団組長   −暴力団専門ライターが実際に動いたからこそ    書ける原発という巨大なシノギ−  「原発は儲かる。どでかいシノギだな。電力会社と交渉して、   ゼネコンと話付けて、地元の土建屋に仕事を振る。代紋な   しではとても捌ききれん。原発はタブーの宝庫。裏社会の   俺たちには、打ち出の小槌となるんだよ」。ヤクザが語る   衝撃の事実。日本最大のタブーがいま明かされる!   ―誰も書けなかった 命懸けの衝撃ノンフィクション―》   【表紙帯から】 

▼△第ニ章 放射線 vs 暴力団専門ライター(3)△▼

・10万円で造血幹細胞を採取・(その3)

原発作業員として初めて造血幹細胞の採血を行うことにした

《「――こうなれば急性障害が出て、最初に生殖機能が破壊され、続 いて骨髄機能がダメージを受ける。放射線に対する耐性には個人差が あるため、低い線量で症状が出てもおかしくない。 虎ノ門病院血液内科部長の谷口修一など、医療関係者たちが何度も、 自己造血細胞の採取と冷凍保存を呼びかけているのに、原子力安全・ 保安院厚生労働省は、「国の定めた上限が250ミリシーベルトで あり、それを厳密に守って作業するので必要ない」と繰り返している。 私も政府は決めた無茶な上限を超えるつもりはなかった。が、取材を 重ねるうち、1000ミリシーベルトを超えるかもしれない具体的シ ーンをリアルに想像できるようになってしまたったので、原発作業員 として初めて造血幹細胞の採血を行うことにした。 インフォームドコンセントの際、金額は約10万円と決められた。本 来なら、40万円程度かかるが、谷口らの善意によって大幅にディス カウントされた。 「本来、このコストは国や東電が支払うべきもので、個人の負担はゼ ロにしたい。そうもいかにので10万円ちょっとになると思って下さ い。領収書はとっておいてほしい。個人が払うべきものではないんで す。エビデンスを出せとうるさいが、最初にやられるのが生殖機能で、 次が血液であることは間違いない。 その他、どの臓器に障害が出ても、まずは他人の造血幹細胞を移植す ることから治療を始めるわけで、拒絶反応を抑える免疫抑制剤を使わ ずに済むのだから、メリットは計り知れない」(谷口) ――」》 ヤクザと原発 福島第一潜入記文藝春秋 (2011/12/15) ・〈目次〉・ 序 章 ヤクザの告白「原発はどでかいシノギ」 →第1章 私はなぜ原発作業員となったのか 第2章 放射能vs.暴力団専門ライター 第3章 フクシマ50が明かす「3・11」の死闘 第4章 ついに潜入!1Fという修羅場 第5章 原発稼業の懲りない面々 終 章 「ヤクザと原発」の落とし前 ◎先週100歳で亡くなった新藤兼人監督の「原爆の子」(1952年) は、、原爆をテーマにした世界初の本格的な劇映画として、今でこそ、 よく知られた作品ですが、カンヌ国際映画祭に出品するのを妨害する 動きがあった知って驚きました。 当時、東西冷戦下、外務省は原爆に「反米」が重なることを嫌い、外 務省は何とか食い止められないかと工作したというのです。 8月6日 広島に、8月9日 長崎にそれぞれ原子爆弾を投下され、そ れぞれの街で数十万人の人々が被爆し、その年の内に広島で13万人 以上、長崎で7万人以上の人が亡くなりました。あれから60年あま り経つなかで、放射能を浴びた原爆被爆者は、命・暮らし・心を蝕ま れ、今も苦しみ続けています。 なんと、われわれは、忘れっぽいのか。唯一の原子爆弾被爆国という 日本。広島に落とされた原爆は濃縮ウラン型、長崎にはプルトニウム 型。これは、原子力科学者たちの人体実験です。この延長線上にいる のが、原子力ムラの科学者たちです。国民に嘘をつくなど、何の罪の 意識もないのです。 そして、いま、自ら選択した原子力発電の放射能汚染に、襲われてい ます。 嗚呼!

福島県公表:避難者数、仮設に9万7599人5月12日現在

◆◇◆立ち読みのはしご◆◇◆

高橋哲哉『犠牲のシステム 福島・沖縄』(集英社新書)☆(22)

《経済成長も安全保障も「犠牲」の上に成り立っている。  『靖国問題』以来、6年ぶりの書き下ろし新書!  本書のテーマは、犠牲のシステムとしての福島と沖縄  である。それは、一九四五年の敗戦以後、今日までの  日本を「戦後日本」と呼ぶなら、これら二つの地名が、  戦後日本の国家体制に組み込まれた二つの犠牲のシス  テムを表しているからだ。》【表紙帯から】
▼△第一章 原発という犠牲のシステム〈22〉△▼
・犠牲になるのは誰か(その3)・

完全無責任体制で推進されてきた原発政策に群がった利権屋ら

《「――彼らを「決死隊」と呼んだり、「フクシマ五〇」と呼んで英 雄視する報道もある。いよいよ大量被爆を覚悟した作業が必要となっ たとき、「平成の特攻隊」をどのように選べば「公正」なのか、とい う議論もある。 志願によってであれ命令によってであれ、被爆死者が出たら、靖国神 社の「英霊」のように、「お国のため」「国家国民のため」「日本の ため」に命を捧げた「尊い犠牲」として顕彰し(遺族がいれば)遺族 に精神的慰謝と経済的補償を与えればよい、というのだろうか。 その実態はしかし、「完全無責任体制」で推進されてきた原発政策、 その利権に群がった政治家、官僚、電力会社幹部、原子力科学の学者 ・技術者たち(総じて「原子力ムラ」と言うらしい)の怠慢、欺瞞、 特権意識がもたらした無残な失敗の、尻拭いを強いられる、というこ とではないか。 現代のスケープゴート(犠牲の山羊)にされる、ということではない か。災厄に襲われた社会が、自らの罪から逃れるために、力弱い山羊 の全責任を押しつけて、犠牲に捧げる。そうしておいて社会は、山羊 を自分たちの救い手として崇め奉るのである。 ――」》 ◎文部科学省経済産業省が2年前に作った小学生のための副読本と して「わくわく原子力ランド」がありしたが、「地震が起きても放射 性物質は漏れない」と記述されており、事故後に回収されたのでした。 原発は、「ウランを焼き固めたペレット」「ペレットの被覆管」「原 子炉圧力容器」「格納容器」「原子炉建屋」の「5重の壁」で守られ、 放射性物質が外にもれないようなっていると説明されていたのです。 そして、「わくわくランド」を回収した後、文科省は、新たに「放射 線について考えてみよう」という副読本を作りましたが、「5重の壁」 の個所の説明は削除されました。 すなわち、炉心溶融事故が起きた時、放射性物質の放出をどう防ぐの か。周辺自治体の防災計画が整備されていない状況で、人々にどう避 難してもらうのか、国の対策は無手勝流なのです。こんな恐ろしいこ とってありますか。 犠牲のシステム 福島・沖縄 (集英社新書)集英社 (2012/1/17) ・〈目次〉・ 第一部 福島 ・第一章 原発という犠牲のシステム ・第ニ章 犠牲のシステムとしての原発、再論 ・第三章 原発事故と震災の思想論 第ニ部 沖縄 ・第四章 「植民地」としての沖縄 ・第五章 沖縄に照射される福島 〈参考〉 ・沖縄県民斯く戦えり・  発 沖縄根拠地隊司令官    (大田實・海軍少将)  宛 海軍次官  左の電文を次官に御通報方取り計らいを得たし  (略)  一木一草焦土と化せん。糧食6月一杯を支うる  のみなりという。沖縄県民斯く戦えり。  県民に対し、後世特別の御高配を賜らんことを。              〈昭和20年6月6日〉

≪都会歳時記≫

[都市・現代の視座1000句]句集 古家 元「文學の森」刊]
〔夏〕 動物  考へてをり街路図のかたつむり
http://shop.bungak.com/products/detail.php?product_id=143

≫平成万葉集

読売新聞社 (編集)、「万葉のこころを未来へ」推進委員会 (編集)
廃材の山と積まるる原の果てすすきの穂波白く眩しき
吉野智恵子(79歳)千葉県

◆◇◆悪魔の辞典より◆◇◆

アンブローズ ビアス (著)、Ambrose Bierce (原著)、 西川 正身 (翻訳)
平等(equality n.)
政治では、想像上の一つの状況を指して言うが、その状況 のもとでは、脳味噌ではなく頭蓋骨が重要視され、功績は くじで決定され、昇進という形で罰せられる。この原理は、 論理的結論にまで押しつめて行くと、結局、官職に就くの も刑務所に入るのも、交代制が必要となる。人はすべて投 票する権利が平等に与えられているのであるから、官職に 就く権利も平等にあり、有罪判決を受けるのも平等でなけ れればならない。 新編 悪魔の辞典 (岩波文庫)

☆★☆言えそうで言えない英会話表現☆★☆

ぶっつけ本番でいきましょう。
Let's paly it by ear.
<NHKラジオ 「英語5分間トレーニング」岩村圭南 講師> ※この番組の放送は4月1日で終了しています。

◎◆◎アートのたのしみ《英国篇》◎◆

J.W. Waterhouse“オデュッセウスに杯を差し出すキルケ”
(Circe Offering the Cup to Odysseus) (1891年・Oldham Art Gallery, Oldham, England ) ◎漁師だったグラウコスは、ある日偶然、魚を蘇らせる 薬草を発見しました。その草を舐めてみると、無性に水 が恋しくなり、水の中に飛び込んでしまいました。 しかし、それは海の神ポセイドンの仕業でした。ポセイ ドンの配下の魚たちを繁栄させるため、グラウコスを海 の世界に誘拐したのでした。ポセイドンは、グラウコス を海の神の末席に加え、不死のものとしました。 魔女キルケはグラウコスに思いを寄せていました。しか し、グラウコスの方は、スキュレというニンフに恋をし ていました。スキュレはグラウコスの告白を聞いても、 ふってしまいます。どうしたらいいのかと、こともあろ うに、魔女キルケのもとを訪ねるのでした。 もともとグラウコスが好きだったキルケは怒ってしまい ました。キルケは、あらゆ毒草を集め、それに魔法をか けんがら混ぜ合わせて毒液を作りました。 キルケはその毒を持って、スキュラの住むシチリアの海 岸へ行き、その入り江に流し込みました。スキュラがそ の海岸へ来て水浴びを始めたところ、スキュラの身体に 変化がおこり、上半身は美しいニンフのままで、下半身 は六匹の飢える犬となってしまいました。 船が近くを通ると、船乗りを食べてしまう怪物になって しまったのです。オデュッセウスがこの海岸を航行中、 この怪物スキュラに襲われましたが、船を丸ごと失うよ りはと考え、六人の船員をスキュラの犠牲にさせて難を 逃れました。 ました。 ◆ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス (Jhon William Waterhouse〈1849-1917〉) ・イギリス ラファエル前派・ ウォーターハウスは、父が画家でたびたびローマに滞在して いた関係で、ローマで出生。この年、イタリアではガリバル ディのシャツ隊がローマを占拠する統一戦争が起こり、イギ リスでは、アカデミズムに反旗を翻したラファエル前派の作 品がロイヤル・アカデミーなどの美術展に初めて出品された ました。 ウォーターハウスは、父親のアトリエで絵を勉強し、1870年 にアカデミー美術学校に入学。アルマ・タデマの影響もあっ て、古代史に題材を取った絵が多い。ロイヤル・アカデミー でも成績がよく、「魔法の円」が国に買い上げられたり、多 くの賞を取っています。後期の作品にラファエル前派的な作 品が多い。バーン・ジョーンズのように詩情にあふれていま すが、ウォーターハウスの方がより造形性、素描力が優れい ます。古典と新風がよく調和した画風を世におくりました。