コカコーラに発ガン性物質が含まれていることが判明 - ねとらぼ
コカコーラに発ガン性物質が含まれている、という甘党の肝を冷やすような検査結果が発表されている。
発表したのは、「NPO法人 食品と暮らしの安全」の協力団体CSPI(アメリカの公益科学センター)。日本を含む世界各国のコカコーラには、発ガン性物質の4-メチルイミダゾール(4-MI)が含まれているという。
なんで今頃言い出したのかよくわからないんだが、これはもうだいぶ前に公表されてる話。
http://jp.ibtimes.com/articles/27730/20120309/631410.htm
FDAの広報担当、Doug Karas氏によると、「1日1,000缶以上」の炭酸飲料を飲まなければ、がんにつながることはないという。
と、殊更発がん性を恐れる必要もないんだが、なぜこんな煽ったような題名のプレスリリースを出したのかが気になる。
ということで簡単に調べてみたところ、「NPO法人 食品と暮らしの安全」とやらの代表の方がなかなか興味深い人でして。
小若順一 - Wikipedia
俺みたいにwikipediaで変人を調べるのが好きな人間ならすぐにこの項目がおかしいってことに気づくと思う。
小若 順一(こわか じゅんいち、1950年2月2日 - )は食品と暮らしの安全基金代表。岡山県岡山市生まれ。現場取材と食品検査が得意な市民運動家。ポストハーベスト農薬の全容を解明したことで国際的な評価が高い。安全性の分野で幅広く活動し、最新情報を月刊誌『食品と暮らしの安全』で発信している。ベストセラー『新・食べるな、危険!』ISBN 978-4062128421の著者。
もう片っ端から「要出典」「誰に?」ってつけたくなる表現の連発。おかしな人が編集してるのがよく分かるね!
で、こういうのはだいたい変な信者か本人が宣伝のためにやってるのでトンデモな内容になってることが多い。
じゃ、見て行きましょうか。
1973年に遺伝毒性がある合成殺菌料AF2の追放運動に参加したのが運動家としてのスタート。その後、発ガン性が見つかった赤色2号、サッカリン、BHTなどを、日本消費者連盟の担当者として真っ先に立ち上がって数週間で市場から追放した。1970年代後半は、「遺伝毒性を考える集い」のリーダーとして、赤色104号、臭素酸カリウムを市場から追放し、プロピレングリコールは規制に追い込むことに成功し、食品添加物の追放運動家として勇名をとどろかせた。
「勇名をとどろかせた」ってのが中立性のカケラもない表記でいいですね。
特筆すべきはこの中に出てくる物質の中で現在使用が規制されているのがBHTだけってことですかね。
ダイオキシンをどう減らすかが大きな社会問題になっていたとき、槌田博の「自然処理の原則によるプラスチック分類」を、見やすいポスターにまとめて発表。大反響を巻き起こし、ダイオキシン対策が進む。3年後にはダイオキシンの排出量は1000分の1近くに減った。
いやー、それを自分の手柄にしちゃうのは……。
環境ホルモンとして環境庁の報告書にリストアップされていた英語の60数物質について、用途や生産量を調べて日本語にし、生産量が特に多い3物質の毒性とともに公表。大反響を巻き起こし、ポリカーボネート製哺乳瓶が激減、10年後に世界中で哺乳瓶が変わり始めるキッカケをつくった。
いろんなことで大反響巻き起こし過ぎ。
小若と付き合いのあったアメリカ公益科学センター(CSPI)、英国食品委員会の代表者が日本に集まって、日本子孫基金とともに国際団体IACFOを結成。IACFOは、1998年に国連の国際食品規格委員会(コーデックス)のオブザーバ−資格を取得。3団体の合意で、日本の市民団体としては初めてコーデックスに参加して自由に発言できることになった。 員から寄せられた多額のカンパで、1999年から熊澤夏子を始めとする優秀なスタッフをコーデックスに派遣。熊澤は、目立たない日本政府代表をすぐに凌駕して「日本の顔」になり、これから5年にわたって大活躍をした。そのため日本政府代表団も、仕事のできる人間で構成されるようになった。
これはまあ書いた人の頭がアレなんだろうけど、こんなアレな人に信奉されてるのもなあと思ったり思わなかったり。
ヨーロッパの高級掃除機は、排気中の微細なチリ(0.3μm)をゼロにして排出しているのに、日本の掃除機はすべて排気が汚く、3μmのチリも排出していて、ぜんそくや肺炎の原因になっていると警告。この排気問題を冒頭に取り上げた『使うな、危険!』(講談社 ISBN 978-4062128438)を2005年に出版。販売部数は9万部を超えたが、テレビが家電メーカーに遠慮して、この情報が一切流されなかったので、日立など一部のメーカーの、ごく一部の機種しか排気はきれいになっていない。 韓国では、小若が行っている方法で掃除機の排気実験がテレビで取り上げられ、現在は各社の高級機種はヨーロッパ並みのきれいな排気になっている。

- 作者: 食品と暮らしの安全基金,小若順一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/09/06
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例えば、掃除機。
「日本製の掃除機は全てゴミを撒き散らす」とも取れる表現の上、「この掃除機を買えば大丈夫!」という表現を過剰にしている。
ある販売代理店と提携しているのだからしょうがないけど...
読んでないのでなんとも言えないけど、他のレビュー等を見る限り変な表現があるのは間違いないっぽいね。
掃除機レポート:掃除機は家庭の空気の汚染源|掃除機「ウルトラワン」
確かに掃除機薦めてるな。
2008年1月、中国産冷凍ギョーザを食べた人に命にかかわる被害が出ていることが判明。小若は、事件が判明した日、21時からのNHKニュースウオッチ9に出演し、食品テロ説が最も有力と解説。事件は判明するにつれて小若の予想したとおりの展開となり、テレビ各局に1週間で30回ほど出演した。
えー、あー、うん。
まあ食品テロっていうか個人的な鬱憤晴らしだったけどね。
中国産毒ギョーザ事件でテレビ出演中、「水煮食品」の取材映像を見て、輸入食品を多く食べる日本人はミネラル不足になっていると小若は確信し、それからは食品のミネラル不足問題に取り組んでいる。 2008年9月、『無添加白だし(三合わせ)』によるモニター調査を開始 2008年10月、『無添加白だし』を飲み始めたアスペルガー症候群の「こうちゃん」が劇的な改善を始める。 2010年2月、必須微量ミネラル不足を警告した『食べなきゃ、危険!』(ISBN 978-4883204915)を出版し。この本を読んで、心身の健康を回復した人が次々と現れている。 2010年8月、現代の各種食品を実測し、主要ミネラルが共通して不足していることを立証。データをまとめて、1ヵ月くらい現代的な食事をしていると、高い確率で病気にかかることを警告したポスター『ミネラル不足の食事』を発表した。 2010年12月、各人気商品の主要5ミネラルの実測値を掲載した『食事でかかる新型栄養失調』(ISBN 978-4883205219)を出版。
いやー、わくわくするね。
こうやってだんだん詐欺まがいのことが書かれてくるとこれは本物だ! とか思っちゃうね。
いいよー、すごくいいよー。
福島第一原発で事故が起きたので、放射能汚染のない食品からセシウムとストロンチウムの同族ミネラルであるカリウムとカルシウムを多く摂ることで、被爆を減らすことを提案した『放射能を防ぐ知恵』(ISBN 978-4883205325)を出版。さらに、妊婦を放射能汚染から守らないと20年後に生れてくる子どもが遺伝障害を受けることを警告した『放射能から子孫を守りたい』のパフレットを作成。続いて、食品を選ぶときに役立つ「放射能汚染による都道府県の格付け」(2012.2)を発表し、放射能汚染による被害者を減らす活動を行っている。
とりあえず「パフレット」っていう脱字、覚えておいてください。
あと「被爆」も。
つか同族ミネラルで被曝が減るって本当なのかと思って調べてみたらこんなのが。
ミネラル豊富な食品で放射能の影響を薄めよう! : カメ爺さんの徒然日記
小若氏によれば、セシウムは「カリウム」、ストロンチウムは「カルシウム」が同属なので、汚染されていない食品に含まれる性質の似た同属元素(ミネラル)の摂取によって「放射性セシウムと放射性ストロンチウムが薄められ、体内への吸収量(内部被ばく)を減らせる」という画期的な提案です。
それも、臓器に取り込まれなかったミネラルは体外にスムースに排出されるため、特に妊婦の方はミネラル豊富な食品をたくさん食べれば健康に良いだけでなく、子孫へのリスクを軽減できるそうです。
本人もそう言ってる。
地域 - 埼玉:朝日新聞デジタル
「現代の食事には、カルシウムや鉄分などミネラルが不足していることが、公的機関による検査でわかりました。ミネラルには、体内の放射性セシウムやストロンチウムの排出を促す効果があります。そこに着目し、ミネラル摂取をお勧めしています」
本当にそんな効果あるの?
つか同族元素を摂取することによって放射性物質が薄められるメカニズムがよくわからない。
同族元素は一定量しか体内に吸収されないの? 何なの?
同族ミネラルで検索してもこの話しか出てこないし本当にそんな言葉あるの? 何を信じればいいの? 山は死ぬの?
で、これ書いた人アレなんじゃないのと思ってましたが、実は公式の文章ほぼ丸写しだったことが発覚。
食品と暮らしの安全l代表 小若順一
上の「パフレット」とか「被爆」とか、完全にコピペの証拠ですね。
これ指摘したら全削除なんじゃないかと思うけど、その辺はどうでもいいです。
そういうの指摘するの面倒だし。
つか自分で「大反響を巻き起こし」とか書くな。
で、この小若って人検索するとどんどん胡散臭い話が出てくるんですよ。
小若順一氏らの薬事法違反(? )を日本消費者連盟が明らかに? - 松永和紀blog
市民団体で不安を煽り、会社で買わせる。この“つくり”の問題点は、「食の安全・市民ホットライン」が掲載した情報が指摘する通り。
「安全すたいるオンラインショップ」店主は、「(株)食品と暮らしの安全 代表取締役 小若順一」氏で、小若氏は、月刊誌「食品と暮らしの安全」を発行する「食品と暮らしの安全基金」の代表でもある。実に巧妙な足掛けだ。そして、ここからが興味深いのだが、小若氏の出身は日本消費者連盟である。市民団体「食品と暮らしの安全基金」は、これまでにも「アスペルガー症候群が「『無添加白だし(三合わせ)』(天然ダシ)で劇的に回復する」というような情報を流し、一方で「(株)食品と暮らしの安全」が『無添加白だし(三合わせ)』(天然ダシ)を販売するという悪質な商法を繰り広げてきた。
小若氏は、昨年、ある地方の消費者団体に招かれ講演した時に、ちまたにある食品の悪口をさんざん言った後に、この商品を出して「こんなにいい」と宣伝したそうだ。消費者団体もさすがに「これは、まずい」と気付き、参加者からも後で文句が出た。その消費者団体は今年、憑き物が落ちたように唐木英明・東大名誉教授や畝山智香子・国立医薬品食品衛生研究所研究員などを招き講演会を開催している。
【番外編・バイブル商法】「食品と暮らしの安全基金」小若順一代表の講演会 - あべしの裏側
小若は、最初の本は講談社から出そうとしたが、出せなかったという。同じ講談社から発達障害の専門医の本が出ているので圧力がかかったということらしい。エビデンスを満たしていないから、科学者の査読に到底耐えうるものではない(論文にしないということは、それを自ら認めているってことだろう)、まともな医師や科学者には、相手にされていないだけだ。「無添加白だし」を、小若が言っていた、「僕の直感では9割治る」「モニター調査」なんかではなくて、二重盲検試験をやったうえで、医薬品として承認申請すればいいのである。
小若は、発達障害児を「頭がおかしい(それが『無添加白だし』で治った)」と言っていたり、発達障害に対して、根本的に差別意識があるらしい。アスペルガー症候群にありがちな、「融通が利かない」というのも、言換えれば「厳正に規則を守る」である。
薬事法違反まがいのやり方で不安を煽って商品を買わせる商法をバイブル商法というらしいけど、完全にそれなんだよなー。
冒頭のコカコーラの発がん物質の話も、自分のところでジュース売ってるしなぁなどと勘繰っておりますが実際はどうなのやら。
つか見て回ったところに結構ブクマがついていたので有名な話なのかもしれない。
天然だしなんか買う気更々ないけど、一応覚えておくことにします。
あ、個人の感想なのでムキーってなった人がいても知らないです。

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